ここしばらく 異常なまでの気温の高さが続いていますね
皆さまいかがお過ごしでしょうか?
そりゃ昔から夏は暑かったけど 私の小さかった頃って30度を超えるような日はあまりなかったのではないかと思います
でも最近は30度越えは最早当たり前、それどころか35度を越える日も少なく無くなってきました。
連日 35度を超えてくると気温が体温を上回っている私のような平熱の低い人間にはとても厳しい!!
早く涼しくなってくれないかなぁ???
数年前まで都内でよく起きていたゲリラ豪雨も殆ど無くて東京は夜になっても気温が下がりません。
おかげで朝 気温の上昇が早いのも日中 高い気温をマークするポイントの一つになるのかもしれませんね
おかげで 去年書きかけて放置したゲリラ豪雨ネタがまた出せないままになりそうです(^^;
去年も結局豪雨がちっとも来なかったので「来年にするか~」と続きを投げ出した訳ですが・・・
あれが日の目を見ることはできるのでしょうか?(笑)
そして今回UPするお話も去年書きかけて頓挫していたものです
続きを書いてみました~
夏ですしねっ!
では見てあげようかなという心の広いお客様は以下からどうぞ♪
===========================
「夏の日差し」
===========================
海水浴シーズンはそのまま世間の夏休みと重なるので警備部は基本忙しい。
休日や準待機はあってもすぐに勤務レベルが変更になる為そうそう遠出もできはしない。
野明は今月の勤務予定表をみて大きな溜息をついた。
「どうかしたのか?」
ホワイトボードの前で肩を落とす自らのパートナーに書きかけの報告書から顔を上げて問い掛けると遊馬は軽く首を回し肩を鳴らす。
思った以上に凝っていた肩は小気味の良い音を立て遊馬は多少スッキリした顔をして両手を頭の後ろに組んだ。
「海水浴 行きたかったなぁ・・・って」
「海水浴?」
きょとんとした顔をする遊馬に野明はコクリと頷いた。
「遊馬は行きたくない?」
「海ねぇ・・・旅行の序、とかならまだしもその為だけに足を運ぶ気にはなんねぇなぁ」
気の無い返事をするパートナーに野明は「そっかぁ・・・」と言うと小さく肩を竦めた。
その余りに落胆した様子を見て遊馬は少し考えると机に頬杖をつきながら声を掛けた。
「プールじゃ駄目なのか?海だとちゃんと設備のあるとこ行かないと出た後べたつくし。大体東京近郊の海なんてあんまり水の綺麗なとこ無いぞ?」
「そうかもしれないけどさ、海に行きたかったの。北海道じゃ海水浴ってなかなか行けなかったんだもん」
「そうなのか?」
意外そうに問う彼の隣に腰掛けながら野明は溜息交じりに頷いた。
「北海道はね、夏が短いの、海水浴なんて本当にちょっとの期間しかできないから行けない年の方が断然多いんだから」
「成程ね。けど まともな休みなんてそうそうねぇぞ?」
「そうなんだよね、結局 世間が休みの時って私たちは警備に忙しいんだよ・・・」
がっくりと肩を落とす野明を横目に遊馬がシャーペンを右手でクルクルと回しながらどうしたものかと考えてると斜め前方の席から涼し気な声がした。
「来週は準待機なんだし 申請書だけ書いておけば近場なら行けるんじゃないかしら?」
「そうですねぇ あまり遠くには行けないにしても千葉とか、あと神奈川なら猿島あたりなんてどうです?」
熊耳の勧めに乗って進士が提案すると野明は嬉しそうに遊馬の顔を振り返った。
夏の合間の貴重な休日。
足を運んだ猿島で燦々と降り注ぐ日の光に顔を顰めつつレンタルしたパラソルが作る申し訳程度の日陰で遊馬がごろ寝を決め込んでいると頭の上に一際濃い影が落ちた。
「遊馬」
名を呼ぶ声に気だるげに目を開くと両手に紙コップを持ち頭の上から逆さに自分を覗き込む彼女の顔が目に入った。
北海道出身者らしい白い肌にすらっとした手足。
適度な運動で程良く鍛えられた肢体は幾分ささやかなバストを除けば申し分の無い物で青いストライプが入ったビキニタイプのスポーツ水着が良く似合っていた。
「ジュース買ってきたよ」
「サンキュ」
差しだされたそれを上体を起こしつつ受け取ると軽く頭を振った彼の隣に野明がすとんと腰を下ろした。
腕が触れるほど近くに座る彼女に一瞬ドキッとして小柄な彼女を見下ろすと期せず目に入った胸元に思わず目が止まり彼は慌てて目を逸らした。
気付いた風もなく烏龍茶を呷る彼女へとふらりと視線が戻ってしまうのを振りきる様に顔自体を上に向け大きく呼吸を整える遊馬に野明はきょとんとした目を向けた。
「何?」
「いや・・・別に」
無防備極まりない彼女の態度に思わず素っ気ない口調になってしまうと吃驚した顔をした彼女は「そ・・・」と言って目線を両手で抱えた自分の膝頭に移した。
気不味い沈黙が流れ 何となく互いに声を掛けるタイミングを計りかねていると二人の目の前が急に暗くなった。
正面には3人の見知らぬ男性。
年の頃は遊馬と同じくらいか少し若い位。
爽やかに見せようとしているが下心が見え見えの様子に遊馬は眉間に深い皺を寄せ野明は何事かと目を大きく瞬いた。
「あの・・・何か?」
小首を傾げて問う彼女に遊馬は『相手にしてんじゃねぇよっ』と内心舌を鳴らした。
どう見ても好意的とは思えない目を彼等に向けながら手直に有ったバスタオルを野明の身体にバサッと被せる。
その遊馬を意図的に視界から外すと3人の中でも一際含みがありそうな男がいやに馴れ馴れしい口調で野明に話しかけた。
「向こうでビーチバレーしてるんだけど女子の人数が足りなくてさ、参加してくれない?」
「・・・知り合いか?」
剣呑な声で聞く遊馬に野明がふるふると首を振ると面倒臭そうな顔をした彼は3人組に半眼を向けた。
「こいつは俺の連れなんですけどね」
「でも 休憩中でしょ?その間 彼女暇そうじゃない、売店にも一人で来てたし海でも一人だったしね」
ニヤニヤと笑う相手に遊馬はあからさまに渋面を作り 驚いた野明は『いつから見られていたんだろう』と目を見開いた。
「生憎 貸し出しはして無くてね。人数合わせなら他当たってくれ」
面倒臭そうに手を振る遊馬に彼等は小馬鹿にした様な笑みを向けた。
「聞いてるのは彼女になんで」
言いながら野明に向かって伸ばされた彼等の手を素早く払いのけると遊馬はゆらりと立ち上がった。
「あまりシツコクしてると迷惑禁止条例に基づいてしょっ引くぞ」
低く唸る声音に一瞬怯んだ三人が色めき立ちかけた瞬間、野明が呆れたように口を開いた。
「職権乱用ー。神奈川県警の管轄だよ、ここ」
「ばぁか、捜査活動してた訳じゃねぇんだ。現行犯を拘束するのに問題はねぇよ、引き渡しさえちゃんと行えば、な」
二人の会話に3人の顔色が一瞬で変わった。
「・・・警官・・・なの・・・か?」
「だったら何だ?」
不機嫌極まりない顔の遊馬に3人の挙動が明らかにおかしくなった。
「いや・・・えっと」
「で どこでやってるって?ビーチバレー」
「いや、あの・・・えっと いいです。うん。じゃ俺たち行きますんで。失礼しましたぁ」
遊馬が相手を睨んだ瞬間 一瞬で踵を返した3人は脱兎の如くその場から走り去った。
「ビーチバレーってのは相手が警官だと不味い様な競技だったかね」
その速さに目を丸くした野明を横目に遊馬は不機嫌さを隠しもせずに毒づいた。
「行っちゃったねぇ。・・・でも良かったのかなぁ、人数足りて無いんだよね?」
「阿呆か お前はっ!」
「え? だって・・・」
「んなもん 口実に決まってるだろうがっ」
「そうなの? でも・・・」
遊馬の剣幕に思わず野明の態度が怯む。
「だぁ もうっ だから一人でフラフラすんなって言ってんだよ!」
「だって 遊馬ったら折角海に来たのにちっとも遊んでくれないんだもん、つまんないじゃないっ」
理不尽な遊馬の言い様に思わず野明が噛みつくと 彼はこめかみに青筋を立ててそれに応じた。
「だからってあんなもんに声掛けられてんじゃねぇよっ」
「掛けられたのは 私の所為だって言うの?」
「隙だらけな雰囲気でフラフラしてっからだろうがっ 少しは気をつけろっ」
「何よ それ!遊馬ひっどーい!!」
プンと怒ってそっぽを向いた彼女の後ろ頭に遊馬が思わず怒鳴り返した。
「酷い事があるかっ!心配事を増やすなっつーとるんだ お前はっ!その度に肝を冷やすこっちの身にもなれ・・・って・・・・」
言葉の途中で振り返った彼女の呆けた、それでいてどこか照れた様な顔を見て遊馬は思わず我に返った。
自分が発した言葉を反芻して一瞬で冷や汗を掻く。
「遊馬・・・?」
「あ・・・いや だからそれは・・・一般論と言うか」
「ふーん、そっかぁ 心配してくれちゃったんだぁ。ねぇ 少しは妬きもちやいたりもしてくれた?」
揶う口調でずいっとにじり寄る彼女に遊馬は慌てて両手を振った。
「わぁ 馬鹿!んな格好で圧し掛かるんじゃねぇっ」
「今 何か邪なこと考えたでしょ? 遊馬のえっちー」
クスクス笑って至近距離から顔を覗く無邪気な彼女に遊馬が「少しは恥じらいを覚えろっ!」と喚いて距離を取ろうと上体を大きく逸らすと、咄嗟に身体を支えていた彼の右手が砂に取られてずるっと滑った。
「うわっ!!」「きゃぁっ!」
バランスを崩した彼の上に倒れ込み「ご・・・ごめんっ 遊馬っ」と真っ赤になってそこから飛び退こうとした野明の肩を遊馬の左手が半ば反射的に軽く押さえた。
「・・・え? あのっ・・・」
「あっ・・・いや 悪ぃっ!」
驚いた彼女に慌てた遊馬がものすごい勢いで手をひっこめると二人一緒に素早く起き上がってぱっと身体を離す。
互いにドキマギした状態で不自然に視線を逸らした。
顔を真っ赤にして膝を抱える彼女に向かって チラっと視線を向けた遊馬は無言で野明の体から滑り落ちたバスタオルを拾い上げると聊か荒っぽい仕草でそれを放り投げた。
「・・・羽織ってろって」
ぶっきら棒に言う彼にきょとんとした目を向けた野明は少し考え後 はにかむ様な笑みを見せて「ありがと」と言うと包まる様にそれを羽織った。
微妙な沈黙が流れたあと軽く頭を振った彼はビーチパラソルの骨組みを見上げながら軽い溜息をと共に漸く口を開いた。
「・・・付き合ってやるから」
「え?」
その言葉に野明が弾かれた様に顔を上げる。
「海、入りたいんだろ?もう少ししたら一緒に遊んでやるから・・・ってどうした?」
言葉の続きを聞いて瞬間的に浮かんだ喜色を一瞬で落胆に変えた野明は「・・・海、うん・・・そうよね、そりゃそうだ・・・」と極小さな声で呟くとバツが悪そうに膝に顔を埋めた。
その様子に遊馬がきょとんとした顔で首を傾げる。
「何だよ、行かないのか?」
「・・・遊馬の馬鹿・・・」
恨みの籠った声でぼそりと呟かれた彼女の言葉を聞き咎め遊馬の眉間に軽い皺が寄った。
次いで明らかに機嫌を損ねた彼の口から説教の様な言葉が飛び出す。
「野明 お前な、馬鹿とは何だ、馬鹿とは!大体お前に警戒心が足りないから俺の気苦労が絶えないんだろうが」
「気苦労してくださいなんて頼んでませんっ 何よ、遊馬の鈍感っ」
落胆が理不尽な怒りに変わり勢いに任せて野明が噛みつくと遊馬の顔に不満の色が広がった。
「俺のどこが鈍感なんだよ!ちょっと目を離すとすぐあちこちで声掛けられやがって 人に心配ばっかり掛けてんじゃねぇっ」
言ってしまってから『しまった!』という顔をした遊馬の言葉を思い返し 一瞬きょとんとした野明は内容を理解した瞬間怒気を弱めた。
それと同時にドキドキする気分が再び返ってきて野明は少し間をおいて遊馬の顔を覗き込んだ。
「・・・それ嫉妬?」
覗き込まれた彼女の瞳。
その邪気の無さにヒートアップしかけていた遊馬の気持ちがすっと冷める。
冷静さを取り戻した彼はパラソル越しに空を見上げた。
強い日差しを受けて眩しく光る傘の小間。
傘越しでさえ感じる力強い真夏の太陽光に遊馬は軽く目を眇めた。
「ばぁか、そんな訳あるか。気苦労っつっただろうが。大体嫉妬はする必要性感じねぇもん」
彼がしれっと答えると意外そうに目を見開いた野明は小さく首を竦め拗ねたように頬を膨らませた。
「何よそれ」
「さぁな」
嘯いてクスクスと笑う遊馬に野明は少し不満気な顔を向け「ぜったい 一緒に海入ってよね」と強く念を押した。
fin
======================
追記
海水浴にきて寝転がっているだけの遊馬に痺れを切らして歩きまわっていたようですね、野明は(^m^)
さてこの場合、より「わかってない」のはどちらになるんでしょうね?
コメント 拍手 メールなんかでご感想を頂けますと私が喜んで何か書く(描く)気力に変えます(笑)
ぜひぜひ お時間がありましたら何か一言 心よりお待ちしております~
非公開 2010年08月26日(木)11時43分 編集・削除
管理者にのみ公開されます。