今日はバレンタインですねー
全国的にチョコが飛び交う一日です(笑)
いつぞやのバブル期のように義理チョコが豪勢に回ることは少なくなったらしい、とテレビで言ってましたがそれでも働いている方は感謝もこめて渡される、という人も多いですよね!
渡す人 渡さない人、貰う人 貰わない人様々でしょうけど今日一日はちょっとしたお祭りですね☆
日本人ってつくづく こういうお祭り好きだなぁっ♪
私も祭りは大好きですが!
当家の下の子も昨日誕生日でお友達からチョコレート貰ってました
本人大喜びでしたが 将来的にずっとチョコが誕生日プレゼントになってしかもひと月後にお返し提供しないといけない可能性があることをまだ彼は知りません(笑)
行事と誕生日が近いっていいのか悪いかわかりませんねー(^m^)
さて 時期なので短いの一本上げてみます♪
お時間があればぜひ お付き合いくださいませ~(^^)
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バレンタイン2012
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バレンタイン。
お菓子メーカーの陰謀としか思えないこのイベントに浮かれ踊る街と人。
ショッピングモールやデパートに大々的に設けられた特設コーナーに所狭しと趣向を凝らした商品が並ぶ。
当日ともなればそんなに需要が無いのかと思いきや昼休みと時間が重なったこともあり平日の昼間にもかかわらずそこそこの賑わいをみせるチョコ売り場に遊馬は呆れたような眼を向けた。
「バレンタインなんてお菓子屋の陰謀によくもまぁこんなに人が集まるもんだよな」
「そんなこと言わないの。遊馬だって貰ったことくらいあるでしょ」
「倍返し期待してます、って下心見え見えの義理チョコか?」
「そんなこと言って。貰ったこと無いの?本命チョコ」
「んなもん区別がつくかよ。『本命です』って明記してある訳でもあるまいし」
「書いてあればいい訳?」
「あからさまに文字で書かれても有難味に欠けるけどね」
「・・・じゃ どうして欲しい訳よ?」
「別にどうも。ただ毎年ご苦労な事だなと」
『興味なし』という顔で頭の後ろで両掌を組んだ遊馬に野明は呆れたように溜息をついた。
「ご苦労って・・・こういう行事って普段言えない事を伝えるきっかけにはいいんじゃない?」
「『普段言えないこと』ねぇ・・・大体こんな当日に慌てて用意するようなもんに本命はねぇだろ」
そう言うと遊馬は比較的安価なパロディ商品や変わり種のチョコが並んだ棚に半眼を向ける。
同じ商品を大量に籠に投げ込むOLらしき女性の姿に『くっだらねぇ』とでも言いたげな視線を投げる遊馬に野明は小さく肩を竦め彼の腕を引っ張りその場を離れた。
一息入れようとフードコートに向かった野明はドリンクを買いに彼の傍を離れる。
待っている間なんとなく手持無沙汰になった遊馬が携帯を弄っていると不意に手元へ影が差した。
「・・・篠原・・・くん?」
聞きなれない声で名前を呼ばれ顔を上げると髪の長いすらりとした女性が少し驚いた顔で立っていた。
すぐに相手の名前が出てこず彼が顔を顰めると彼女は苦笑を浮かべて肩を竦める。
「覚えて、ない?三鷹の研修校で一緒だった佐竹みゆき」
名乗られて記憶の引き出しを引っ繰り返し漸く彼女を思い出すと遊馬は「ああ!」と目を瞠った。
「佐竹って・・・あー 少年課かなんか希望してた・・・髪 伸ばしたのか 印象変わったなぁ」
「結構伸びたでしょ あれから二年経つからね。それにしても薄情だなぁ こっちはすぐ分かったのに」
「すいませんね、人の顔覚えるのあんまり得意じゃないもんで」
「警察官としてそれは問題だよ?」
「余計なお世話。それが業務絡みなら幾らか真面目に覚えるよ」
不貞腐れた顔を見せるみゆきに遊馬は軽く肩を竦めその仕草に彼女は小さく首を傾げる。
「ちょっと雰囲気変わったね 篠原君」
「そっか?」
「うん。何ていうかすこし丸くなった・・・?」
「何だ そりゃ」
遊馬が苦笑いを見せるとみゆきは少し考え込む。
「何だろうね・・・人当たりが良くなったというか目つきが穏やかになったというか」
「・・・それ 褒めてんのか貶してんのかどっちだ?」
「どっちでもないと思うけど。少なくとも私は以前よりいいと思うよ」
へへっと照れたように笑う彼女に遊馬は軽く目を瞬く。
「そいつはどうも。ところで佐竹はこんな時間に私服でフラフラしてていいのか?」
「フラフラとは失礼ね、昼休みよ。それに一応お使いも兼ねてるんだから」
「お使い?」
「そ 下っ端だからね」
特設のチョコ売り場を見遣る彼女に「成程ね」と肩を竦めた遊馬が「ご苦労なこって」と呟くとみゆきはチラリと彼の顔を窺った。
「・・・ね、序だから篠原君にも買ったげようか?」
「買うって・・・チョコをか?」
「そ。甘いの苦手だったよね 売り場近いしちょっといいの探してさ」
楽しげに笑う彼女に遊馬は困ったような笑みを向け「折角だけど」と目線をみゆきの背後に向けた。
「アテはあるからさ」
苦笑交じりの視線を追ってみゆきが後ろを振り返ると少し離れた場所で紙コップを両手に持った女性が足を止めている。
二人の視線を受け少し驚いた顔した彼女は戸惑った表情を浮かべ慌てて目線を下に逸らした。
その様子に笑いを噛み殺した遊馬が「おっせぇぞ」と言いながら手を拱くと顔を上げた女性は遠慮がちにみゆきを見遣りぺこりと頭を下げた。
慌てて会釈を返したみゆきはちらりと遊馬を振り返る。
彼女に向けられた柔らかい視線にチクリと胸の奥が痛んだ。
美人というよりは可愛らしい、どちらかと言えばボーイッシュな雰囲気の女性。
「・・・彼女?」
「残念ながらそれ未満」
しれっと答えた彼の横顔を見詰め彼女は僅かに瞳を曇らせる。
「あら意外。篠原君って髪の長い知的美人が好きなんだと思ってた」
「見てる分にはね。付き合うならそう言うのとは根本的に合わねぇよ」
「ふぅん・・・」
伸ばした髪を指に絡めみゆきは大仰に肩を竦め軽い溜息を吐いた。
「じゃ お邪魔虫は馬に蹴られないうちに退散しよっかな、お使いもあるしね」
ゆっくり歩き出したみゆきに遊馬が「おう」と軽く手を振ると彼女は微苦笑を浮かべる。
その顔がどこか寂しげに見え遊馬は少し考えてから「仕事がんばれよ」と声を掛け小さく頷いた彼女を見送った。
入れ違いに傍に歩み寄ってきた野明は遊馬に飲み物を手渡しながら彼とみゆき双方に視線を送り複雑な顔をする。
「・・・・いいの?」
「何が?」
「何がって・・・」
複雑な顔でみゆきの背中を見遣る彼女に遊馬は苦笑いを向ける。
「お前が気にする必要はねぇよ・・・って言うか 気になるか?」
「そんなんじゃないけど。話の腰 折っちゃったかなって」
「気にしてんじゃん、いいからさっさと座れよ」
促され向かいに座った野明は落ち着かない様子で彼の顔を窺い小さな声で問いかけた。
「・・・友達?」
「佐竹か?三鷹の研修校で一緒だったんだ。チョコの買い出しだってよ」
「そう・・・遊馬は貰わなかったの?」
「買い出し序に買ってこようか、とは言ってた」
さらりと答える遊馬を前に「・・・そう」と呟き難しい顔でストローに口をつける野明の仕草に彼の顔が思わず綻ぶ。
「拗ねるな、ちゃんと断った」
「・・・!別に拗ねてなんかっ・・・でも どうして?」
「さぁな。その代わりお前が寄越せよ」
「・・・ええっ?」
思わず野明の声が裏返ると彼はニヤニヤと楽しげに笑う。
「『アテがある』って言っちまったしな 今週は準待機で出勤もしない。となればお武さんからの義理チョコも期待できないしさ そうなると身近な女性ってお前だけだろ」
「・・・義理は要らないんじゃなかったの?」
「だからさ 気持ちこめて探せよ」
「・・・気持ちって・・・もうっ なんで貰う側がそんなに上から目線なのよ」
「お前が弱み見せるような顔すっからだろ。それより飲み終わったら専門店街行くぞ、安物は却下だからな」
「ええーっ 専門店街って・・・っ 贅沢者ー!予算には限りがあるんだからねっ」
「今年は整備班に義理配んなくていい分余裕あんだろ」
「まったく 人の足元見て。その分キッチリお返しして貰うからねっ」
空になった紙コップをゴミ箱に投げ入れ連れ立って歩き出す。
催事場の脇を通り過ぎる男女の愉しげな話声に安手のチョコをぽんぽんと籠に投げ込んでいたみゆきはふと顔を上げた。
屈託の無い笑顔でくしゃくしゃと小柄な女性の頭を掻き回す遊馬の姿が目に入りチクンと小さく胸が痛む。
手元の籠に目を落とした彼女は「私もレイバー隊に希望出せばよかったかなぁ」と呟くと何とも言えない気分でふぅっと長い息を吐いた。
fin
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追記
タイトル思いつかなくてそのまんまです(^_^;)
オリキャラを置いてその目線で終わちゃいましたが遊馬さんにはほかの人からのチョコ断ってほしいなぁという願望からこんなことにw
でも頑張る女の子は基本 応援してるんですよ?(笑)
非公開 2012年02月14日(火)14時43分 編集・削除
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