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君に贈る 11

今日から二月
もう年が明けてから一か月が過ぎちゃいました。
早いものですね~

連日寒いなぁと思っていますが今日もまた週半ばから雪のマークが付いている地域が増えてくる予想が出ていますね
東京近郊は一応晴れのマークが付いていますが乾燥がひどくてインフルエンザは猛威を奮っています

皆様 外から帰ったら手洗いうがい、お出かけ時にはぜひマスクの着用を~!
寒さ厳しくなってきていますが風邪などひかないように頑張りましょうね!

さて細切れ連載 更新鋭意続行中です
今回は比較的纏めて話がつながったのでちょっと長めで♪

お付き合いくださいます方は以下のリンクからぜひぜひよろしくお願いいたします♪(^^)

続き

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君に贈る 11
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クリスマス連休を週末に控え浮足立つ人と街並み。
急な仕事で今週ずっと本社へ行っている遊馬からは忙しいのか日曜以来連絡もなく。
ピアスの件もあって何となく自分から連絡を取り難くなっていた彼女がその状況に甘んじているとあっという間に連休前日の木曜日がやってきた。
野明のもとにもクリスマスに託けた飲み会や食事の誘いが幾つかあったもののどうしても予定を入れる気になれず全て丁重に辞退した。
それでも何名かの男性社員は残業を回避して真っすぐ帰宅する彼女について駅まで同道してきたが「食事だけでも」と声を掛けるその全員に「先約があるので」と断りを入れた。
ぐったり疲れて部屋に戻るとディバッグのサイドポケットに突っこまれた携帯を取り出しメールも通話も着信の履歴がない事を確認した彼女は肩を落として電話を元のメッシュポケットに放り込む。
気分転換にと熱い湯を長々と浴び寝巻代わりのシャツを引っ掛けた野明はぽんとベッドに身を投げた。
まくら代わりのクッションを両腕で抱え込み着信を示すLEDが消灯したままの携帯を眺め落胆に肩を落とす。
「先約・・・なんて大嘘つきだ、私・・・」
約束どころか連絡すらまともにとれていない男の顔を思い出し彼女は微かに眉を顰めるとサイドテーブルに置いた天鶩絨の小箱を手繰り寄せた。
外しておいたピアスを箱に仕舞いかけ野明は不意に手を止める。
碧い石を光に透かし暫く見詰めた後 彼女は切なげな表情を浮かべてそれを箱に戻し黙ってベッドに突っ伏した。
誕生日以降仕事を除き白紙状態のスケジュール。
いつもなら休み前には互いに連絡を取り合う筈が今回はそれもない。
その事がこんなにも心細いとは正直意外で野明は気持ちを紛らわせようと強く枕を抱きしめた。
「・・・今週はクリスマスなんだぞ・・・」
壁に吊るされたカレンダーを見遣りぽつりと呟いた彼女はそのまま黙って目を閉じる。
受け取った品の事を思うと会って何を言えばいいのか正直よくわからない。
けれど連絡もないこの状況はかなり胸に痛くサイドテーブルに置いた天鶩絨の小箱を見詰め野明は深い溜息を吐いた。
『・・・そりゃ貰った時直ぐに分からなかったのは悪かったわよ・・・でもあんな思わせぶりなプレゼントを寄越しておいてクリスマス前に音沙汰も無いなんてあり?』
慣れない感情を持て余した野明は心の中で毒づくとデイバッグのサイドポケットに入れたままの携帯へ恨みがましい目を向けた。
消灯したままのLEDが酷く恨めしく、ならば自分から連絡すればいいのだが今日は本社のプレゼンがあると浅月から聞かされていたのでどうも電話がかけにくい。
まだプレゼンの最中だったら、とか残務処理に手間取っていたらと色々考えてみたものの結局それが自分から連絡をつけない口実探し以外の何物でも無いことに気付いた野明は自分に呆れて項垂れる。
自分がどうしたいのかよくわからなくなって頭から布団を被ると中で膝を抱えて小さく丸くなった。
彼からの電話が数日ない、というのは別に珍しいことではない。
仕事が忙しい時期にはよくある話でテストパイロットである野明と違い開発チームの中心に近い位置に居る遊馬にはその仕事柄ラボの内外で年末にかけてやるべきことが山積していた。
そこへ持ってきて本社での仕事が飛び込んできたのだからその忙しさは想像に難くない。
それでも普段とは違うこの週末、連絡が無いのは想像以上に胸が痛い。
「遊馬の馬鹿・・・」
小声で毒づいたもののそれが八つ当たりだと自分でもよくわかっている。
首だけ覗かせ電話の入ったポケットを眺め遣った野明は布団の端をぎゅっと抱きこんだ。
「・・・声くらい聞かせてよ・・・」
無意識に零した自分の声が驚くほど頼りなくそれを耳にした途端張り詰めていた何かがぷつんと切れた。
緊張した分だけ膨らんだ甘い期待、気付かないふりをしてきた不安や寂しさが一瞬で落胆へと変わった気がして感情が一気に溢れだす。
連休中『連絡がある』と思って全ての誘いを断ったものの遊馬にだって用事があるのかもしれない。
一週間も本社に居れば自分の知らない誰かが彼に声を掛けていても不思議じゃない。
もしかするともう週末の予定は埋まっていてこのまま連絡なんて来ないかもしれない。
本社勤務の華やかな女性社員達の姿が脳裏を過り その誰かと彼が二人でいる姿を想像してしまうと一気に心が乱れた。
不安を感じる気持ちの押さえがきかず瞳に涙が浮かぶ。
涙を拭おうと顔を上げた途端、ぼろぼろっと零れ落ちた水滴の量に驚きそのまま声を上げて泣き出しそうになるのを枕と布団を力いっぱい抱き込んで堪えた。
暫くたって幾らか呼吸が落ち着いてはきたものの 起き上がるのも面倒になってそのまま枕に顔を埋めていると部屋の呼び鈴が鳴った気がした。
少し間をおいてもう一度 涼やかなチャイムの音が部屋に響く。
「あ・・・鳴って・・・る・・・?」
声に出したことで我に返った野明は慌てて涙を拭うと丈の長い上着を掴んで玄関口に向かった。
用心のため応答前にドアスコープを覗く。
訪問者を確認した野明は驚きに目を瞠り次の瞬間、返事もせずにいきなり大きく扉を開けた。
 

思い切って呼び鈴を押したものの応答が無く遊馬はその場で少し考え込んだ。
灯りがついていて部屋に居るであろうことは確かなのに電話にも呼び鈴にも反応が無い。
出られない状況にあるのか 気付いていないのか 或いは・・・出たくない理由があるのか。
別の誰かと一緒に居る可能性を考えた遊馬は激しく頭を振ってその想像を否定した。
少し待ってみたものの応対に出る気配も感じられず 迷った末に遊馬はもう一度だけ呼び鈴を押す。
程なく扉の向こうに人の気配を感じ遊馬が軽く緊張すると返事も応答もなくいきなり扉が大きく開いた。
驚いて「うわっ」と声を上げた彼の胸にぶつかる勢いで飛び込んできた小柄な身体を遊馬は慌てて抱きとめる。
「え・・・おい 野明?」
予想外の行動と物も言わずにしがみ付いてきた彼女の様子に驚き遊馬は一瞬混乱し彼女の顔を覗き込んだ。
「・・・お前 泣いてんのか?」
想定外の状況に驚き小柄な身体を抱えたまま遊馬は少し迷った末髪を軽く撫でてやり 取敢えず後ろ手で扉を閉めた。
状況がまるで掴めず部屋の奥に意識を向けたものの人の気配は感じられず張っていたある種の緊張が緩む。
ぎゅっと自分にしがみつく彼女の背中をぽんぽんと優しく叩いた遊馬はふぅっと大きく息を吐いた。
「・・・何かあったのか?」
もう一度顔を覗き込もうとすると彼女は黙ってふるふると首を振り彼は少し困った顔で肩を竦めた。
「・・・黙ってちゃわかんねぇだろ?」
出来る限り静かに声を掛けると彼女はぼそりと呟いた。
「・・・・狡い・・・」
「・・・は?」
「・・・狡いよ、遊馬。全然連絡くれなかったと思ったら いきなり家に来るなんて・・・」
「いきなりって・・・待て。俺はちゃんと・・・って なぁ お前 電話どうした?」
唐突な質問に野明は怪訝な顔で首を傾げ黙って腕を解くと部屋の奥を指差した。
持ってくるよう促された彼女は寝室からデイバッグを運んでくるとリビングの机にのせる。
メッシュ製の外ポケットから携帯を取り出した野明はキーを操作しかけて「・・・あ!」と小さく声を上げた。
電源が切れていることに初めて気付き『これじゃいくら待っても電話が来ない訳だ』と納得すると同時に顔に朱が昇る。
恐る恐る遊馬を振り返り俯き加減で視線を逸らした彼女は黙って彼に携帯を差し出した。
実は内心ほっとしつつ意図的に呆れ顔を作った遊馬は携帯を受け取りながら小さなため息をつき彼女の額を指で弾く。
「電源くらい見とけよ」
「あ・・・えっと・・・うん。・・・でも・・・部屋についた時はまだ・・・大丈夫・・・だったんだよ?」
「で その時バッテリー残量確認したのか?」
「・・・見てない」
ばつが悪そうな顔で見上げる野明に「充電器寄越せ」と手を出しながら彼はじとりと半眼を向ける。
ソケットを本体に繋ぎ電源を投入した遊馬は無言でそれを彼女に手渡した。
OSが起動すると着信があったことを示すアイコンが表示され履歴には10件近い彼からの不在着信が並ぶ。
いたたまれない気持ちで遊馬を見上げた野明は「・・・あはは」と誤魔化す様に笑った。
着信があればLEDが明滅する仕様の携帯も待機状態では電源が入っていてもいなくてもぱっと見区別がつかない。
昨日までは何度となくポケットから携帯を取り出しては開けたり閉めたりして着信の有無を確かめていたのに何故か今日に限ってLEDの消灯だけを見て着信が無かったと思い込み風呂から出て以降端末に手を触れなかった。
「この時間、お風呂・・・入ってた」
着信時間を確認した野明がぼそりと呟くと諦めた、という顔の遊馬が「・・・そんなもんだよな・・・」と深い溜息を吐き彼女は申し訳なさそうに項垂れる。
その様子に心底ほっとした遊馬はふぅーっと大きく息を吐き出し気が抜けたように笑うと徐に両手を伸ばし野明を腕の中に引き込んだ。
「え・・・あすっ・・・」
「心配掛けた罰」
「罰ってっ・・・あの ちょっと・・・?」
吃驚した彼女が腕の中で身動ぎすると彼の腕がやんわりとそれを押さえた。
「少しこのまま・・・抱いてていいか」
降ってきた穏やかな声に野明は思わず彼の横顔を窺った。
もの柔らかな表情で目を閉じた彼の面差しが妙に無防備に見えて「うん」と小さく頷いた彼女はそっと彼の肩口に額をつけ自分も同じように目を閉じた。

to be continue....
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追記

さて お嬢様はご自宅に居たようですね~
そして電池の残量はきちんと確認したほうがいい、ということで(笑)
お互い どうにか顔が見れました☆
でもまだ続きます もう少しお付き合いくださいませねっ♪

コメント一覧

非公開 2012年02月01日(水)06時57分 編集・削除

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非公開 2012年02月01日(水)08時17分 編集・削除

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さくら(P様) 2012年02月01日(水)21時43分 編集・削除

>Pさま

おはようございます(笑)
朝早くからのご訪問 ありがとうございます(^^)
なんだかいちゃいちゃな展開になってきましたよね
扉を開けたら遊馬にぎゅーって私もやりたいです☆
この後も頑張って更新しますのでぜひお付き合いくださいね~♪ 

さくら(N様) 2012年02月01日(水)21時56分 編集・削除

>Nさま

やっと顔が見れましたー
羊ちゃんには声を掛ける男性社員が何人かいた様ですね☆
目を離すと大変です(笑)
私も野明は相手が仕事かなとか 用事があるんじゃないかと思ってしまうと自分から連絡ってしないんじゃないかと思います
そうなると多分痺れを切らした遊馬の方から連絡をして来ないとそのままになりそうな(^_^;)
でも野明ってポーカーフェイスとかも苦手そうなのできっと周りには丸わかり何でしょうね(笑)
そして連絡の取れなかった理由は単なるバッテリー切れ、という☆
お互いの気持ちが通じますかどうか 頑張って更新しますのでもうしばらくお付き合いくださいね~
本当にいつも感想ありがとうございます!
とっても励みになっております~(^^)

非公開 2022年07月08日(金)08時53分 編集・削除

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