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花の咲く場所

今日はママ友さんと買い出しに。
何となく日中出かけると疲労が蓄積していく気がするのは何故でしょう????
年 なのかなぁぁ

そして今日で3月お終いですね~
本当は明日限定でTOPとか変えたかったのに 旦那が予想外に9時に帰宅・・・
デスクトップが使えないので諦めましたぁぁ
う~ん・・・残念・・・・

で この先は『サクラサク』のVer.違いです
慌てて書いたので齟齬があったらごめんなさい★
わらって許して・・・
そんなものでも見てあげるわ というお客様はこちらからそうぞ~

続き

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花の咲く場所
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付き合ってる訳では無くても休日を共に過ごす事も多い一号機コンビ。
多いというだけで別行動しない、と言う訳では当然ない。
各々用事があることだってちゃんとあり、今週は遊馬が『金曜の夕方から約束がある』と言ったのでその日は別行動する事になった。
特にする事がある訳ではない野明は昼過ぎまで部屋を片付けたりして寮で過ごした。
一段落つくと陽気が良いので散歩にでも出かけようと思い立ち、午後二時過ぎに部屋を出る。
共同スペースである談話室を横切ろうとすると大荷物を前に数人の寮生が慌しく走り回っていた。
ビールやつまみの箱が混ざっているのが分かり『お花見でもするのかな』と思いつつその場を通り過ぎようとすると親友の緑にいきなり呼び止められた。
「野明、ねぇ 今日もう用事入ってる?」
「ううん、特には。どうしたの?」
「それがさ・・・急に田舎から母がでてきちゃって先輩と約束した花見に行けなくなっちゃったのよ。でね、野明代わりに行ってくれない?」
困り顔の友に野明は首を傾げた。
「代わりにって・・・そりゃ暇は有るけど私が代わりに桜を見ても仕様が無いじゃない?ああいうのは自分の目で見ないと・・・」
言葉を継ごうとする野明に緑が心底、申し訳なさそうな顔をした。
「そうなんけど・・・人数がね。花見って言うけどその実 合コンだもん。人数増えるのは良いけど減るのは不味いのよ」
「合コンって・・・私そう言うのは」
「苦手なのは判ってるって。でもお願いっ 今日だけは不味いんだ」
真剣に頼みこむ親友と後ろに控える先輩の様子に野明は困り顔で肩を竦めた。
「そりゃ何とかしてあげたいけど・・・そう言うのは私苦手で・・・」
「篠原君に悪いから?」
「じゃなくてっ 遊馬はそんなんじゃないんだってば。でも 本当にそういうの苦手なんだもん、大体 向こうの面子は?」
「警備部関連と 国立の寮生が数人じゃないかな」
国立の寮生と言う所が引っかかり野明はますます渋い顔をした。
国立寮といえば遊馬や太田を始め二課に所縁の人間もそこそこ生活している場所で それだけに野明はますますもって気が進まなかった。
渋面を作る野明に心中を察した緑がポンと手を叩いた。
「ね じゃ 野明だって判らない様にしたら・・・どう?」
「え?」
きょとんとする野明に提案する。
「ウィッグと化粧、それに服装をガラッと変えちゃえばかなり印象が代わるじゃない、それならどう?」
「あの・・・えっと・・・」
「それに偽名で参加するの。そしたら野明だって気付かれないじゃない」
畳みかける様に言う緑に荷物を纏めていた先輩二人が乗っかった。
「あら良いわね。彼女が来てくれるなら緑が抜けても今回は納得してあげる」
「ええ? どうしてそうなるんですか?!」
「だって 『泉さん』でしょ? うちの風杜がご執心なのはこの子かぁ」
興味津々と言う顔で覗き込む二人に野明は冷や汗を流しながら引き攣った笑みを浮かべた。
「え・・・あの・・・風杜さんって・・・じゃ お二人とも刑事課なんですか?」
「そうよ。彼を知ってるって事は本人ね。あら 良い人捕まえたわぁ。変装 私たちも尽力するわ」
「ばっちり変身させてあげる。さて だれか気付くかしらね?」
そういうと 大原と加藤と名乗った二人は緑と共ににっと笑った。

こうして野明は本人の意思を半ば棚上げされる形で化粧にウィッグ、手足の爪にはマニキュアを施された。
「野明の目の色って特徴あるもんね」
という緑の一言で目にはご丁寧にカラーコンタクトまで入れられて出来上がった如何にも女の子という容姿に姿見の前で正直 野明自身「誰これ?」と首を傾げた。
自分では出来ないのが難点だが・・・結構可愛くなるものだと感心する。
「ね、これならちょっと判らないでしょ?」
「そうね 風杜くんも気付かないかもね」
「って・・・くるんですか?!」
「予定ではね。正体がわかるか楽しみね~」
愉し気に笑う三人に野明はこめかみを押さえて溜息を吐いた。

結局 二人がフォローするという条件で緑の代わりに花見に参加する事になり飛鳥山に足を向けた。
野明たちが到着して程なく風杜も現れたが彼は一瞬 彼女に目を止めたものの正体に気付く事無く知り合いの輪に消えて行った。
野明はホッと胸をなでおろし、大原と加藤は「完璧でしょ?」と胸を張った。
二人が決めた『水野愛』という名前になれずボロが出ない様に話をすることを極力控えて大人しく飲んでいても少しも気分が盛り上がらない。
軽い溜息をつきふと周りの顔を見渡すとそこに予想外の人の姿を見つけた。
すこし離れたところで酒を酌み交わす小集団、その中に遊馬がいた。
「・・・遊馬・・・」
思わずぼそりと極小さな声で呟きその姿に目を奪われた。
『今日の用事ってこれだったんだ』
若干 不機嫌そうな彼の顔に思わず同情の笑みを浮かべ掛けた時、不意に彼の顔が上がり辺りにさっと視線を走らせた。
その目線が自分を捉えて目が合うと野明は正体がばれると不味いと咄嗟に目を逸らした。

その後も彼の周りには入れ替り立ち替わり合コンに参加している女性が声を掛けに行く。
それが気になってついつい様子を見てしまうと遊馬と頻繁に目が合ってしまい 彼の顔が時折訝し気な様子を見せると正体がばれたのか不安になって酒もつまみも余り喉を通らなくなった。
心臓に悪いから早く帰りたい、と野明が真剣に思っていると武田が大声で「篠原がその子気になるんだって。紹介してやってよ」と大原に声を掛けた。
慌てる遊馬を見て野明もまた心臓が跳ね上がるほど驚き大原を見上げると彼女は「大丈夫だって。風杜くんも気付いてないでしょ、心配いらないわよ」と笑った。
遊馬の隣に座らされどうしていいか判らず俯いていると大原がそつなく自分たちの紹介をすませ空いている場所に腰を下ろした。
自分を窺う遊馬の目線に正体がばれないか冷や冷やしながらも半分は『気付いて欲しい』気もする。
付き合っている訳ではない遊馬が合コンに参加しても文句なんて言えないのだがそれなりにショックだった。
その場に自分もいるので人の事を言えないのは判っていても何となく寂しい気がして最初から低めだったテンションが更に下がった気がした。

そのまま小一時間が経過した頃 不意に遊馬が囁く様に声を掛けて来た。
「水野さん ちょっといい? 持ち物有ったら持ってきて」
二の腕を掴んで人の輪を抜け出すよう促した彼に野明は複雑な心境で手を引かれて歩き始めた。
半歩前を歩く彼の背中。
見慣れているのに とてつもなく遠く見えて野明は思わず俯いた。
『水野さん』と呼んだ遊馬の口調は優しかった。
でもそれは 『水野愛』に向けられたもので『泉野明』に向けられたものではなかった。
合コンで知り合った人と何かあったからと言って彼に文句など言えない。
それでも一番近しくあると思っていた彼が初対面の相手を輪の中から連れ出すのを目の当たりにするのは心が痛かった。
少し離れた場所にある大きく桜の枝が張り出した池の畔に着くと漸く遊馬が手を離した。
くるりと自分に向き直ると 一呼吸置いて何の予告も無くいきなり強い力で抱き寄せられた。
肩口に顔を埋める彼の鼻や唇が首を掠めると、ドキンと心臓が跳ね上がる。
慌ててその腕から逃れると みるみる瞳に涙が溢れた。
『泉野明』でいた時にはじゃれつくことは有ってもこんな風に抱きすくめられた事は無かった。
これは『水野愛』に接する遊馬。
『野明』として見た事の無い彼の一面。
遊馬が初対面の女性にこう言う接し方をする事が堪らなく悲しかった。
それと当時に自分はどこまでも『同僚』なんだと思うと胸が締め付けられる気がした。
一歩逃げると一歩寄ってくる遊馬にふるふると首を振り距離を保とうとしたものの 大きく踏み出してきた遊馬にあっさりと腕を掴まれ再び抱きすくめられた。
『今 抱きしめられているのは「野明」じゃない』と思うと悲しくて胸が張り裂けそうになる。
大きく頭を振り「こんなの 嫌だ」と呟くと涙がぼろぼろと零れ落ちた。
「何が嫌?」という遊馬の問いに『こんな恰好で来なければ良かった』、『こんな一面知らなければよかった』それに『素の私じゃダメなの?』という気持ちがごちゃごちゃに混ざって言葉に詰まった。
途切れ途切れに『こんな事を望んだんじゃない』と伝えようと口を開くと 彼の手が優しくぽんぽんと頭を叩き 次いで大きな溜息が聞こえた。

「そう思うなら その化粧と髪型、元に戻せ」

みなまで言えなかった言葉を汲んで発せられた彼の言葉に野明は思わず顔を上げた。
「どう言う心算でこんなことしたんだ?」と言う問いに続いて彼が「野明」と自分の名前を呼んだ。
『気付いていたんだ』そう思うと嬉しさと気恥かしさで一瞬泣くのを忘れ、逃れようと突っ張っていた手が止まった。
「どうして?」と問うのが精いっぱいの彼女に彼は呆れた顔で「馬鹿にすんな」と言いながらニット帽を外し丁寧にウィッグを取り外した。
明るい色のショートカットが姿を現すとさらっと手櫛を通し髪をかるく整えてやり帽子とウィッグを彼女に手渡した。
「何時から気付いてたの?」と問えば「最初から違和感が有った」という彼に嬉しい様な悔しい様な複雑な気分になる。
「確信したのは席を立つ少し前だな、名前の謎掛けが解けたから」
さらりという彼にその『謎かけ』が分からなくて首を傾げると「何だ、本人はまだ気付いてないのか」と苦笑いされた。
種明かしされた偽名の意味に野明は目を瞬き彼女たち二人にからかわれた様な気がしてバツの悪さに顔を赤く染めた。

場所を変えようと言った遊馬が向かったのは上野公園。
「お前と見るならこっちの方がいいからさ」
そう言って愉し気に笑う彼の顔は何時もの見慣れた表情で少し安心する。
上野の桜は飛鳥山よりも少し開花が進んでいて見頃一歩手前。
ライトアップされた桜は昼とは違う妖しい美しさを醸し出していた。
嬉しそうに枝を見上げて歩いている野明の顔を覗き込み遊馬が小さく笑った。
自分から注意が逸れた事に対する多少の嫉妬も混ざり無言で彼女を強く抱きしめる。
桜に捉えられていた彼女の瞳が遊馬の方へ向き 驚いた様に見開かれると彼はにやにやと笑って問い掛けた。
「なぁ なんでさっきは泣いたんだ?」
「え?」
からかう様な顔で問い掛ける彼に思わず声が裏返った。
「池の傍で抱き寄せた時。今は逃げないし泣いてないよな」
にやりと笑って瞳を覗き込むと一瞬で顔を真っ赤に染めた彼女を愉し気に眺める。
逃げようとする野明を腕に力を加えて抑え込み「答えるまで離してやらない」とコツンと額を合わせた。
恐らく答えは予想の範疇内。
『十中八九 変装した自分に妬いたんだ』
判っていても言わせてみたい気がして遊馬は彼女の反応を窺った。
眉間に皺を寄せ必死で言い訳を探し難しい顔をする彼女に予想が間違っていなかった事を確信した遊馬は堪らず吹きだした。
「まぁ 妬いてくれるのは有難いけど、そういうのはちゃんと付き合ってからの方が嬉しいな。で 俺は『水野愛』さんより、今のお前の方が好きなんだけど?」
分かりやすいほど素直に感情が顔に出る隠し事が苦手なパートナーを軽くつついてやれば予想そのままに拗ねた顔に朱を昇らせた。
「気障・・・」
小さく呟いて目を逸らし顔どころか首までも真っ赤に染める。
その反応に肩を震わせて笑いを堪え拗ねた顔の彼女の耳元にハイバリトンを響かせた。
「心配しなくても他の女に興味無いんだ。こう言う事はお前にしか言わねぇよ」
夜風がひんやりとした空気を運ぶ中 彼女を抱きこんだ腕の中にはある種の春が顔を覗かせた。

fin.

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追記

瞳子さまの突っ込みにのっかったら予想外に長くなりました(^^;
簡潔に纏める能力誰か下さい~!!
しかも 纏まってないっ 申し訳ないです~(平謝りっ!)

コメント一覧

非公開 2010年04月01日(木)01時02分 編集・削除

管理者にのみ公開されます。

たまき Eメール 2010年04月01日(木)01時18分 編集・削除

2人の原点の上野で遊馬が告る!!それに野明の反応がとてつもなく可愛いすぎます(≧∀≦)で…風杜さんは後で聞かされ落ち込んでる様子が浮かびます( ´艸`)きっと気づいた時には、遊馬にお姫様はいつもさらわれちゃってるんですよねぇ

瞳子 2010年04月01日(木)07時29分 編集・削除

やっほい!!(^з^)-☆
忙しいのに突っ込みに応えて頂き、ありがとうございます。
風杜さんも来てたんですね。
でも野明に気づかない。それでも刑事か!?
あんたはまだまだだな。┐(  ̄ー ̄)┌ フッ
と遊馬が鼻で笑いそうだ。(笑)

ツッジー 2010年04月01日(木)10時34分 編集・削除

風杜さん・・気付かず・・・。
残念!!!!

野明バージョンもハラハラしちゃいましたー(≧∇≦)
でもよかったよかった(≧∇≦)

こんきち 2010年04月01日(木)20時14分 編集・削除

あーあ、風杜さん幸運の女神の髪の毛掴み損ねたんだ。
気になる彼女の変装も見破れないなんて情けな~い
だから遊馬に負けちゃうんだよ。
のあすまが幸せになっていけばいくほど、風杜さんは不憫になっていく、このおもしろさスキですわ。

さくら(内緒様) 2010年04月02日(金)00時15分 編集・削除

>内緒さま

そういたんですね~
そのことに 「サクラサク」の内緒コメで初めて思い当たったのは私です(^^;

>「ワンコが変装した飼い主に気づくかどうか」ってアレ

そうそうまさにそう言う事ですよね(笑)
番犬は気付いた様です(^m^)
遊馬カッコいいですか?!
それは嬉しいです~ 何しろ私が遊馬スキーですから♪

ハイバリトンは超魅力的ですよねぇぇぇ!!
もうあのお声が聞こえるとCMだろうと何だろうと 耳がピクリと動きますよ(笑)

さくら(たまき様) 2010年04月02日(金)00時21分 編集・削除

>たまきさま

そうそう原点で♪
野明はテンパってますよね(笑)
そして風杜氏は 「あれはやっぱりそうだったのか!」って凹むんですよね(^^;
「一瞬目に止めたのに」って★
気付いたら姫君は遊馬について行っちゃってるんですよね~
うちのサイトでは彼を幸せにしてあげられないなぁ・・・・(^▼^;

さくら(瞳子様) 2010年04月02日(金)00時24分 編集・削除

>瞳子さま

ひゃっほうっ♪
呼ばれたので頑張りました(笑)
来てたんですよ 彼も。
目には止まったんですが 気付けなかったようですね★
そこが私の愛の深さの違いです(こら!)
当家の遊馬は過保護ですから何でも見逃しませんよぅ(笑)

さくら(ツッジー様) 2010年04月02日(金)00時26分 編集・削除

>ツッジーさま

そうなんですよね、気付かず・・・
ハラハラしていただけました?
良かったです♪
結末が見えてるからどうかなぁって思ってたんですよ(^^)

さくら(こんきち様) 2010年04月02日(金)00時30分 編集・削除

>こんきちさま

掴み損ねちゃいましたね~
幸運の女神には前髪しかないんでしたっけ(笑)
変装 見抜けませんでしたね~
でも 簡単に見抜かれたら刑事課の女性陣 潜入捜査とかできないですし、そこは彼女らの腕ってことで(笑)
シーソーとか天秤効果に近い形でのあすまが幸せになっていけばいくほど、風杜さんは不憫になっていく・・・
当て馬の宿命ですよね(おい!)

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