さて不在の第9弾
いよいよ遊馬と野明が工場で会いますよ~
諸般の事情で絵が描けないので今日は文字をUPです♪
週末はもしかするとこうしんできないかも・・・(T∇T) ウウウ
出来るように頑張りたいです・・・
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不在 9
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AT LABO-(1)
墨勇に呼び出されてニ課棟で野明に会ってからのこの二日間、あまりの殺人的な忙しさに遊馬はマンションに帰ることはおろか満足に睡眠も取れてはいなかった。
夜が明け始めるような時間から僅かに1、2時間仮眠をとり眠気覚ましをかねてシャワー室で湯を浴びまたラボに戻る生活。
作業着というものが存在することを心底ありがたいと思いつつ、中のシャツと下着だけは夜食の買出しついでにコンビニで調達してきた。
そして金曜日の朝、遊馬はまた始業時間前からラボに篭もってデータの解析を続ける。
これだけ解析に時間が掛かる理由は明白だった。
データの精度が悪すぎるのだ。
突出した不確定数値を外してデータを均しても理想値には程遠く、そこに近いもの意外をすべて外すと実際の動作との誤差が大きくなりすぎてデータとしての意味を成さない。
大きく溜息をついた遊馬はいっそ自分が乗った方がいいのではないかとさえ思う。
此処に来てから何度かそういう状況になって 実際に自分で動かしてデータを収集したこともある。
しかしそれでは作業の効率が悪くパイロットと分析を同一人物が行うことは避けたい事態だ。
かといって遊馬がパイロットに専念すると指示出しと分析を交代する適任者がいない。
それ程に遊馬の仕事ぶりはこの場において重要な位置を占めるようになっていた。
「篠原、また泊まったのか?」
溜息と共に大きく伸びをする遊馬の後ろから ラボの責任者である浅月が声を掛けた。
遊馬は肩越しに振り返ると苦笑した。
「おはようございます、主任 早いですね」
「先にいる人間に言われるものどうかと思うけどな、ちゃんと家帰ってるか?」
軽く肩を竦める遊馬に浅月は ほぅっと大きく息を吐くと苦笑交じりの顔を向けた。
「あんまり根を詰めると体調崩すぞ。程ほどにしておけよ? 今おまえに倒れられる方が打撃が大きいんだからさ」
遊馬は曖昧に笑って見せる。
「それは評価いただけていると思っていいんですかね?」
「それはもう。少なくとも此処の人間は『篠原遊馬』を評価してるさ。『御曹司』としてではなく技術者としてね」
好意的な態度でそう告げられた遊馬は驚いたように眼を丸くした。
その様子に浅月は呆れた顔をした。
口元に手を宛てて考え込む遊馬の頭にぽんと手を置く。
「気づいてたか?最近 皆お前を『御曹司』って呼ばなくなっただろ?」
「・・・あ・・・」
遊馬は思わず浅月の顔を振り仰いだ。
「お前が早朝から深夜まで黙々と仕事していることも、その精度が恐ろしく高いこともちゃんと皆 わかってるよ。それよりも 皆心配してるぞ。そこまで根を詰めてるとそのうち倒れるんじゃないかってさ」
遊馬は思わず紅潮した顔を浅月から逸らして目線を宙に向けた。
「あ・・・えと・・・有難うございます」
それだけ言うと上目遣いに浅月を見遣る。
ちゃんと自分を評価してもらえたことが素直に嬉しかった。
「いただけた信頼裏切らないようにがんばりますよ」
「心意気は嬉しいがまず体調第一にな。倒れられると困るからさ」
「自重します」
遊馬が頷くと浅月は「じゃ 今日もがんばるか」と声を掛け遊馬の背中をポンと叩いた。
暫くするとラボに次々と人が入ってきて活気が出てくる。
入ってくる人間が端末に向って黙々と作業している遊馬に声を掛けていく。
「よう 篠原早いな」
「今日も徹夜したのか?」
「程ほどにしとけよ」
掛かる声に返事を返しながら遊馬は何時の間にかあの険悪な雰囲気が無くなっていたことに今更ながらに気づいて『余程 周りが見えてなかったんだな、俺は』と思わず苦笑した。
どう弄りなおしても上手くいかないここ2,3日のデータに遊馬は思わず溜息をついて端末から手を離した。
ふと思い出して携帯電話を手に取ると着信があったことを知らせるランプが点滅していた。
内容を確認して遊馬は思わず頭を押さえた。
野明から深夜の着信。
またとり損ねた電話に軽い自責の念を覚え少し考えてメールを打つと携帯をポケットにいれた。
返信が帰らぬまま始業時間になり遊馬は軽く溜息をついた。
このところ野明ともすれ違ってばかりで 話したのは一昨日の深夜だけだ。
しかもほんの数十分。
今はもう二課も勤務時間に入ったはずだから野明からの返事はあるとしても午後だなと踏んで遊馬は一度席を立った。
このままでは埒が明かないので この2,3日のデータの取り直しを要請して場合によっては自分が直接操作してしまいたい。
主任である浅月の姿を求めて立ち上がったとき、ラボの扉が開き 浅月と実山、そして後藤が室内に入ってきた。
そしてその一番後ろに小柄な赤味の強いショートカットが見え隠れしているのに気づいて遊馬は思わず動きを止めた。
「野明・・?」
思わず口から零れる彼女の名前。
大きくは無かったはずのその声に弾かれるように後藤の後ろからひょっこりと顔を出したのは紛れも無く野明だった。
「えっと 遊馬、おはよう・・・」
小さな声で挨拶をし上目遣いで遊馬の様子を伺う野明に、思わず声を掛けた。
「なんでお前がここにいるんだ?」
遊馬の至極当然なその質問に浅月が答えた。
「今日から暫くテストパイロットとして来て貰ったんだ。これで少しは篠原の負担も軽くなるだろう?」
「そりゃ・・・まぁ・・・そうですね」
複雑な顔をする遊馬に二人の微妙な関係を知らない浅月が怪訝な顔をし、後藤は含むところがありそうな顔で遊馬の顔を見遣った。
「ま いろいろあるんだろうけど、パートナーなんだからさ。面倒見てやって頂戴よ 篠原」
『いろいろ』の意味を野明と遊馬はそれぞれ違うことで勘ぐりながら後藤を恨めしい眼で見て溜息をついた。
「あの・・・遊馬。宜しくお願いします」
諦めたような顔をちらりと後藤に向けたあとで、陰から顔を覗かせて小さく声を掛ける野明にむかい「わかったから 出てこいよ」と手招きした。
朝のミーティングで皆に野明が紹介され テストパイロットとして来週半ばまで勤務することが告げられた。
やってきたのが小柄で可愛らしい女性であったことからラボに複雑な雰囲気が流れるのを感じて遊馬はやれやれと頭を掻いた。
仕事が進みそうな代わりに余計な心配事が増える気がして野明を見る目に憂いがうまれた。
挨拶が済んで実山と後藤がラボから姿を消すと その場に残された野明は所在無げに佇んでいた。
端末に戻ろうとしていた遊馬が気づいて「野明、こっちこいよ」と声を掛けると安心した様な顔で遊馬のそばに駆け寄った。
隣に椅子を一つ引っぱってくると野明に座るように勧め、端末に今日やる試験のためのデータを呼び出して入念にチェックをかける。
「昨夜の電話はこのことか?」
端末から眼を離さない遊馬の横顔を見ながら野明はコクリと頷く。
「昨日 急に聞いたから。でも 本当にすごく忙しいんだね。」
「ここ数日は特にな。精度が出ない試験があってやりなおすことになると思う。お前来なかったら俺が自分で乗ろうかと思ってた。」
そう言って試験仕様書の束を野明に手渡す。
「遊馬が?」
驚いて眼を丸くする野明に「変か?」と聞くと野明は少し考える。
「ううん。遊馬ならなんでも出来ちゃうんだろうなっておもうけど・・」
「けど?」
「両方するんじゃ遊馬大変じゃない?」
心配そうに顔を覗き込んだ野明に遊馬は呆れた顔をした。
「だからお前が呼ばれたんだろう?しっかり頼むぜ」
「うん 指揮遊馬がしてくれるの?」
「どうかな、最初は慣れるまで俺がやると思うけど。そのあとは状況次第じゃないか?」
「そっか」
試験内容に眼を通しながら返事をする野明に遊馬は目線を向けた。
「不安か?」
顔を上げると遊馬が真面目な顔で訊いていた。
野明は真摯な顔で頷く。
「うん。こういうの初めてだから 正直不安」
「そりゃそうか、試験に臨機応変とかその場の判断って絶対に無いからな。指示のとおりに忠実にっていうのは出動のときとはちがうよな。ま 太田にゃ無理だな」
緊張を解こうとしてくれる遊馬の気遣いがわかって野明は少し安心した。
「私にできるとおもう?」
「できるさ 当然だろ、俺がついてるし、しっかり頼むぜ。相棒」
野明の髪をくしゃりと撫でると遊馬はデータの入ったディスクを片手に野明を促して立ち上がった。
管制室に向かいコンソールの前に立つとプログラムのチェックを始める。
同時に野明に試験仕様書にある手順について説明をしていると浅月が管制室に入ってきた。
深々と頭を下げる野明を笑顔で制し遊馬に向き直る。
「篠原、とりあえず今日一日 泉さんをよろしく。彼女も知った顔の方が安心だろうしね」
「了解しました。試験何時から始めます?」
「早いに越したことはないんだけど。すぐ始められるのか?」
試しに訊いてみる。
遊馬は野明の顔をみて「行けるな?」と声をかけると彼女は「勿論」と仕様書を閉じて遊馬に手渡した。
「いつでもどうぞ」
その顔に遊馬はにっと笑い浅月に「だそうですよ」と自信有りげな顔を見せた。
初めて乗るシュミレータ、その基本操作のレクチャーを遊馬から受ける。
大まかに理解できたところで 遊馬は野明に「あとはやって覚えろ!」とコクピットの扉を閉めた。
20分ほど遊馬の指示を聞いて基本動作を行う『慣らし』に時間を貰い軽く動作をこなす。
「野明 どうだ、いけそうか?」
「うん アルフォンスより少し動作が軽いけど大丈夫、いけそうだよ」
「よっしゃ、試験のモードに切り替えるから一度降りて来い」
「了解」
管制室に戻ってきた野明に今の動作の指示と野明の行った動作の誤差について説明をして操作の改善を指示する。
自分の出した指示となれない機体で僅かに反応速度が落ちるシュミレータの動作、その差異を遊馬は頭に叩き込んだ。
設定変更がおわり野明が再びシュミレータに乗り込んだ。
そして遊馬は最初の試験の指揮を執り始めた。
go to next....
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追記
さて試験開始ですよ~ん
お仕事お仕事♪
ではでは 続きはのんびりおまちくださいね~(^^)
ツッジー 2009年09月11日(金)12時49分 編集・削除
おーーーー再会(≧∇≦)
まるで、TVシリーズの1話の終わりのようだ(≧∇≦)
いよいよ再会した2人(≧∇≦)
この後が楽しみ(≧∇≦)
野明のことだからちゃっちゃっちゃっと
仕事片付けていくのかなぁー(≧∇≦)
遊馬の睡眠のために(≧∇≦)
頑張れー!!!