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似るもの 似ないもの

車で九州に旅立つことになって慌てて作成している置き土産のうちの一つです。
更新情報が上げられない可能性ありありですが(携帯からFTPってできないので★)
できる限り更新しようと置いてでてます~

暇な方いらしたらぜひお楽しみくださいませ♪

今回は「二課の年の瀬」でございます~

続き

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似るもの 似ないもの
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12月に入りこれと言って変化のない生活を送っている第二小隊の面々でも何とは無しに気忙しさを感じる季節になった。
出動の頻度は 世間の忙しさを反映してか年の瀬に向けて日に日に増えていく傾向にあって本来非番である日に準待機が申し渡されたり 準待機だったはずが勤務レベルの変更で待機または出動要請へと変わることは日常茶飯事になっていた。
今日とてそれは変わらず本来は準待機であったはずの第二小隊の面々は 待機任務を申し渡された。
目下 出動中の第一小隊に代わって埋立地のお留守番を仰せつかり取り敢えずみんな揃って宿直室で見るともなしにTVを見ていた。
四畳半に炬燵が一つ。
そこに大小含めた6人もの人間がいて狭くないわけがない。
炬燵に全員が入ることはできないので体の大きなひろみと普段から炬燵を利用しないという熊耳が部屋の隅の空間に座り、ごろごろと炬燵に入って寛ぎまくる4人の世話を焼く。
ごろんと横になったままの遊馬が天板に頬杖を突きつつTVを眺めていた野明に向かって首だけを向け手を伸ばした。
「野明 お茶くれ」
「ん。熱いよ、気をつけてね」
「サンキュ」
湯呑を手渡すと遊馬は器用に手首を返してそれを口元に運び小さく「あちっ」と言いながらお茶を啜った。
その様子を何となく眺めて野明はぼそりと呟いた。
「なんか休みの日のお父さんみたいだね 遊馬」
「あ? なんだよ、それ」
肩越しに首だけを野明の方に向けて遊馬は軽く眉を上げた。
「う~ん・・・何って言われても そんな感じだなって思っただけで・・・なんていうかさ、若さが感じられないっていうの?」
「失礼な奴だな、じゃあ聞くけど今この部屋の中で元気溌剌とした態度で若さのオーラ出してるやつがいるか考えてみろよ?ここはね そういう空間なの」
「・・・聞き捨てならんぞ、篠原」
遊馬の発言にそれまで黙ってTVを見てた太田が噛みついた。
彼もまたこの状況を甘んじて受けることができないタイプの人間だったので突っかかる糸口を見つけ逆に嬉しそうな様子が見えるほどだった。
「なんだよ 太田。野明と話してんだから一々 突っかかるなよ」
面倒くさそうに首を振り太田に向って鬱陶さを露わにしてヒラヒラと手を振るとその動作が癇に障ったのかますます遊馬に食ってかかった。
「貴様ががふざけたことを抜かすからだ、馬鹿者めが!大体 お前は待機任務を何だと思って・・・」
「そう言いながら あんただって一緒にごろごろしてるだろうが。文句があるならまず炬燵から出て言えよ」
面倒臭そうに言うと遊馬は勢いをつけて半身を起す。
空になった湯呑を差し出して野明に手渡すと「ありがとさん」と言って軽く頭を撫でた。
「どういたしまして」と笑顔で答えて湯呑を受け取ると野明はさっと立ち上がった。
怪訝な顔で見る遊馬に「洗ってくるね」というと身軽に踵を返す。
部屋を出る野明を先ほどの彼女よろしく天板に頬杖をついて見送ると 背後から忍び笑いが小さく聞こえた。
「何? ひろみちゃん」
首だけ振り返ると大きな体を小さく縮めひろみが笑いを噛み殺していた。
「いえ なんでもないんです」
「何だよ、気持ち悪いなぁ」
遊馬が軽く顔を顰めると同じように笑いを堪えた進士と微妙な笑みを浮かべた熊耳もまた軽く肩を竦めた。
なんとなく居心地が悪くなった遊馬はぽりぽりと頬を掻き「ちょっと見てきます」と徐に立ち上がった。
「いってらっしゃい」という進士の声に遊馬は軽く手を上げて答えると部屋を出て行った。
『どこに 誰を』が完全に抜け落ちていた発言。
それでも誰も敢えてその先を問うことはなかった。
一号機コンビが姿を消した宿直室で太田を除く全員が意見の一致を見て含み笑いを交わす。
「似るんですかね、コンビ組んでると?」
「どうでしょう?でも本当は僕も一号機の担当なんですけどねぇ」
「それはお互い様ですよ、僕だって紛いなりにも二号機担当なんですから」
「あら うちは似てないわよ?」
「確かに熊耳さんとは違いますよね・・・太田さんはどっちかというと・・・・」
『香貫花に似ている』と言いかけて進士の口が止まりツツっと冷や汗が流れた。
熊耳と香貫花の反りが合わないのは周知の事実。
表情を強張らせる進士と苦笑いするひろみの言わんとしたことを察した熊耳がほんの一瞬穏やかならざる目を見せるといっそ柔和と言って良いほどの微笑みをたたえて仕事上のパートナーを呼ばわった。
「太田君、ちょっといいかしら?」
その笑顔にピキッと固まってカクカクと音がしそうな動作で振り返った太田は完全に裏返った声で「な なんでありますかぁ?!」と冷や汗を流しながらも反射的に返事をした。
「待機中なんだし ここでこうしてても意味はないわ、電算室に行くわよ。2号機の稼働データをチェックしましょう、少しは効率よく動かしてもらわないと私も指揮を執る側として・・・」
無駄のない所作で立ち上がり部屋のドアに向かいながら冷たいと思える口調で話す彼女の背中を3人は顔に笑顔を張り付け眺め、諦めた様子で太田がのそりと腰を上げた。
世にも情けない顔をして熊耳の後を追いながら部屋に残るキャリアコンビに恨みがましい視線を向ける。
失言を発した二人はひきつった笑顔のまま太田に向ってヒラヒラと手を振って健闘を祈った。
パタンと音がして扉が閉まると残された二人が顔を見合わせる。
「・・・大した接点もないはずなのにどうしてああも反りがあわないんでしょう?」
「人間だれしも本能的に合わない相手ってのはいるもんですからね、ましてあの二人実は結構似てたりするでしょう? そう言うのは特に・・・」
炬燵に頬杖を突きながら進士が手招くとひろみが炬燵ににじり寄る。
漸く炬燵の恩恵にあずかると手ずから茶を入れ湯呑を差し出した。
向かい合ってゆっくりと茶を啜りながら何とはなしにTVに視線を移すとどちらからともなく溜息が洩れた。
「まぁ 生真面目なところは・・・3人ともよく似てますよ、杓子定規なとこなんてもうそっくりですしねぇ」
「なんにせよ 僕たちは傍観者ですけどね」
そう言うとまた茶を啜る。
今年もまたこの数年来変わらない年の瀬になりそうだとキャリアコンビは顔を見合わせ深々と頷き合うと茶菓子に手を伸ばした。

END

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置き土産です~

年の瀬ネタ(笑)
太田さんは 熊耳さんではなくて香貫花によく似ていると思ってるのは何を隠そうこの私です(^m^)
「あんたの勝ち!」とか見てると 本当そっくりなんですよね~

「VS」見ると香貫花とお武さんも本質はよく似てるけど毛色が違うというか・・・
その微妙な感じがいまいち反りが合わない原因なんでしょうけどね~(笑)

ではみなさま よいお年を~!! 

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追記

本日 すごく天気が良くないです~
先行してUPしておいたこの分だけ先にあげておきますね
コメント等のすごく励まされています(号泣)
お返事は時間見てお返ししますのでしばしお待ちを~!!

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