今日の東京はものすごく寒いです~
大寒波到来!
晴れているのに気温低いです。
コンビニの廉価版 パトレイバー見つけた時に買おうと思っていたんですが・・・
先日秋葉原で 1,2は買ったものの8日に出ているはずの3(サブタイトルは GAME MAKER)がご近所のコンビニ何処探しても見つからない!
店員に聞いても「本部から勝手に配送されるので何が来るかも判らないし、注文もできないんです」とのこと。
ええ?! そう言うもんなの?!(@_@;)
それじゃ 欲しくても買えないじゃない!
そんな馬鹿馬鹿しい流通が罷り通るのか?!
あ~あ 欲しければまた秋葉原のコンビニに行けってこと?!
でも行って無かったらショックだろうなぁぁ・・・・
う~ん 悩みどころ・・・
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さて不在の第22弾♪
さて今回は 野明と遊馬の会話中心♪
話が進まなくてごめんなさい(^^;
そんな感じですが・・・いいわという方は この先へどうぞ♪
では 以下が本文です
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不在 22
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SIDE-A&N(9)
「何かできることありますか?」
夕方の休憩を挟んで作業を再開したチームスタッフに今日の予定分を完璧にこなした野明が声をかけた。
「いや、大丈夫。ありがとう 泉さん」
「本当にデータきれいに取れてるから作業が楽でいいよ」
「そう言ってもらえると嬉しいなぁ、今日も遅くまでかかるんですか?」
彼らの笑顔に野明は顔をほころばせた。
「そうでもないと思うよ。今日はもうデバックがない分早いかな、数字きれいだし」
「篠原もじき上がれると思うよ?」
「え? あ・・そうですか。だったらいいんだけど」
遊馬の名前があがって野明の頬に仄かに赤みが差すと女の子らしい表情が覗いて可愛らしい。
その顔に軽い嫉妬を覚えて彼らは野明にわからないように遊馬のいる解析室の扉に鋭い一瞥を送った。
女っ気のない職場に女連れで来る御曹司。
彼の仕事振りには一目置いているし人柄もとっつきにくいが慣れてしまえば悪くない。
出自を笠に着ない態度は寧ろ好感が持てるのだが・・・・彼女を独占していることが羨ましくて妬ましい。
それでも彼女自身がそれを望んでいるのだから文句の言いようもない。
僅か5日の間に本人の与り知らない所ですっかりアイドル的立場を確立した野明はそんなことに気づく様子もなく「できることあったらいってくださいね」と言い残して遊馬のいる解析室の扉を潜っていった。
しばし羨望の眼差しを送っていた彼らは「まずは自分の仕事が先」、と自分に言い聞かせて再びデータと向かい合い始めた。
「遊馬」
解析室の戸をあけて中を伺うと眉間に皺を寄せながらモニターを見つめる遊馬の後ろに歩み寄る。
その背後に立ってモニターを覗いてみたものの映し出される 大量の英数字の羅列にしか見えないデータに野明は『お手上げ』というように溜息をついた。
「野明か。どうした?」
「うーん。何かできることないかなぁって」
モニターから眼を離さない遊馬に野明は渋面を作った。
「何か、ねぇ・・・ じゃあ野明、コーヒー欲しい」
「ここは飲食禁止でしょ?二課の電算室じゃないんだからルールは守んないと」
「こんな長い時間飲まず食わずでやってられっか。面倒くさいルールだよな、全く」
チッと舌打ちするとつまらなさそうに両手を頭の後ろで組んでぐっと背中を反らし野明の方を見遣る。
「飲まず食わずって休憩時間はちゃんとあるじゃない。それに、コーヒー溢したりしたらパソコン壊れるからじゃないの?」
苦笑交じりで至極当然なことを口にする野明に「んなこた わかってんの」とぼやく様に言うと遊馬は肩を竦めた。
「まだかかりそう?」
小首を傾げる野明に勢いをつけて体を起こすと椅子ごとくるりと向き直る。
「さぁなぁ・・・そんなにかかんないと思うけど。ちょっと休憩するかぁ」
彼女の頭をぽんと叩いて自販機に向かうとコーヒーを購入してその前に置かれたソファに腰掛ける。
同じようにカフェオレを購入した野明も遊馬の正面に座ると一口飲んでふぅと息を吐いた。
「なぁ 野明、メンテに行ってからこっちお前妙に元気だな」
唐突に切り出された話題に野明は目を瞬いた。
「え?そうかなぁ」
「そうだよ、変に機嫌も良いし。何かあったのか?」
面白くなさそうに言う彼に自分でも『なんかあったっけ?』と首を捻った。
その様子に遊馬はさらに拗ねた顔をする。
「何だよ、向こうの方が楽しいってことか、要するに」
そう言ってそっぽを向いてしまったのを見て野明は彼が何に拗ねているのかがわかって思わずくすりと笑った。
「やだなぁ 遊馬。妬きもち?子供みたいじゃない」
「子供で結構。俺は我が儘ですからね、どうせ。文句があるなら妬かせる様な顔みせんなよ」
「文句って・・・それはないんだけど。なんか優越感だなぁ」
嬉しそうに笑う顔に釣られて思わず綻びかける顔を制して「何が?」とぶっきら棒に問いかける。
「こんな他愛もないことも気にかけてくれちゃうんだなぁって、うん 特権、特権」
「・・・あのなぁ」
思わず頭を抱えた遊馬をみて席を立つと空になった紙コップをゴミ箱にすてて彼の背中をぽんと叩いた。
「ほら もう行こう、休憩時間終わるよ。早く仕上げて帰ろう?」
慌ててコーヒーを飲み干してくるりと踵を返す野明の後を追いかけるように席を立つと小走りで彼女に並ぶ。
「野明?」
声をかけると彼女はピタリと足を止めて彼に向きなおった。
後ろ手を組んで下から覗きこむような仕草で彼の顔を見上げるとにこっと笑った。
囁くような小さな声で「大好き」というとくるりと踵を返して軽い足取りで前を歩く。
突然言われた言葉に動揺して一瞬その場で立ち尽くすとみるみる朱に染まる顔を手で覆い「あの 馬鹿っ」と呟いてゆっくりと彼女のあとを追った。
何だか誤魔化されたような気がしなくなかったが『まあ いいか』と思ってまだ少し残っている仕事を仕上げるべく気合いを入れ直した。
午後9時を回る頃には作業が一段落して浅月の「今日はここまでにしよう」という言葉を合図に皆が一斉に安堵の息を吐くと帰り支度を始めた。
「今日は早かったなぁ」と言い合う面々に野明は「これでも十分残業してるじゃないですか」と突っ込む。
「それでも、日付が変わる前にラボを出るなんて珍しいんだよ」
「そうそう 今日なんて深夜帯にも入ってないしなぁ」
苦笑いする彼らに野明は目を丸くした。
「そうなんですか?民間企業に勤務してるとそういうこと少ないのかと思ってた」
「それはさ 部署によるんじゃない?こういうところは そんなもんだよ」
諦めたような顔で笑う彼らに野明は首を傾げた。
「でも 私 初日しか終電逃すような勤務してないですよ?」
「ここ数日はデータが良いから終電に帰れてただけ。明後日までだっけ?泉さん」
「その予定ですよ」
「篠原も?」
「帰りますよ、当然」
「解析も主力が一人抜けるんだよなぁ・・・」
遊馬が大きく頷くと皆が一様に肩を落とした。
「ほらほら、助っ人に全面的に頼ってんじゃない。明日は模擬戦もあるから今日はゆっくり休んでこいよ」
浅月が解散を命じると各々「おつかれ」と声を掛け合いラボを出た。
遊馬と野明、浅月が同じ方向に歩きだす。
「浅月さん 明日の模擬戦って遊馬はどっちにつくんですか?」
野明の質問に浅月はきょとんとした顔を見せた。
「どっちって・・・まるで敵味方みたいに言うなぁ」
苦笑する彼に野明は澄ました顔で応じた。
「あら そうですよ。やっぱり模擬戦やるからには勝ちたいじゃないですか?」
「う~ん そうか。泉さんは98を溺愛してるんだよなぁ」
「もちろん、一号機は体の一部みたいなものですから」
誇らし気にいう野明に遊馬はくっくと笑う。
「浅月さん 舐めてかかると本気で足元掬われますよ?」
「それは困るなぁ 満を持しての新型機だよ?簡単に98に負けちゃうようじゃ面子にかかわるもんなぁ」
「手加減しましょうか?」
悪戯っぽく笑う野明に浅月は軽く目を見張った。
「また 大きく出たねぇ。一応スペックはゼロの方が高いんだよ。スピードもパワーも98に比べると3割は増してる。ハードから言ったってリーチも長いし装甲だって厚い。その分重量もある。OSに至っては処理速度がかなり上がってるし何より ニューロンを積んでるからね、操縦者の負担が激減してる。こっちは開発から乗ってる専属のテストパイロットが乗る予定だしね」
野明以上に誇らし気に言うと「それでも 手加減いりそうかな?」と二人の顔を覗き込んだ。
「どうでしょう?」
野明は楽しそうに笑うと「でも 勝つつもりで行きますよ?」と宣言して遊馬を見上げた。
「で 遊馬はどっちにつくの?」
「俺は・・・98についてもいいんですか?」
にっと笑うと遊馬は浅月に問いかけた。
「うーん 本当はこっちに居て貰いたいんだけど、篠原は本来98の指揮担当だもんなぁ」
「本業はそっちですからね」
「じゃあ 仕方ないな。98についていいよ。なら明日は敵同士なわけだ」
残念そうに言う浅月に「負けませんから」と遊馬が応じ一号機コンビは顔を見合わせて嬉しそうに頷きあった。
「本当に仲がいいというか・・・まぁコンビ組むならその方がいいのかなぁ」
浅月は苦笑すると「まぁ お手柔らかに頼むよ」と軽く手を振ってその場を離れた。
ゆっくりした歩調で歩きながら野明は遊馬の顔を見上げると「よろしくね」と声を掛けた。
「ん? ああ 任せろって。なんか久しぶりだな、指揮執るの」
「そうだね、遊馬の指揮は久しぶり。ちょっとワクワクするなぁ」
「ばぁか。出動じゃ無いにせよ仕事なんだから締めていくぞ。簡単にやられちゃつまんないからな」
「そうだね、頼りにしてます」
頭の上にぽんと載せられた遊馬の大きな手の感触が心地よくて野明の顔に満面の笑みが浮かんだ。
この時間になると会社のシャトルバスは既にない。大通りに出て路線バスを利用するか20分ほどかけて駅まで歩くか。
野明を伴って出勤していたため自転車を利用していなかった遊馬は少し考えて大通りに出ることに決めた。
工場をでて5分も歩けば駅に続く大通りに出る。
この道沿いに歩けば裏道を通るよりは幾分遠回りになるものの30分弱で駅に着ける。
通りにでて一応路線バスの時間を調べすぐには来ないことを確認すると大通りをゆっくり歩く。
夜になって気温は下がり始めたものの高い湿度はそのままでねっとりと纏わりつくような空気が並んで歩く二人に夏特有の暑さを伝えていた。
駅を経由せずに直接マンションの方に向かう遊馬に野明はおとなしく付いて行く。
「この時間じゃやっぱコンビニ位しか開いてないか、朝食 何か買って帰んないとなぁ」
「うん・・・っていうか私 今日も遊馬の部屋に泊るの?」
素朴な疑問を口にした野明に遊馬はきょとんとした眼を向けた。
「荷物 部屋に置いてきただろ。わざわざ部屋まで取りに行って外に泊る気だったのか?」
「あの・・・だって・・・その・・・」
頬に含羞の色を浮かべて彼の顔を窺う野明に遊馬は呆れた顔を見せた。
「そりゃまぁ どうしても嫌だっていうならそれでもいいけどさ、面倒だろ。どうせあと二泊だしあそこから通えよ」
事も無げに言うと野明の頭をぽんと叩いた。
弾みで頷いてしまうと野明は俯き加減で視線を逸らし仄かに染まった頬を両手で押さえた。
買い物を終えてコンビニを出ると外の暑さが一層際立つ。
「この時間になってもまだ結構暑いね」
野明は溜息交じりにそういうとふぅと大きく息を吐いて額に額に浮かんだ汗を拭った。
「そりゃ夏だしな、それにお前 そんな格好してたら暑いの当たり前だって。見てる方も暑いぞ?」
そういうと薄手とはいえ長袖のシャツを着た野明に一瞥をくれた。
「無理してそんな格好して来なくてもいいのに」
「だって・・・やっぱり半袖焼けって気になるじゃない?」
更衣室で指摘されたそういう小さな事を気にしている自分も女々しいと思わなくもないがそれでも気になるものは気になる。
野明の拗ねた顔を見ると『何か言われてきたんだな』と思い遊馬は小さく笑った。
部屋に入ると荷物を置いて野明を振り返る。
「まぁ そういうの気にすること自体は悪いことじゃないと思うけどさ、そればっかりに目が行って自分のやることが疎かになる様な連中は好きじゃないな。野明が色気付くってのも悪くはないんだけど・・・」
言葉を切って顔を覗き込んできた遊馬に野明は思わず顎を引いた。
「何?」
拗ねた顔のまま僅かに上半身を引いた野明の耳元に遊馬は小さく囁いた。
「それは他の奴に見せたくない」
「はい?」
完全に裏返ってしまった声で野明が訊き返すと遊馬は肩を震わせて笑いを噛み殺した。
「まぁ 色々気にするのもいいけどさ 要は俺の独占欲が強いって事。それに・・・」
更に耳元へ唇を寄せると極小さな声で囁いた。
「なかなか色気はあったけど?少なくとも今のままでも俺は十分満足だな」
言いながら小柄な体を抱きしめた。
「ちょ・・・ちょっと、遊馬?」
顔を真っ赤に染め焦って腕から逃げようとすると首筋に唇が触れるほど近い場所で遊馬が囁いた。
「逃げんなって。一日我慢してたんだから少しくらいいいだろ?少なくとも今はこれ以上の無茶はしないって」
そう言うと野明の首筋に顔を埋めた。
取り敢えず暴れるのを止めて大人しくされるままにしていると遊馬がゆっくりと口を開いた。
「なぁ・・・今日 午前中向こうで何してたんだ?」
彼の拗ねた声音に少し驚いて、その様子に思わずクスリと笑みを漏らすと遊馬が不機嫌そうに抗議した。
「笑うなって。自分でもらしくないなと思ってんだから」
「ごめん、でも拗ねる遊馬なんて珍しくて」
くすくすと笑うと野明は彼の背中をぽんぽんと叩く。
「何もなにも無いんだけど。イングラムのオーバーホールが終わったからセッティングとフィーリングの調整しに行っただけだよ?」
「・・・午前中一杯帰ってこなかったじゃないか。久住さんがああ言ったんだ、それは2時間で終わってただろう、そのあと何してたんだよ? 昼も戻ってこないし」
「そのあとはイングラム起動して少しデータとって。お昼は向こうの食堂で久住さんと食べてって・・・ねぇ、本当にどうかしたの?」
野明が首を傾げると遊馬は不貞腐れたような顔をした。
「どうもしないけどさ、あの人本気で野明を持っていきそうな感じするんだって」
「あの人って 久住さん?」
「そう」
「・・・・遊馬 久住さん女性だよ?」
呆れた顔をした野明に遊馬は渋面を作った。
「んなこた分かってる。そういう意味じゃなくて・・・いろいろあんの」
自分のイラつきをうまく表現できなくて遊馬は大きな溜息をついた。
野明にとって一番の理解者は自分、そう思っていたいのに彼女の存在はその根幹をひっくり返しそうな気がして遊馬は妙な焦りを覚えた。
八王子に来てからあんなに屈託のない野明の顔を見た記憶が殆どなかった。
そのことに久住と話しながら帰ってくるのを見かけるまで気づくこともなかったことに少なからずショックを受けた。
『自分といるときだけは気を張らずにいる』と思っていたのにこのひと月程で彼女本来の笑顔まで記憶から薄らいでいたのかと思うとその衝撃は大きかった。
今 ここに二人でいても彼女はどこか自分を気遣う雰囲気を纏っている。
それに今まで気づかなかったのが悔しかった。
今だって不安そうにしているわけではないし、笑ってもいる。
機嫌が悪いわけでもない。
それでも『何かが違う』。
二課では当たり前のように見れていた曇りのない笑顔がここにきて自分の前ですら出なくなっていることに今更ながらに気づいた。
昨晩手に入れた筈の彼女は本当に後悔していないのか、訊いてみたいがこれは決して訊けないことだった。
流されたり、同情したりで身を任せたりはしないと思っていても、ひょっとすると自分でも気づかないうちに野明の逃げ道を塞いでしまっていたのではないかと不安になった。
かといって彼女を手放すことは出来よう筈もなく まるで親に縋る小さな子供のように野明を離すまいとして彼女に回した腕に力を込めた。
黙り込んで何か考えている彼の様子に野明は少し戸惑って力が加わった腕の中でそっと目を閉じた。
「遊馬、そんなに力入れたら痛いよ?」
静かに声をかけると「ああ」と返事が返ったものの腕は緩む様子がなかった。
少し間を置くと野明は彼の背中にそっと手をまわして身を預けた。
「私 遊馬を不安にしてる?」
困ったような声に遊馬は小さく首を振った。
「いや、多分それは俺の方。・・・気を遣わせてるな」
「そんなことないけど。そんな風に見えてる?」
「適当な表現が出ないんだけどな」
「・・・そっか・・・」
言いながら踵を上げると彼の頬に軽く口づけた。
「私は遊馬が一番好きだよ」
彼を抱きしめるように背中に回した腕に少し力を入れる。
「だからやっぱり 心配だし気にもなるし・・・不安にだってなる。遊馬は遊馬なんだけど やっぱり『御曹司』でもあってそういう一面は私の知らない部分だし。『二課に居る遊馬』はよく知ってるつもりでもそれ以外のことって実は何も知らないんだよね」
黙って野明の声に耳を傾ける遊馬に彼女は小さくため息をついた。
「八王子工場の中はそういう私の知らない遊馬にものすごく注目が集まってて、それに慣れたようにしてる遊馬がちょっと寂しかった」
「・・・・寂しい?」
あれだけ四六時中そばにいてそれでも寂しいという野明に遊馬は首をかしげた。
「うん。なんか遠くの人みたいだなって。だから・・・」
少し言いにくそうに頬を染めて目をそらすと野明は小さな声で続けた。
「だから・・・昨日 抱いてもらっても何時か私の傍からいなくなっちゃうのかなって・・・」
俯き掠れる声で言う野明に思わずため息が出た。
「・・・馬鹿だなぁ それは無いって昨日も言っただろう?」
「うん。でもね、やっぱりここに居ると『御曹司』って扱いで見る人が多いでしょ。妬きもちやかれるのはね、もういいんだけど。『不釣り合い』とか『今だけの火遊び』とか言われるとへこむじゃない?」
「不釣り合いって・・・なんだそりゃ?」
「要するに 御曹司なんだから然るべき人と結婚する筈だってことでしょ?昨日も言ったじゃない」
「・・・・まだ 気にしてたのか? それ」
「そうは言うけどね、そんなに簡単にサクッと切り捨てられるほど私は切り替えが上手じゃないの。言われたら気にはなるし、やきもちだって・・・妬くわよ」
自分の腕の中で拗ねる野明に遊馬は思わず吹きだした。
「それは 有難いことなんだろうなぁ。でもこの状況で誰に妬くんだ?」
「そんなのお互いさまでしょう?」
「まあ・・・そうだな」
「遊馬は何が不安だったの?」
不思議そうに問う野明に彼はバツが悪そうに天井を見上げた。
「・・・笑顔」
「え?」
「だからさ ここ暫くあんな屈託のない顔で笑う野明を見たことなかったんだよ。だから悔しかった」
「・・・・なんか違った?」
野明はきょとんとした顔で首を傾げた。
「違った。でも二課にいるときは確かにあんな顔で笑ってたんだよ。悔しいだろ、俺じゃその顔出せなかったの 指摘されたみたいでさ」
困った顔をする野明に遊馬は不満気な口調で答えた。
「指摘って・・・誰に?」
「久住さんだよ。まったくあの人のああいうとこ苦手なんだよ」
「私は好きなんだけどなぁ・・・・」
「・・・それも気に入らない」
野明は呆れた顔をして「嫉妬深いなぁ」と呟くと小さく肩をすくめた。
「じゃ 言い訳しとこうかなぁ・・・メンテに行ってきて機嫌よかったのはたぶん正解。でもそれはね、単純に好きとか嫌いって話じゃなくて、向こうではみんな顔なじみだから誰も遊馬を『御曹司』って揶揄しないし 私を興味本位でからかう人もいないでしょ。作業棟しかないから食堂にも事務の女の子来ないし。それに久住さんに愚痴も聞いてもらえてすっきりしたの。序に彼女の元気も貰ってきた、そんな感じなんだけど まだ不満?」
「・・・その役回りが俺にできなかったのが悔しいの。二課では俺ができたことだろ、それ」
遊馬が嘆息を漏らすと野明は困った様に笑った。
「う~ん 今回は久住さんでなくちゃダメだったかな。女同士のいざこざだもん。でも 気にしてくれてありがとう、遊馬も明日は98につくんだから久住さんのところに一緒にいくでしょ?がんばろうね」
「はいはい。嬉しいんだけど 複雑だな・・・本当にお前取られちゃったんじゃないのか、俺」
溜息をつく遊馬に野明はくすくすと笑うと下から顔を覗き込んだ。
「そんなこと無いって。遊馬はやっぱり特別だもの」
そう言われて遊馬は苦笑しながら軽く息を吐くと野明の頬に手を添えて軽く持ち上げた。
「そういうことにしとくか」
返事の代わりに目を閉じた野明の唇をゆっくり塞ぐと彼女の体が緊張で強張るのがわかって可笑しかった。
野明の腕が自分の首に絡むと一度唇を離し互いに笑みを向け、遊馬は彼女の後ろ頭に手を添えるようにしてより深いくちづけを交わした。
go to next....
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追記
遊馬 誰にでもやきもちです(笑)
余裕がないですね~
というか 手を出したことで却って余裕がなくなった?(^^;
さて次回は模擬戦まで・・・いけるかなぁ・・・・(気弱・・・)
ではでは 続きはのんびりおまちくださいね~(^^)
こんきち 2010年01月14日(木)22時33分 編集・削除
こちらで吹雪を降らせた寒波はそちらに行ったのですね~
現実世界は寒いけど、今回の2人は熱いなぁ。
恋愛は男が犬で女はネコって喩えられるのですが、どう頑張っても遊馬のほうがネコっぽい性格をしてると思うのです。
さて外が寒いそんな時は、屋根裏に来てくださー・・・すいません、調子乗りました。
でも、作品UPしたのでよかったら見に来てください。