今日の東京は昨日に引き続き快晴です
出かける用事が多いので助かりますよ~
さて がんばらねばぁぁぁ
今日はSSで。
連載の続きでなくてごめんなさい~
あまりに切りが悪くて出せません(^^;
で USBメモリを整理していたら数か月前に書きかけて止まっていたものを数点発見。
折角なので続けてみました(笑)
文章が途中で変わるのはそういう事情で、だったら書きなおしなさいな、って感じですがそこはもう ご愛敬でって・・・・だめ?!(^^;
そんな感じのものですが「まぁ いいかぁ」と思ってくださる方は 畳んでおきますので以下からどうぞ♪
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それは彼方の青い空
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あの戦争のあと 生死を共にした戦友たちは各々別々の場所に身を移した。
それは野明と遊馬も例外ではなく退官の後、請われる形で野明はテストパイロット、遊馬は技術者としてシノハラに籍を移した。
太田はアメリカに渡り、進士は本庁の経理部門に異動した。
隊長二人もまた退官したが その後の消息を伝えてくることはなかった。
本気で探すなら進士なり榊班長なりに訊けば判りそうな気もしたが敢えて行方を告げなかった彼らの心情を思うと探し出すことも憚られた。
そして二課が解散された後も戦争直前まで二課棟に残っていたひろみも退官して故郷の石垣に戻って行った。
最後まで彼が気を掛けていたトマト畑や鶏小屋。
それをあの戦争の折に解体したことであの土地への未練が断ち切られたのかもしれなかった。
3年と数カ月を皆で過ごしたこの土地に宿る記憶は多くても本格的に開発が開始されたその場所は既に半ば廃墟と化し今現在 残っている者は誰一人居なかった。
数か月後には大型店舗や高層ビルが建ち始め、数年もたてば陸の孤島と言われたあの頃の面影は何処にもなくなってしまうのだろう。
今はもうフェンスが閉じられ近寄ることが出来ない旧二課棟の残骸を遠目に見て野明は遊馬にそっと身を寄せた。
感傷の籠った瞳で棟屋を見詰める彼女を黙って引き寄せるとゆっくりと堤防に足を向ける。
嘗て整備員たちと共にハゼを目当てに賑やかに釣り糸を垂れた東京湾を望む堤防の淵に立ち彼女の顔を見下ろせば涙こそ無いものの物憂げな色を湛えていた彼女の瞳がゆらりと揺れた。
「もうじきここも無くなっちゃうんだね」
「そうだな、無くなるっていうか生まれ変わるんだろ。巨大な都市にさ。誰も寄りつかなかった地の果てだった土地が数年後には人で溢れかえる様な街になるんだ。きっとすぐにこんな不毛の土地だったことなんて忘れられちまうんだぜ」
淡々と殊更感情を込めずに語る彼の横顔をちらりと見て野明は自分自身に言い聞かせるように言葉を紡いだ。
「それでも・・・私は忘れないよ。ここで過ごした時間も仲間も。あの建物も潮の香りが混ざる空気も」
目を閉じれば鮮やかに蘇るキラキラした宝石箱の様な毎日。
忙しくて休みも碌に取れなくて勤務も過酷。
それでも心身ともに充実していた日々。
大切そうに語られる言葉に遊馬が静かに問い掛けた。
「帰りたいか?あの頃に」
彼の顔を振り仰いだ野明は少し困った顔をしてそれでもゆっくりと首を横に振った。
「懐かしいし とても大事な思い出なんだけど・・・なんだろうね、『帰りたい』とは思わないな」
「・・・そうか」
「うん。遊馬は?帰りたいって思う?」
「俺も思わないな、あの時間はあのままでいい そんな気がしてる。あそこでやるべきことはもう全てやり切ったって思うし。それに・・・」
言いながら彼女の頤を軽く持ち上げた。
「必要なものはちゃんと持ってきたからな、俺は」
ゆっくりと彼女の唇に自らのそれを重ね静かに離す。
遊馬の胸元に頬を寄せ野明は穏やかに目を閉じると彼の背中に回した腕にそっと力を込めた。
「その中に 私も入ってる?」
「入ってないと思うのか?」
耳に響くハイバリトン、遊馬の心音を聞きながら心地良さと甘い疼きを感じて彼に身を預けた。
「どうかなぁ」
「入ってない訳、ないだろ?」
含み笑いを見せる彼女のこめかみに軽く唇を落とすとそっと髪を撫でた。
心地良さ気に笑う野明を軽く抱きしめると東京湾に目を移す。
東京にしては珍しく良く澄んだ青空が鈍色の東京湾の上に広がり特徴のある潮の香りが辺りを漂う。
「ね また皆で会えるかな」
「その気になれば会えるさ。俺たちは皆 同じ空の下にいるんだから」
そういうと 遊馬は自分の背に回された彼女の右手をそっと解きポケットから取り出した小さな箱をその掌に握らせた。
首を傾げた野明が何かを問う前に、穏やかな笑顔で口を開く。
「・・・呼び集めてみるか?秋にでも」
渡された箱を見て野明が弾かれたように顔を上げた。
ベルベットの張られた小さな箱。
彼女の掌にちょこんと載った小箱の蓋を開いて見せると遊馬は小さく笑った。
「あまり高価なもんじゃないんだけどな」
呆けた顔で彼を見返す野明にむかい合うと、箱から取り出した小さな環を手に遊馬が顔を覗き込んだ。
「俺と一緒に来ないか?これから先ずっと。周りがどれだけ変わっても、俺はお前と一緒に居たい」
「遊馬・・・?」
「・・・結婚しないか?」
驚いて見開かれた野明の瞳を見詰めて遊馬が小さく笑う。
「・・・私で・・・いいの?」
不安気に問い掛ける彼女の顔を真っ直ぐに見返して彼は静かに頷いた。
「お前がいいんだ。他の誰でもなく、野明がいい」
彼の言葉に野明は遊馬の背中に添えていた左手を引くと右掌の小箱をそっと持ち上げた。
くるりと手首を返すと彼に向かって手を差し出す。
「・・・それ、嵌めてもらえる?」
頬を染めてはにかむように笑う彼女の瞳に光る雫を見つけて、遊馬は軽く笑みを見せた。
「ああ」
差し出された右手を取るとその薬指に小さな石が嵌めこまれたシンプルな環を通す。
彼の行う一連の動作を息を呑んで見詰め、しっくりと肌に馴染んだその指輪を暫くの間、陶然と眺めた。
じわりと湧きあがる歓喜の感情そのままに遊馬の胸に飛び込むと再びその背に両腕を回した。
「お前こそいいのか、俺で?」
飛び込んできた小柄な体を抱きしめながら問い掛けると腕の中の野明が答えを返した。
「遊馬がいい。他の人じゃ駄目、だから・・・嬉しい」
涙の交じる声で答えた彼女に小さく安堵の息を漏らし その顎に手を掛け軽く持ち上げる。
瞳の端に浮かんだ涙を指先で拭い深い口づけを交わした。
互いを抱きしめたまま遊馬が野明に声を掛ける。
「俺の相手は苦労するぞ?」
「それはお互い様。それに・・・だからって他の人に譲る気はないもの。・・・けどその前に、お父ちゃん説得してね?」
「野明の親父さんか、難関だなぁ。最悪 攫って逃げようか?」
悪戯っ子の顔を見せる遊馬に野明はくすくすと笑った。
「居所 ばればれじゃない。『篠原の御曹司』なんて。それとも駆け落ちでもしてくれるの?」
「野明がいいなら 俺は構わないけどね。実家に未練なんてないからな」
しれっと言う彼に野明は呆れた顔で小さく溜息を吐き、その様子に遊馬は相好を崩すと彼女の髪をくしゃりと撫でた。
「まぁ 冗談は置いといて。まずは北海道、次の休みにでも行くか? 秋に間に合うように説得しないとな」
そう言うと彼は再び東京湾に目を向けた。
境界がはっきりわかる青い空と鈍色の海。
普段より澄んでいるとはいえ、お世辞にも澄みきっているとは言い難い都会のそれは 遥か彼方の仲間や家族の元にも続いている。
振り返ると 荒廃した嘗ての職場。
最後に会ったあの日から確実に流れる月日を物語るその姿に 『次に顔を見る時は皆が笑顔でありますように』と強く願ってしっかりと互いの手を取り合うと もう戻ることはできない過去をしっかりと胸に仕舞った。
ゆっくりと手を解くとどちらからともなく 閉ざされたフェンスの向こうに最敬礼を送り、一頻り思い出に浸ると遊馬が野明の肩に手を置いた。
「ここでお前に会って、コンビ組んでさ 今まで来たんだ。だから、ここから始めたかったんだ もう一度」
「はい・・・こちらこそ よろしくお願いします」
彼の言葉を受けて その顔を振り仰ぐと野明は花が咲くように笑った。
穏やかな笑顔を見せる遊馬の後ろに見える青空は 先程までよりも少し青く澄んでいる気がした。
fin
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こういうの締めるの下手なんですよぅぅ
なんかもっといい締め方あるんだろうけど・・・・ご指南くださいませ、物書きのみなさまぁぁぁぁ
こんな駄文ですが感想とかご意見いただきますとがんばる気力がわきますので お時間ありましたら ぜひぜひよろしくお願いいたします!
さぁて子供いじけてきたので 遊びますか!!!
ツッジー 2010年01月20日(水)10時01分 編集・削除
いいお話だね!!
再出発をするために
埋立地でプロポーズなんて素敵だ(≧∇≦)
秋、元2課のみんなが笑顔で集まるといいね(≧∇≦)