「はぁ~~~っ」 保科先輩、宮内先輩、琴音ちゃんと一緒にお風呂に入ったわたしは、 思わず大きなため息を吐いてしまいました。 三人の体を見て……自分の体を見て…… 「はぁ~~~っ」 また、ため息。 いいなぁ。保科先輩に宮内先輩。 琴音ちゃんも、わたしを置いて、一人でどんどん成長して大人になっちゃうし。 「はぁ~~~っ」 そんな事を思って何度もため息を吐くわたしに、保科先輩たちが気遣わしげに声をかけてきました。 「松原さん? どないしたん?」 「どしたの、アオイ? ナヤミゴト?」 「葵ちゃん?」 「へ……? あっ、な、なんでもないんです、なんでも。あ、あは、あははは」 心配そうな視線を向けてくる三人を安心させる様に、わたしは努めて明るい声で答えました。 でも…… 「なんでもないんやったら、そんなにため息吐かんやろ?」 「ウン。その通りネ」 「葵ちゃん。わたしたちは家族でしょ? 悩みがあるんだったら一人で抱え込まないで。お願いだから」 琴音ちゃんたちは真剣な表情を崩さずに、わたしの方に身を乗り出してきました。 「え、えっと……だから……本当になんでもないんですけど……」 「…………」 「…………」 「…………」 わたしの『なんでもない』という言葉に耳を貸さずに無言の圧力を掛けてくる三人。 「ううっ……その……ですから……」 「…………」 「…………」 「…………」 何とかこの場を誤魔化そうとしますが、上手く言葉が出てきません。 それに、わたしの事を心底心配してくれているのが分かりますので無下にも出来ませんし。 「…………」 「…………」 「…………」 ……はあ、仕方ないですね。 悩みを言うのは恥ずかしいですが、でも、言わないで誤魔化せる様な雰囲気じゃないですから。 「あ、あの……実は……」 観念して、わたしは正直に打ち明けました。 そして、それを聞いた宮内先輩たちは……呆れ返りました。 「なんや。そんなの、気にせんでも……」 「まったく、ナニを悩んでるかと思えば」 「はぁ。心配して損しちゃいました」 ううっ。そんな言い方しなくても……。 ふーんだふーんだ。『有る』人には『無い』人の気持ちは分かりませんよーだ。 ……くすん。 わたしは、自分の子供っぽい体を見下ろして、そっと呟きました。 「早く……生えてこないかなぁ」< おわり >
☆ あとがき ☆ あ、あはは、あははははははははははは( ̄▽ ̄; わ、笑って許して下さいね(;^_^A