取りあえずつながった部分から。
今日まで仕事だと思っていた旦那が休みを取っていたらしく落ち着かない状態で作業してます(^^;
年始用の絵はもう落書きで手を打つしかないかしらと思ったり・・・
そして旦那が出掛けた隙にカチャカチャUPです☆
今朝UPした駄文の続きを置いてまた家事に戻ります~
見てあげてもいいわ という方は以下からどうぞ♪
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君に贈る 2
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誕生日当日。
朝から待ち合わせて映画を見た後 ショッピングモールを暫し散策。
空の色が紅から深い藍色にかわり大規模なイルミネーションが鮮やかに夜を彩り始めたころ目星をつけた店の中から希望する場所を彼女に選ばせ食事へ向かった。
比較的メニューに幅のあるカジュアルレストランを選択した結果、食事時と重なって聊か混雑していたもののさほど待つこともなく席に通される。
食事が進み程良く酔いが回り出すと弾んでいた他愛のない会話がふと途切れた。
微妙なそれでいて妙に落ち着いた沈黙が流れ大きく取られたガラス窓の向こう側に浮かぶ華やかなイルミネーションを見るともなしに眺めながら野明がぽつりと呟いた。
「・・・これで何度目だっけ?」
「あん?」
「誕生日、遊馬と過ごすの」
「2度・・・いや 3度目か・・・?」
「落ち着いて過ごすのはね。二課に居た時から数えたらもう・・・5回目?」
「そんなになるか・・・でも準待機の年はまだしも出動中とか宿直中まで数に入れんのか?」
「一緒に居たことに変わりはないでしょ」
「そりゃまぁ そうだけどね・・・」
頬杖をつく遊馬の顔を愉しげに眺め野明は右手でブイサインを作る。
「2割」
「・・・?」
言わんとすることを計りかねて遊馬が軽く首を傾げると彼女はくすりと小さく笑った。
「人生の二割、一緒に居るんだなって」
「・・・成程。そういうことね・・・」
『そういう風に考え方たことはなかったぁ』と苦笑を浮かべた遊馬は少し悩んで鞄を開けた。
「なら 記念品くらい出そうか。本当はもう少し後で渡す心算だったんだけど・・・」
そう言いつつ取り出した小ぶりでシックな紙手提げ。
目を瞬く彼女の前に彼は袋を持った右手をぐっと突きだす。
「・・・ほら」
「え?あの・・・」
「誕生日だからな」
目の前のそれはそういうものに疎い野明ですら知っている程名の知れた宝飾店の物で驚いた彼女は手を伸ばすのを躊躇った。
「・・・食事だけで十分だよぅ」
遠慮がちに言い戸惑う視線を向ける彼女に遊馬は軽く顔を顰め受け取る様子がないことから黙ってそれを机に置く。
小さなため息と共にそっぽを向いた彼の不機嫌さと落胆が入り混じった複雑な横顔を前に野明の視線が袋と彼の間を忙しなく往復し 流石にこの態度は不味いと感じた遊馬は不機嫌さを振り払うように軽く頭を振った。
「無理に『使え』とは言わねぇよ・・・気に入らないなら売るなり捨てるなり人にやるなり好きにすればいい」
「そんなことしないけど・・・ほんとにこれ貰っちゃっていいの?」
上目づかいで彼を見遣り彼女がおずおずと袋に手を伸ばすと目線を戻した遊馬が呆れた顔で頬杖をついた。
「・・・返されても困るんだって。俺が持ってても仕方ねぇし」
「じゃあ・・・あの・・・ありがとう」
「・・・おう」
「ここで開けても・・・いい?」
「ああ」
横柄に返事をした遊馬はその声とは裏腹に緊張した面持ちで彼女の様子をじっと窺う。
引き寄せた袋を覗き込んだ彼女は神妙な顔で黒地に金糸の縁取がある綺麗なリボンのついた小箱を取り出した。
掌に載る程度の直方体。
箱の形状から指輪ではなさそうだと踏んだ野明はほっとしたような残念なような複雑な気持ちでリボンを解いた。
包装紙を丁寧に開き出てきたハードな作りの紙箱を開く。
中からしっとりとした肌触りが心地よい天鶩絨の小箱が顔を出すと彼女は少し緊張しながら彼を見返した。
『さっさと開けろ』という目線に押され思い切って蓋をあける。
深い濃紺の台座には青とも緑ともつかない澄んだ色の小さな石が二つ。
どちらかと言えば『碧』と表現する方がしっくりくるネオンカラー。
見慣れない色合いに目を瞬いた野明はそのうちの一つをそっと手に取った。
「・・・ピアスだね」
繊細な爪で石を留めただけのシンプルなそれは小粒でも独特な照りのあるルースにはよく合っていて店内照明を反射してキラキラと華やかに輝く。
「・・・綺麗・・・」
思わず零れた呟きに彼の表情がほっと緩んだ。
一度ピアスを箱に戻し差し入れられていた保証書を開いた野明は「・・・これトルマリンなんだ・・・」と意外そうに呟いた。
「気に入った?」
「うん 凄く。ありがとう・・・今 つけてきてもいい?」
「ご自由に」
彼が応じると保証書を箱に戻した野明は紙袋を手にそそくさと席を立った。
後ろ姿を見送った遊馬は「・・・まぁ そうだろうな」と苦笑いを浮かべ小さく肩を竦めた。
程なく野明が両耳を軽く押さえながら戻ってくると遊馬は苦笑いを浮かべる。
「ちゃんと見せてみな」
彼の声に朱の昇った顔でこくんと頷いた野明はそぉっと耳から手を離した。
「・・・どう?」
「悪くないじゃん」
「えっと・・・ありがとう・・・っていうか・・・やっぱ なんか恥ずかしいね・・・」
「何が?」
「うーん・・・なんとなく・・・?」
「そんなもんかね」
腑に落ちない顔で首を傾げる遊馬を前に返事に困った彼女は「そういうものなの」と照れ笑いを浮かべ目を逸らした。
to be continue
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追記
どうにか物は受け取ってもらえたようです(笑)
もう少し続きますのでお付き合いくださる方は気長にお待ちくださいませね♪
非公開 2022年07月08日(金)13時09分 編集・削除
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