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君に贈る 7

さて今日はとっても寒い日でした
朝から車のフロントもボンネットも凍ってるし。
それにしても東京 ここ最近ちっともまとまった雨が降らないので空気はカラッカラです
これだけ寒くても霜柱もできないし 公園も少し歩くだけで砂埃。
空気は乾燥していても気温は低いので洗濯物もあまり乾きません。
予報では週末に雪、ということになっていますがはたしてどうなりますか・・・

さて連載のお話。
さてちまちま更新続行中でございます~
また少しだけ更新しましたのでお時間あればお付き合いくださいませ(^^)

続き
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君に贈る 7
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いつもの様に10分程遅れて待ち合わせ場所に着き何食わぬ顔で野明と合流する。
映画の後 昼を軽くすませてショッピングモールを巡り頃合いを見てレストランへ入った。
鞄の中の品物をいつ渡すべきか考えあぐねていると程良く酔った野明が「人生の二割一緒に居る」と笑い 少し考えた遊馬は『記念品』の名目で彼女に袋を差し出した。
もっと喜ぶかと思っていたのに戸惑った顔のまま一向に袋へ手を伸ばさない野明を見て遊馬は拍子抜けした気分になった。
とはいえ出してしまった以上 ひっこめる訳にもいかず。
「誕生日だからな」と言葉を添えたもののやはり彼女は「食事だけで十分」と受け取りを躊躇する。
今更引っ込みもつかず彼は黙ってテーブルに袋を置くと聊か面白くない気分でそっぽを向いた。
あれほど悩んだ挙句朝から動き回った自分が馬鹿みたいに思え空回りした気合の分だけばつの悪さを感じた彼はため息交じりに肩を落とす。
暫くして自分と袋を眺め遣り野明が困惑した顔をしているのに気がつくと遊馬は『気持ちを押しつけても仕方がない』と軽く頭を振って気持ちを立て直した。
それなりに値の張る商品を敢えて現金で決裁したのは自分の中の勢いを殺したくなかったからだがそれはあくまでこっちの事情。
彼女には何の関係もない。
決済が済んでいるので後の扱いはどうとでも出来るが自分が持っていても使い道はなく直感的に『野明に渡したい』と選んだものだけに自分から他人にやる気もさらさらない。
少し考えた後遊馬は視線を彼女に戻し軽く肩を竦める。
「無理に『使え』とは言わねぇよ・・・気に入らないなら売るなり捨てるなり人にやるなり好きにすればいい」
彼の物言いに野明は驚いた顔で目を瞬きじっと遊馬を見詰めると微かに頬を紅潮させ「・・・ほんとにこれ貰っちゃっていいの?」と遠慮がちに袋へ手を伸ばし礼を言って受け取った。

突き返されなかった事に内心胸を撫で下ろし緊張した面持ちで野明が箱を開ける様子を見ていた遊馬はピアスを手に取った彼女の「・・・綺麗・・・」という言葉に思わずほっと表情を緩める。
ピアスをつけにそそくさと彼女が席を外すのを見送った遊馬は保証書を見た彼女の反応が自分のそれと似たようなものだった事に『・・・まぁ そうだよなぁ』と苦笑いを浮かべ小さく肩を竦めた。
あれが何だか説明するのも無粋だし 値段なんて野明が知らなくてもいいことだ。
機会があれば気付くだろうし 知らないままならそれでもいい。
要はこちらの気持ちの問題。
一度『ピアスは要らない』と言われたのに『あれがいい』と思ったのは自分自身だ。
彼女は『恥ずかしいから』と言ったけれど実際どうなのかはよくわからない。
ああいうものは趣味もあるし身につける類の物、殊宝飾品は渡された側にとって面倒なのかもしれないな、と今更ながらに思った遊馬は軽く頬杖をついて顔を顰めた。

「新しいこと始めたい時ってあるじゃない?」
夏の強い日差しの中 そう言った彼女の横顔が小さなピアス一つでひどく大人びて見えた。
元気で負けん気の強かった彼女が何時の間にかしなやかな女性へと変わっていくその変化を目の当たりにして自分は焦ったのかもしれない。
頬杖をつきつつ野明のいた席を眺めた彼は受け取りを渋った彼女の様子を思い出し『失敗したかな』と苦い顔で溜息を吐いた。

to be continue
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追記

ちまちま更新 遊馬サイドがしばらく続いております(^^)
話がちっとも前に進んでいませんねぇ
もうちょっとこんな感じで続きます
しばらくお付き合いくださると幸いです♪

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