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不在23

寒くて家から出るのが億劫になっています。
今 午前3時過ぎ(^^;
何してるんだかって思いますが・・・子供の寝相の悪さに完敗ですよぅ・・・
蹴っ飛ばされるわ 引っ掻かれるわ、寝言もいうわ(^^;
一歳児、何をそんなに夢の中で戦っているのやら?!(笑)
と言う訳で 眠れませんですよ
なのでついでに今日の更新でも・・・

さて不在の第23弾♪
長いですよね、さっさと終わらせないと(^^;
ここしばらくは絵が落ち着いて描けないのでテキストUPが中心です
半分 TV見ながら書いていたので誤字脱字があったら後で直します~

ちなみに今CSでケロロが始まりました(笑)
寝るべきなんだろうけど・・・・見たいなケロロ(こら!)

では 以下が本文です

続き

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不在 23
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SIDE-LABO(6)

翌朝 バス停でシャトルバスを待っていると野明の携帯電話が軽やかな音をたてた。
遊馬以外から掛ってくることなど殆どない為 野明はすこし慌てて鞄からそれを取り出すとメモリに無い発信番号に小首を傾げつつ電話に出た。
「もしもし?」
用心のため名前を名乗らずに応対すると向こうから聞き覚えのある声が聞こえ野明の表情が明らかに緩んだ。
「あ、はい 泉です。」
「ええ、 はい いますけど・・・」
チラリと遊馬を見て頬を染める。
その仕草に遊馬は怪訝な顔を見せ軽く首を傾げた。
「はい 判りました。伝えておき・・・え? そうですか。はい、少々お待ちください」
送話口を押さえると野明は携帯を遊馬に差し出した。
「代わってって。久住さん」
「俺?」
コクンと頷く野明に遊馬は腑に落ちない顔をしながらもそれを受け取った。
「代わりました。篠原です」
通話を代わると電話の向こうからニヤニヤした雰囲気の声が聞こえた。
「おはよう、篠原くん。噂通り本当に朝から彼女と一緒なのねぇ、まあ今朝からって訳じゃないかもしれないけど?」
「・・・余計なお世話ですよ。で 何ですか、こんな朝っぱらから」
冷や汗を掻く思いで努めて冷静な声で応じると向こうからくっくっと笑う声が聞こえた。
「・・・冷やかしだったら切りますよ・・・」
こめかみを押さえて唸るように言う遊馬に久住は「ごめんごめん」とカラカラ笑った。
「用件、そう 用件ね、篠原君うちについたんでしょ」
「模擬戦の話ですか?」
「そう、浅月から一号コンビはこっちって聞いたからさ。朝 直接こっちに来てもらえる?許可取ってあるから」
「それは構いませんけど・・・何時聞いたんですか?それ決まったのって昨日の夜ですよ?」
「今朝よ。さっき 内線が掛ってきた」
「内線って・・・浅月さんも久住さんも家帰ったんですか?」
遊馬が呆れたように言うと久住はコロコロと笑った。
「帰ったわよ、私はさっき出てきたの。彼が何時に来たのかは知らないけどね」
遊馬は時計を見て7時過ぎである事を確認すると彼なら出社しているかもしれないなと思って軽く肩を竦めた。
「で それより、泉さんから何か聞いちゃった?」
探る様な声音に遊馬は眉を顰めた。
「何かって、模擬戦についてですか?」
「そうよ・・・聞いてないならいいわ。こっちに着いたら泉さん褒めてあげなくちゃ」
「何の話です?」
「まだ秘密。泉さん 顔に出やすいから心配してたのよね。うん 上出来、上出来」
愉しそうに言う久住に遊馬は不満気に訊き返した。
「また何か碌でもないこと 考えてるんじゃないでしょうね?」
「碌でもないだなんて失礼な。ま、ちょっとした茶目っけかなぁ。ま、いいわ。こっちに来たら教えてあげる。こっちの更衣室使っていいから直接来て頂戴、いい物用意して待ってるから、じゃ 後でね」
言いたいことだけ言うと久住はさっさと電話を切ってしまい遊馬は携帯を眺めて暫く固まっていた。
「・・・遊馬?」
遠慮がちに声を掛ける野明に黙って携帯を返すと大きく溜息をついて額を押さえた。
バスに乗り込んで暫くすると遊馬は野明に声を掛けた。
「なぁ、何する気なんだ?あの人」
敢えて名前を出さなくても誰を指しているかは明白で野明はくすくすと笑う。
「行けば教えてくれると思うけど?」
「・・・・そうかもしれないけどさ。お前は何か知ってるんだな?」
「そりゃね。私はこっちのパイロットだもん」
「で 何する気なんだよ?」
重ねて訊く遊馬に野明は悪戯っぽい目を向けて「まだ秘密」というと愉しそうに笑みを浮かべた。
口を割る気配がない態度に遊馬は面白くなさそうな溜息を吐くと軽く肩を落とした。

真っ直ぐ保守のハンガーに向かうと始業前だと言うのに久住がぽんぽん作業指示を出していた。
「久住さん おはようございます」
野明が声を掛けると彼女はくるりと振り返りにっと笑った。
「おはよう、篠原くんも。ちょっと待っててくれる?指示だけ出しちゃうから」
そう言ってまたキビキビと指示を出すと5分ほどして二人の傍に近づき「じゃ、行きましょうか」と声を掛けてハンガーを出る。
その後ろ姿に野明が声を掛けた。
「もういいんですか?」
「大丈夫、あとは始業後で十分だし」
二人を先導して事務所へ向かい殆ど戻ることのないオフィスの自席にやってくるとそこに置かれた紙袋と小さな鍵を野明と遊馬に其々一つづつ手渡した。
渡された紙袋を覗き込んで野明は「あっ」と小さく呟き遊馬もまた目を丸くした。
「遊馬 これ」
「なんか俺 久しぶりに見たな」
野明が嬉しそうに遊馬を見上げると彼もまたにっと笑った。
「こんな物 どうしたんですか?」
紙袋をしっかり抱きしめて野明が問うと久住は愉しげに笑った。
「持ってきて貰ったのよ。その方が雰囲気出るし、何より気合が乗るでしょ?」
「持って来てって・・・誰にです?それになんで俺の分まで・・・?」
今朝聞いたというなら何時手配したのか、首を傾げる遊馬に彼女はしれっとした顔で言い切った。
「『誰が』は直ぐに判るわよ。大体、泉さんとイングラムがこっちにあるのよ、篠原くんが来ない訳でしょ?」
当然とばかりに胸を逸らす久住に遊馬は思わず言葉を失った。

割り当てられたロッカーに向かいながら野明は遊馬の顔を覗き込んだ。
「ね、まだ拗ねてるの?」
「・・・そんなんじゃねぇよ」
仏頂面を見せる遊馬に野明は肩を竦めた。
「折角 遊馬に指揮して貰うんだからもっと楽しくしたいんだけどなぁ・・・」
拗ねた様な口調で言う野明に遊馬は軽い一瞥をくれた。
「・・・判ってるけどね」
面白くない気分で言うとロッカー室の前で野明と別れる。
手早く制服に袖を通すと何だか懐かしい気分になって軽い笑みが零れた。
「一か月振りか・・・」
しみじみ呟くとネクタイと共にピシッと気を引き締めた。
「まぁ やるからには負けたくないしな」
小さく呟くと一度背筋を伸ばしてロッカー室の扉を開けた。
少し待つと野明もまた同じ制服に着替えて顔を出し二人でまじまじとお互いの姿を眺めると顔を見合わせた。
「なんか久しぶりだな」
「うん。やっぱりこれが一番しっくりくるって言うか・・・」
言いながら野明は遊馬の顔を見て嬉しそうに笑った。
「遊馬が『帰ってきた』って気がする」
「そうか? まあ 俺もなんかこっちの方が性に合ってる気はするけどな」
ぐっと大きく伸びをすると遊馬は野明の頭をくしゃりと撫でた。
「さぁて、行くかぁ」
「うん、よろしくね」
「任せとけって。ゼロに一泡吹かせてやろうぜ」
「頼りにしてる」
パンと手を右手同士を打ち合わせ一度目を合わせると笑みを交わしてハンガーに足を向けた。
野明の笑顔に曇りがなかったことが遊馬は妙に嬉しく感じた。

ハンガーに入ると細かい指定をする聞き覚えのある声が聞こえて二人はその方向に目を向けた。
視線の先によく見知った顔を見つけ、二人が同時に名前を呼んだ。
「「シゲさん!!」」
二人が駆け寄ると にっと笑って工具を持つ手を軽く上げた。
「遊馬ちゃん、元気してた? 助っ人にきたよ」
「じゃ 制服持ってきてくれたのってシゲさん?」
遊馬の脇から顔を出した野明が声を掛けた。
「そうよん、泉ちゃんもどう、仕事順調?」
「う~ん どうだろう?」
遊馬を見上げると彼は「まぁまぁかな」と言って野明の頭にぽんと手を置いた。
「本人はよくやってると思うけどね、進捗は芳しくないかな」
「そうなんだ? それで実装試験じゃなくて模擬戦?」
得心が行った、と言うように頷くと遊馬の顔を見てにやりと笑った。
「ま そういうことなんだろうね。詳しいこと聞いてるの?シゲさん」
「いんや、まだ。遊馬ちゃんは?」
「俺も同じ。野明だけなんか知ってるみたいなんだけどさ?」
チロリと視線を投げる遊馬に野明は人差し指を口元に当てて「まだ内緒」と愉しそうな笑顔を返し軽い足取りで久住の傍に駆け寄って行った。
「・・・なんか泉ちゃん 愉しそうね?」
「まあね、何だか知らないけど」
腑に落ちない顔をする二人に 久住が手招きしながら「朝礼するよー」と声を張り、スタッフに召集を掛けた。

慣例の点呼と標語の唱和を終えると久住が一歩前にでた。
「ええと。もうみんなよくわかってると思うけど、今日は午後から模擬戦があります。うちのイングラムが開発自慢の新型レイバー ゼロのお相手をします。コンピュータ制御を基本にした機体と機械制御を基本にした機体の勝負よ。オートマ相手にマニュアルの意地を見せてやりましょ。で 今日は二課から顔なじみの助っ人が3人きてます。泉さん、篠原くん、あとシゲさん。今日一日 気合入れて行くわよ。電装系と駆動系の最終チェックに掛って。あと二課の3人とあんたたちはこっちね。じゃ 以上、解散」
久住に『あんたたち』呼ばわりされた98式のソフト管理メンバーと二課の3人、久住の総勢10人そこそこで会議室に移動すると早速 作戦会議が始まった。

「じゃ 始めましょうか。泉さん この二人にはまだ何も?」
「はい、何も」
野明の回答にシゲと遊馬以外のすべての面子が愉しそうな顔を見せた。
「OK、上出来。順を追っていきましょうか?」
きょとんとする二人に向かって久住が問い掛けた。
「二人はゼロの仕様書に目を通したことは?」
「当然ありますって。馬鹿にしてもらっちゃ困るなぁ、機体のスペックも調べずに納入決める様な真似するわけがないっしょ?」
憤慨したように言うシゲに彼女は満足そうに頷く。
「篠原くんは?」
「ありますよ」
「じゃあ 大体でいいけど覚えてる?」
「丸暗記はしてないですよ。で 欲しいのはどの辺の話ですか?」
遊馬の問いに久住はにやりと笑った。
「ニューロンネットワークの演算処理能力」
「ニューロンの?」
遊馬とシゲは少し考えて顔を見合わせた。
「環境認識と状況予測に関わる部分の処理能力ってことですか?」
「そういうことね、それから機体稼働中のOS切り替えに要する時間」
彼女の答えに何となく目的を察すると二人は顔を見合わせて軽く渋面を作った。
「ちゃんと弾き出すなら設計仕様書が欲しいとこだけど・・・・」
「んなもん 渡してくれるわけ無いか。まさに企業秘密だもんなぁ」
腕を組んで考え込む二人に久住は探る様な眼を向けた。
「大雑把でいいんだけどさ 出ない?」
「大雑把にねぇ・・・取り敢えず今やってるヴァリアントの値を参考に行くなら・・・」
会議室で小一時間話し合いをする。
結果 かなりアバウトな値ではあるが一応の参考値を決めると遊馬とシゲは素朴な疑問を口にした。
「で、予想を立てたはいいけど どうやってこの状態に持ち込むんです?」
「だから、昨日泉さんがデータ取って帰ったわけよ」
そういうと久住とそのチームの面々が底意地の悪い笑みを浮かべた。
その内容を聞いたシゲは吹きだすように笑い、遊馬は思い切り顔を顰め、「それって悪戯か嫌がらせじゃないですか」と口にすると「ま そういうことよね」と久住が嘯いた。
「正面からまともに組みあったら不利だからね、マニュアル操作の利点を見せてやろうかなって」
「・・・本当に 貴方は・・・」
軽く額を押さえて遊馬は溜息を吐き シゲはカラカラと笑って遊馬の背中を叩いた。
「まあ いいじゃないの、俺っちそういうのは大好きよ。こっちでやるわけにいかないことをメーカーがやってくれるんだから儲けもんでしょ?」
「シゲさんまで・・・ああ もう、後の事知りませんからね?」
遊馬が投げやりに言うと久住はしれっと言い放った。
「あら 私だって知らないわよ。責任取るのは責任者の仕事でしょ?私は現場担当者だもの。模擬戦にGOサイン出した時点で許可した人間が責任取るのは当然じゃない」
「・・・俺 本当に久住さんの上司じゃなくてよかったと思うよ」
「何言ってんだか。私の上に立ちたいならそれなりの覚悟をしてもらわないとね」
遊馬の言葉にその場にいる全員が無言で頷き 彼女自身はふふんと鼻を鳴らして胸を逸らした。

その後いくらか方針を立てると皆でハンガーに戻って昨日のおさらいと言って二人に練習の成果を披露してみせた。
シゲは膝を叩いて笑いながら「器用だねぇ 泉ちゃん。いやぁ さすが一号機!」と絶賛し 遊馬は呆れて溜息を吐くとインカムで野明に声を掛けた。
「お前 昨日こんなことして遊んでたのか?」
「上手いもんでしょ、遊馬 褒めてくれないの?」
「・・・いや うん。上手いもんだとは思うよ。思うけどさ・・・」
愉しそうに言う野明に遊馬は思わず頭を抱えた。
「この期に及んでなに往生際の悪い態度してんだか」
言いながら遊馬の後ろ頭をぱこんと叩くと久住はにやりと笑った。
「向こうに帰りたくなった?」
「・・・・そうは言いませんけどね」
「当然ね 手の内知られて素直に帰す訳ないでしょ、いい加減開き直んなさいよ。やるからには勝ちたいし、基本スペックで不利がある以上相手の弱点を突くのは当然でしょ?それにこれは親切よ、 問題点は早いうちに出た方がいいに決まってるじゃない」
「ああ もう、判りましたよ。本当にもう・・・知りませんからね、これで勝ったら開発てんてこ舞いですよ」
「それは向こうの事情。さぁて 頼んだわよ指揮」
「はいはい。じゃ 遠慮なく」
後ろ手を振って遠ざかる久住を見送って遊馬はバイザーを被り直すと表情を引き締めた。
「さぁて・・・じゃ やるかぁ。野明、今のもう少しスピードと距離伸ばせないか?初動の早さ上げないと捕まるぞ」
声を掛けるとシゲと共に野明の操るイングラムを見上げた。
「勝てると思います?」
「ハード的にはかなり不利だからねぇ。けどまあ そこは『知恵と勇気』っしょ? 初動が上手くいけば勝てるんじゃない?」
「やっぱそこだよなぁ。後はフィールドの環境次第か」
「ま やるだけやろうよ、ハード面は任せて頂戴」
にっと笑うシゲに遊馬もまたにやりと笑い返すと 指揮の感覚を取り戻すべく管制室に駆け戻って行った。

小一時間でイングラムを降りると後を整備に任せて野明は遊馬の元に駆け戻ってきた。
ヘッドギアをはずすと嬉しそうに笑う。
「おつかれさん」
遊馬が頭をくしゃりと撫でると心地よさそうな笑顔を見せた。
「遊馬こそ。久しぶりだけどやっぱり遊馬の指揮が一番いいなぁ」
「そりゃどうも。けど 試験中だって指示出してるだろうが?」
きょとんとした顔を見せる遊馬に野明は澄ました顔をして見せる。
「あれは 指揮じゃなくて指示」
「まぁ そうだけど。やってることは似たようなもんだろ?」
苦笑する遊馬に野明が「違う」と不満そうな顔を向けると 遊馬は怪訝な顔を見せた。
首を傾げる彼の後頭部を後ろから歩いてきた久住がすれ違いざまにぺしっと叩く。
「鈍い男ねぇ」
「いってぇ。何すんですか、全く」
前を行く久住の背中に向かって文句を言うと首だけ振り返った彼女が半眼を向けた。
「ま、人の事だからこれ以上言う気はないけどね、折角のアピールなんだから優しくしてやんなさいよ」
そういうとひらひらと手を振って「先 食堂行くからのんびり来なさいな」と言い残しその場を後にした。
腑に落ちない顔をする遊馬の背中をシゲもまた含み笑いをしながら軽く叩き「俺っちも先行くねー」と先程の久住よろしく手を振りながらその脇を足早に通り過ぎた。
拗ねた顔をした野明と二人で残される形になった遊馬は軽く肩を竦めた。
「拗ねるなって。何が違うんだ?」
困った顔で問う遊馬に野明はツンとそっぽを向いた。
「わかんないなら、いい」
「いいって・・お前。良くないだろ?模擬戦控えてギクシャクしてどうすんだよ」
本気で戸惑う顔を見せる遊馬に野明は小さく溜息を吐いた。
「遊馬の馬鹿・・・」
小さく言うと不満気に頬を膨らませる彼女の顔を見て遊馬は困惑し眉間に皺を寄せた。
「・・・・指示って誰にでもだすじゃない」
憮然とした顔で呟いた野明の言葉に遊馬は一瞬きょとんとすると『そういうことか』と漸く彼女の不満を理解して照れ臭そうに笑うと 腕を伸ばしてその頭を引き寄せた。
「悪かった。パートナーだからな、ちゃんと指揮執ってやるから安心しろって。勝ちにいくからな、気合いれてくぞ」
髪をくしゃっと撫でたあと軽く肩を叩いてニヤリと笑って見せると嬉しそうな笑顔を返す野明を連れ、先の二人を追うように足を速めた。

食事を終えると久住の先導でテストドームに向かう。
中に入ると午前中の内に既に運び込まれていた機材とレイバーが其々のスタッフの手によって最終調整を受けていてドームの端に浅月達 開発スタッフの姿を見つけた野明が大きく手を振ると気付いた彼らもまた手を振り返した。
久住と共にモニタールームに向かうと程なく浅月も数名のスタッフと共に部屋に入ってきた。
遊馬と野明の格好に軽く笑みを浮かべ声を掛ける。
「二人とも今日は二課の制服なんだ?」
「ええ。やっぱりこの方がしっくりくるというか」
「篠原もなんか嬉しそうだなぁ」
「こっちが本業ですからね。それに久しぶりなんで、これに袖通したの」
「お手柔らかに頼むよ、二人とも」
照れ笑いを浮かべる二人に浅月は苦笑を返した。
「浅月、篠原くんも泉さんも今はうちのチームなの。懐柔しようとしないでよね?」
「久住・・・俺 そこまで姑息な手は使わないって。大体こっちの機体は満を持しての新型でパイロットも初期から関わってるベテランだよ?」
「あらそう? じゃ取り敢えず 模擬戦前に条件の確認しておきましょうか?」
にやりと笑う久住に浅月は肩を竦めた。
「それはもう少しあとになりそうだよ?」
「なんで?」
怪訝な顔をする彼女に渋面を作ると浅月は溜息を吐いた。
「もうじき お偉いさんがみえるから」
「・・・なによそれ?」
「模擬戦やるって言ったら見に来るってさ。工場長自ら」
久住が目を瞬き 野明と遊馬は顔を見合わせた。
「実山さんが?いいけどうちが勝ったらショックでしょうねぇ」
「そりゃね。そうならない様に頑張るよ」
「ま お互いベストを尽くすということで。じゃ 揃ったら声かけてね」
ひらひらと手を振ると 「いこう」と声をかけて一号コンビとシゲを連れて自販機の置いてある廊下の隅に足を向けた。

「さて 見てきた?」
久住が遊馬とシゲに声を掛けた。
「まぁ 予想通りと言うか。上の意図が見え見えですね」
遊馬が軽く肩を竦め シゲは含み笑いを返した。
「だからこっちの作戦が有効に働く訳っしょ? 判りやすくていいじゃないの」
「まぁね、じゃ軽く説明するから良く聞けよ」
きょとんとして3人の顔を見比べる野明に遊馬は軽く手招きすると基本的な作戦方針の説明を始めた。
一通り説明を終えると 野明の顔を覗き込んだ。
「行けるな?」
「勿論」
笑顔を返す野明に久住とシゲもにっと笑った。

実山がドームに着いたことを知らせに来た浅月についてモニタールームに入る。
軽い挨拶の後 浅月が今回の模擬戦について説明を始めた。
「ええと 今回、開発側の進捗が少し遅れてまして予定していたイングラムへの新プログラム実装訓練に代えて 来月 警視庁へ納入予定のAV-0との模擬戦を行いたいと思います。イングラムのオーバーホール後の慣らしとゼロの出荷前最終調整を兼ねたモニタリングも同時に行いますので 双方システムの監視と管理は互いの部署単位でよろしくお願いします。このドームのメイン管制系統はAV-0準拠なのでこちらが、98にはサブコントロールか指揮車を利用してもらうことになりますが・・・どうする?」
久住に向かって問い掛けると彼女は遊馬に目を向けた。
「俺は これさえあれば問題ありませんけど?」
遊馬は手にしていたバイザーを器用にくるくると指で回してみせ、「まぁ 使えるならどっちか借りるのは構いませんよ?」と応じた。
「じゃ サブ借りよっか?」
少し考えて久住が提案すると全員がコクンと頷いた。
「では サブコントロールを98に。模擬戦そのものはデータ収集の関係でゼロの環境を変えて三本行います。まずは HOS及びニューロンネットワークを切った状態のマニュアル操作に最も近い形で。補助用のシステムですが98式と同等程度のシステムです。次に HOSとニューロンネットワークを起動した形で。最後は パイロットの判断でフレキシブルにモードを変えての対戦となります。98式は切り替えるモードがないので常にフルスペックで結構です。何か質問は?」
「そうねぇ・・・98側に何か禁じ手はある?先に訊いとかないと後で文句が出るのはごめんだわ」
含みのある久住の笑顔に浅月は軽く肩を竦めた。
「まぁ お手柔らかに頼むよって事くらいかなぁ」
「最新鋭の機体を相手にスタンスティックの電源は抜いてあるし リボルバーの中身はペイント弾。お手柔らかにしてほしいのはこっちの方でしょ?あとはまぁ 格闘に制限が付かないならそれでいいわ」
言葉とは裏腹に彼女は余裕たっぷりの口調で言うと口の端に笑みを浮かべた。
「で 何時始めるの?」
「用意でき次第かな、そっちはどのくらいかかる?」
浅月の問いにシゲと遊馬が頷きあい野明の方を窺った。
「今すぐにでも」
野明が笑うと浅月は軽く頷いた。
「じゃ 10分後に始めよう」
彼が告げると全員が一斉に自分の持ち場に足を向けた。

go to next....
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追記

さて 結局模擬戦まだ始まらないし~!!
すみませんです、次回は模擬戦でって だれも期待してないって?!(^^;
まぁ そんなこと言わないでもうしばらくお付き合いくださると・・・うれしいです(平伏)
こんな話ですが お時間に余裕がございましたら感想などいただけますとさくらが泣いて喜びます♪
次回 作成への心の糧にもなってますのでぜひぜひよろしくお願いします♪(^^)

それにしても・・・ケロロ面白いなぁぁぁ(こら!)

ではでは 続きはのんびりおまちくださいね~(^^)

コメント一覧

非公開 2010年01月17日(日)17時50分 編集・削除

管理者にのみ公開されます。

非公開 2010年01月17日(日)21時53分 編集・削除

管理者にのみ公開されます。

こんきち 2010年01月17日(日)22時00分 編集・削除

今回は久住さんに続いてシゲさんも登場なんですね。
なんておいしいメンバーなのでしょう。
読んでるほうはとても楽しいです。
いよいよ次回は模擬戦、楽しみだなぁ(>▼<)

ツッジー 2010年01月17日(日)22時49分 編集・削除

模擬戦かー(≧∇≦)
楽しみだなぁー( *´艸`)♪

なんだかドキドキワクワクしまぁーす(≧∇≦)

たまき Eメール 2010年01月18日(月)00時31分 編集・削除

本業の?1号機コンビ復活!ですねぇ そしてオレンジの制服がしっくりくる2人ですよね(o^_^o)シゲさんもいるし(〃▽〃)次回模擬戦楽しみにしています そして子供の寝相あーんど寝言…我が家もスゴい!です…5年生の長女ですが夜中に会話してます( ̄◇ ̄;)たまに怒ってます(-_-;)いったい誰と?今から修学旅行が心配です

さくら(1/17 17:50の内緒様) 2010年01月18日(月)22時44分 編集・削除

>1月17日 17:50にコメント下さいました内緒様

コメント ありがとうございます(^^)
とっても嬉しいです~ こんな辺境の地までようこそおいでくださいました!!
駄文と落書きのパンドラボックスの様なサイトですが今後ともよろしくお願いいたします(^^)
野明が可愛いと言っていただけで嬉しいです
頂けるコメントを糧にしてますので続き頑張って書きますね。
墨勇のこと覚えていてくださって嬉しいです~
その辺もちゃんと考えてますので長々続くお話ですがお付き合いくださいますと嬉しいです(^^)
ぜひ またおいでくださいね、感想も心よりおまちしております。
ありがとうございました!

さくら(1/17 21:53の内緒様) 2010年01月18日(月)22時54分 編集・削除

>1月17日 21:53にコメント下さいました内緒様

いや、本当に敵に回したくないですよね、あと後藤さんもだけど(笑)
野明魔性発揮してます?(^m^)
遊馬に甘えまくってますよね~
模擬戦 次回がんばりますよぅ!

それにしてもケロロ!
本当に面白いですよねぇぇぇ
見だすと止まらなくて(こら!)
深夜なんだから自重しないといけないんですがOPが始まっちゃうともう駄目です(笑)
一家に一匹ほしいなぁぁ ガンプラ完璧に組み立ててほしい!

さくら(こんきち様) 2010年01月18日(月)22時56分 編集・削除

>こんきちさま

とうとうシゲさんまで呼びましたよ。
ええ 好きなので、私が(笑)
メンバー美味しいですか?! うれしいなぁ♪
模擬戦がんばりますよ~
少しお待ちくださいませね(^^)

さくら(ツッジー様) 2010年01月18日(月)22時57分 編集・削除

>ツッジーさま

模擬戦です~
がんばりますよっ 私が(笑)
少しお待ちくださいね~♪

さくら(たまき様) 2010年01月18日(月)23時02分 編集・削除

>たまきさま

ええ 本業ですよね!
やっぱりあのオレンジの制服が好きなんですよ、私♪
次回は模擬戦 がんばりますよ~(^^)

プラス 寝相と寝言っ
判っていただけます?!
お嬢さんもたまに何かに怒ってるんですね(^^;
そういう時って本当に 「実は起きてるんじゃないでしょうね?!」って思う位ハッキリ何か言ったりしますよね(^^;
私も長女のお泊まり保育が来年度あるんですがものすごい心配です(^^;

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