「な、な、なにやってるんだお前らはーーーっ!?」
そう叫ぶ浩之の眼前には、「HAPPY BIRTHDAY!!」とでかでかと
書かれた大きなパネルと、全高2mばかり、ウェディングケーキかと思わ
れるような、巨大なデコレーションケーキ、そして、色とりどりのバニース
ーツに身を包んだ九人の「妻」達の姿があった。襟元に付けられている
リボンがやけに大きめなのは気のせいか。
「あら、やっとお目覚めね♪」
浩之の驚愕の叫びなど意に介さぬ風に、綾香がにこにこと笑顔を見せる。
「そこまでびっくりしてもらえるなんてなあ、わたしらも準備した甲斐がある
ってもんや。」
と言って、悪戯っぽく微笑む智子。髪をほどき、眼鏡を取ったその姿に、
バニースーツは、あまりにぴったり過ぎだった。
浩之は、しばし、茫然とした状態から立ち直れないでいた。
「去年は、まだ家族になる前で、盛大にお祝いできなかったから、今年は
皆で、藤田さんの誕生日を思いっきり盛大にお祝いしましょうって、皆で考え
ていたんです。」
着慣れないバニースーツに、少しもじもじしながら琴音が言う。
「丁度日にち柄も良く、今日は日曜日ですから、一日中お楽しみできるとい
うわけなんです・・・・・ね?あかりさん」
そう言うマルチから視線を後ろに向けると、いつの間にやら皆と同じく
バニースーツに身を包んだあかりがにっこりと微笑んで「うんっ♪」と頷いて
いた。
「せっかくのお目でたい日に、何時までも寝ていたらもったいないもんね。」
そう言うと、あかりは皆のところに行くそして、一同揃ったところで声を合わせ
「「「「「「「「「「今日は一日たっぷり楽しんで下さい、旦那様♪」」」」」」」」」
と叫ぶ。
「・・・・・・・・・・・・」
浩之は、黙りこんだまま、妻達の心遣いに感謝しながら、「淫靡な悦楽を」と
考えていた自分を少し恥ずかしく思った。
『まだまだ、オレも欲望ばっかり突き進みがちだな・・・・・』
自分の楽しみばかり優先しがちなのを反省して、もっとこの子達の為にでき
る事を考えなければ・・・・・・・・
「みんな・・・・、サンキュな・・・・・・・・・」
そう言った時、ほのぼのとした暖かいムードを打ち破るがごとく「ピンポーン!」
と、玄関の呼び鈴が鳴った。
「ひ、浩之ちゃん、お願い!!」
慌てて服を着替えるあかり達に頷くと、浩之は玄関に向かった。
『まったく・・・これからの楽しいひと時を・・・・、一体誰だ?』
そう内心呟きながらも
「はいは~~~い、どなたですか?」
と答えながら、浩之は玄関の扉のノブを開けた。
<次の作家さんに続く>
ちょっとしんみり(?)しちゃったかな(苦笑)
ってなわけで次の方宜しくお願いしま~~~す♪
くのうなおき
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