さてクリスマスイブですよ~
というわけで 何かUPしておこうと思ったので♪
イブは24日の夜。
ということは・・・・いまが正にイブなんですね~
という訳でちょっとだけ小話を用意してみました~☆
連載どうにかしなさいよと自分でツッコミたい気分ですがそれはまぁ置いといて(おい!)
皆さまが良いクリスマスをお迎えになりますように!
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前夜祭の前に
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プレゼントを選ぶ、唯それだけの事がこんなに面倒な事だとは思いもしなかった。
大体において女に何か贈るという発想が過去の俺には全くなかったのだからこれは致し方なし、という事になるのだが。
「何が欲しい?」と付き合ってもいない女に聞くのも妙な話だし、かといって訊きもせずに趣味が判る間柄でも無い。
ショッピングモールに赴いたもののこれと言う品物が見つからず遊馬は大きな溜息を吐いた。
本人に訊いたところで「ええ、いいよ」とか「なんでもいい」と言われるのがオチだろう。
そう言う回答が一番困るのだが彼女は十中八九そう言うに決まっている。
実際 自分が同じ質問をされても同じような回答しかしないだろうことを考えれば結果は火を見るより明らかだ。
いっそ 飯だけ奢ると言うのはどうだろう、と思ったものの誕生日の後きっかり一週間後にクリスマスを迎える間の短さに二度ともそれで済ます訳にも行くまいと彼は頭を抱えた。
「どうすっかなぁ・・・」
ボーナス直後とはいえ一時期に出費する額の大きさも少なからず影響し眉間に軽い皺を寄せると彼は思案気に腕を組んだ。
思いつく物も無くモール内をぶらぶらしていても埒が明かないと東京湾に面した広いデッキに出ると潮風が思い切り顔に吹き付けて来た。
年の瀬だと言うのに異常気象のおかげで妙に生温かい風に軽く顔を顰め何気な無く目線を下に向けるとパタパタと駆けていく明るい髪をした小柄な人物が目に入った。
まさか、と目を疑い行き先を目で追うとその人物は自分が今居る建物の入り口に姿を消した。
顔は見えなかったが恐らく間違いない、と直感でわかる。
確認したければ階下に降りて探しまわれば今なら捕まえられるかも知れない。
そうするべきか せざるべきか、少しの間考えて『今は探すまい』と決めた彼は顔を上げると両手をジーンズのポケットに突っ込みデッキの手すりから身体を離した。
取り敢えず建物に戻ろうとガラス扉を開くと右側から突進する勢いでやって来た小柄な人物に思い切り脇腹に突っ込まれた。
「うわっ」
思わず声を上げるとぶつかってきた人物が息を弾ませながら彼を見上げる。
「・・・捕まえたっ」
「あ?」
予想外の言葉に素っ頓狂な声で答えると彼女はにんまりと笑う。
「探したんだからねっ」
「探したって・・・俺がここに居るってどうして分かったんだ?」
噛みあわない会話に首を傾げる彼に小柄な彼女は身体全体で息をしながら得意気に笑った。
「どうしてって・・・遊馬 朝からここに来てたでしょ?TVで売り場の中継やってて遊馬映ってたもの」
「映・・・っ マジで?つーか どこで映ったんだ、俺」
うわぁという顔で額を抑える彼に野明はクスクスと笑った。
「どこって・・・TVで見たのはアクセサリーのとこだけど。 そんなにあちこち移動したの?」
アクセサリー売り場は確かに開店から暫くうろついては居たが今はもう昼だ。
2時間も同じ場所に居た訳ではないし ここはそこから少し離れている。
それでも上から見ていた感じでは彼女は真っ直ぐここに上がってきたように見えた。
腑に落ちない顔で目を瞬き遊馬は野明の顔を覗き込んだ。
「んなことはねぇけど。TVで見たって今迄ここにいるとは限らないだろ。俺を探しに来たなら入れ違いになる、とか思わなかったのか?それとも他に用事が・・・」
「ないよ。でも遊馬は結構面倒臭がりだからショッピングモール梯子するなんて思えなかったし、それに 来れば会えると思った」
自信満々に言う野明を目を丸くして見詰め遊馬は呆れた様に溜息を吐いた。
「『来れば会える』って・・・お前なぁ・・・」
「凄いでしょ?なぁんて ホントは・・・これ」
彼女が指を差し見上げる先の街灯に照明とは明らかに異なる機械が一つ。
犯罪抑止の効果も狙い敢えて判り易い形で設置されたショッピングモール内を映す監視カメラ。
そのレンズがきらりと光る。
「入り口のザッピングビジョンで居場所を確認してから来たのでしたっ」
悪戯を告白するようにへへっと笑い彼女は「偉いでしょ」と誇らし気に胸を反らせた。
『ああ そういやそんなもんもあったな』と思いつつカメラを見上げ遊馬はハタと思い当たって大きく目を見開いた。
「おい ちょっとまて!お前あの数のモニターから俺を探しだしたってのか?」
イベントステージの背景に使う為に設置されたそれは100近い小型のモニターがフレームに沿って長方形に組まれたものでイベントの時はそれらが連動して大きな画像を映し出したり波状に幾何学模様を表示したりと大活躍する訳だが普段はモール各所に設置された所謂監視カメラの映像をザッピング的に表示している。
切り替わる時間も短ければ同じ場所の映像が次にどのモニターに映るのかすらランダムでそれを目で追うのは至難の業だ。
そんな中からどこに居るのか判らない人物の姿を探し出しその居場所を特定することは結構骨が折れるだろう。
呆れた顔をする遊馬に彼女はにっと笑って見せた。
「探した訳じゃないよ、見つけたの。判るよ どんなにちょっとでも遊馬が映れば。背景にドーナツ屋さんのロゴがあるデッキに居るのが見えたから急いで来たの。このお店 ここにしか入って無いからすぐ判ったよ」
悪戯が成功して得意満面な様子の彼女に半分感心、半分呆れた顔を向け遊馬は小さく肩を竦めた。
「・・・そいつはごくろーさん、というか・・・んな面倒臭ぇことしなくても電話すりゃよかっただろ?お互い携帯持ってんだし」
「思いがけず会えるからいいんじゃない。電話しちゃったら遊馬の感動が半分になっちゃうでしょ?」
「感動って・・・お前ね」
額を抑える彼にコロコロと笑い野明はひょいと遊馬の顔を覗き込んだ。
「なぁんだ 感動薄いなぁ、ま いいか。ところで君は アクセサリー売り場で何を見てたのかなぁ?」
「何を見てた訳でもねぇよ。お前こそなんか気になるもんでもあんのか?」
からかう様な口調で言う彼女に遊馬が混ぜ返すと野明は軽く首を傾げた。
「えー 私?気になる物・・・ねぇ・・・・」
腕を組んで少し真面目に考え込みだした彼女は少し間を置いてぼそりと言った。
「物・・・欲しい物、ねぇ・・・それって『物』・・・じゃなきゃ駄目?」
「あん?」
彼女の質問に今度は遊馬が首を傾げるとハタと我に返った彼女は慌てて両手を顔の前でぶんぶんと振った。
「うそうそ 冗談。何でもないっ」
「何だよ、気になるだろうが」
「いいの 気にしなくて。ね それよりさ 遊馬は何しにここに来たの?」
「何って・・・そりゃ・・・それこそお前が気にしなくてもいいことだ」
思わずぶっきら棒な口調で言うと彼はついっと視線を宙に泳がせた。
「もう そういう事いって・・・・」
反射的に混ぜ返そうとして野明はある事に思いあたり口を噤むと辺りをきょろきょろと見回し始めた。
急におどおどしだした彼女に遊馬が「何だよ?」と首を傾げると野明は軽く握った右手を口元に当てチラリと上目遣いで彼の顔を窺った。
「・・・もしかして 誰かと約束・・・してたり・・・した?」
そういうことをまるきり考えていなかった事に気付き野明は急に不安気な表情を浮かべて彼との距離を半歩広げる。
その様子に先程の自分の回答が彼女に妙な誤解をさせたらしいと思い当たると遊馬は はぁっと大きな溜息を吐いた。
「それは無い。ご期待に添えなくて悪かったな」
「えっと そういう心算じゃ・・・ごめんなさい」
一瞬でしゅんとしてしまった野明に苦笑いすると遊馬はぽんと彼女の頭を軽く叩いた。
「ばぁか 妙な気を使うなって、調子狂うだろうが。ま それはともかく・・・俺を探しに来たんなら目的は達した訳だろ。この後なんか予定あんのか、お前?」
その質問に彼女が大きく首を振ると遊馬は「ま そうだろうな」 と吹き出す様に笑った。
「何よ その言い方・・・」
「予定がありゃ わざわざ俺を探してにここまで来ねぇだろ。でもまぁ折角出て来たんだ この際付き合ってやるから行きたいとこ言ってみな?」
「・・・いいの?」
「探しに来といて何言ってんだか。今夜はイブだしな 寮に帰ったところでアテの無い寂しい連中に飲みに誘われるのが関の山だ。それよりゃデートの真似事でもしてる方が幾らも有意義だろ?」
「そりゃまぁ・・・ね」
複雑な顔をする彼女に遊馬は目を瞬くとクックと肩を震わせ笑いを噛み殺す。
「不満そうだなぁ。何なら夜もお供してやろうか?ご希望なら」
「・・・! 夜って・・・あ・・・あすっ・・・」
顔を真っ赤にしてずざざざざーっと後退る野明を見て遊馬は本格的に声を上げて笑いだすと目の端に涙を滲ませ笑いを抑えつつ彼女を手招いた。
「冗談はさておき 折角来たんだ。何か買ってやるから、店覗きに行こうぜ」
「もうっ!すっごい高価いのタカってやるんだからねっ」
真っ赤な顔で拗ねる彼女に「そしたらその分 タカるからな」と嘯くと彼はさっさと歩きだした。
遊馬を追い掛け満面の笑みを浮かべた野明は急いで彼の隣に並ぶと二の腕をグイッと引っ張った。
「最初こっちから見たい」
「へいへい。どちらなりと」
クリスマス商戦の追い込みでモール内は華やかな活気に溢れている。
連れ立って歩きながら遊馬は 『まぁ これはこれでいいか』と言う気になって小さく肩を竦めふっと穏やかな笑みを漏らした。
fin
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追記
取り敢えず クリスマスだし何か・・・とおもったんだけど全然クリスマスじゃない(^^;
本当にごめんなさい~
でもまぁ 祭りですから乗っておこうかと~
ごく普通の一日ですよね
何でも無い普通の一日 カレンダーだけはイブなのにねぇ みたいな話になっちゃいました
なにはともあれみなさま メリークリスマス~!!
こんきち 2010年12月25日(土)00時16分 編集・削除
プレゼントに悩む、それはよーく分かります。
ましてや『何でも良い』って言われるとねぇ・・・
曖昧な返事はダメですね、私もよく使っちゃいますけど。
ザッピングビジョンで確認したって・・・どんだけスゴイのでしょう、私じゃ無理ですわ。