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星に願いを 2011

さて 今年も七夕の季節がやってきました
ここしばらく テキストを全然書いてなかったので全くペースがつかめません(^^;
文章のおかしい所や繋がりが妙なところが多々あるとは思うのですが今の私にはこの辺が精一杯です(笑)

この所 関東では猛暑が続いていまして更に私の住む地域とその周辺は都内でも指折りの放射能ホットスポットとかで幼稚園や小学校でも一部保護者が穏やかならざる動きを見せています。
おかげで学校に呼びだされる回数や行事の変更も相次いでいてちっとも落ち着きません(涙)

皆さまも 猛暑と放射能にはくれぐれもお気をつけてこの夏をのりきりましょうね~
って言ってもどうしていいのやらもうサッパリですが☆

詳しく書くのも面倒なので割愛しますが放射能の一件では公園やシッピングモールの子ども広場等でも幼稚園とか区に陳情書を出すので署名くださいとか、園長一家に直談判に行くメンバーに加わってくれないか、とか面倒な話が一杯来ますが皆纏めて断ってます(^^;
理由はいろいろあるんだけど 愚痴になるので言えないんだけど結構面倒臭い・・・(涙)

さてそれは兎も角 今回のSSは七夕ネタです。
タイトルでバレバレですね☆
リハビリ的仕上がりににしかなっていませんがそれでもいいいわ、というお客様は以下からどうぞ♪(^^)

続き

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星に願いを 2011
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夏の夕れハンガーの外に出るとシャッター脇に付き刺された竹の枝に野明が懸命に腕を伸ばしていた。
手には短冊と思しき紙片が握られていて少しでも高い枝を掴むべく小柄な彼女はぴょんぴょんと飛び跳ね始め 暫くその様子を眺めていた遊馬は苦笑しながら傍に歩み寄ると少し高い位置の枝を片手で軽く引き下げた。
少し驚いて顔を上げた野明が「ありがと」と笑いそこに短冊を結びつける。
「今年も書いたのか、短冊」
「・・・書いたよ。ご利益、あるみたいだし?」
チラリと見上げる野明の瞳に遊馬は思わず目を瞬いた。
「そりゃまた霊験灼なことで」
「でしょ 遊馬も書いて見ればいいのに短冊。意外と叶うかもよ?」
「俺は神頼みなんてしないの、それに俺の願い事が叶っちまった後でご利益持って行かれた、なんて言われても後味悪ぃしな」
しれっと言うと枝から手を離した彼はひらひらと手を振って建物の中に姿を消し暫くその背中を見送った野明は今しがた括りつけた自分の短冊を見上げ『今年はご利益あるのかなぁ』と軽く小首を傾げた。

それから数日 七夕当日になって野明は再びハンガーの入り口に立てられた竹の傍に来ていた。
先日と同じように短冊を見上げると数日前と違い葉っぱはくるりと細く丸まりすっかり乾いて風にカサカサ音を立てている。
あの時括りつけた短冊がまだつり下がっている事を確認し安堵した途端野明の胸にふと疑問が湧いた。
「これって・・・竹・・・だよねぇ」
小さく首を傾げ少し考える。
「七夕飾りって 笹に結ぶんじゃなかったっけ・・・?」
「どっちでもいいんじゃねぇの。似た様なもんだし・・・竹でいいんだよ 本来はさ」
不意に頭の上から降ってきた声に野明が驚いて顔を上げた。
「あ・・・遊馬。どっちでもって・・・だって 笹の葉さ~らさらって・・・歌が有るじゃない」
「竹の葉じゃ語呂が悪いし・・・というのが有るかどうかは兎も角として お前竹と笹ってどこが違うかしってるか?」
にっと笑う遊馬に彼女は眉間に皺をよせ小首を傾げた。
「大きさ・・・かなぁ・・・笹の方が背が低くて葉っぱが大きいとか・・・」
「そういうイメージはあるよな、でもでかくなる笹も有ればそうでない種類の竹もある。良く言われるのは成長途中に筍の皮が全て落ちてしまう方が竹で成長しても皮自体が腐るまで幹に残るのが笹とか 地下茎と地上棹で繋がっている方が竹で笹には地下茎が無いとか聞くけど厳密な境界線っていうのは無くて学者によって見解も割れるらしいぜ・・・だからさ どっちでもいいんじゃないかって話」
「そんな大雑把な・・・」
腑に落ちない顔をする彼女に遊馬は笑いを噛み殺した。
「でもまぁ 七夕ってのは節句だしそもそも短冊に書いてご利益のある願い事ってのは芸事なんだぞ」
「ええっ?何で そんな縛りがあるのよっ」
「そりゃお前、もともとこの風習の起源って言われてる乞巧奠ってのは織女にあやかって女性が裁縫の上達を祈願したってのが始まりだからだろ。技芸の上達を祈る祭でそれ以外の願い事書いて叶う訳ねぇじゃん?それこそ遊びに現を抜かした織女牽牛と同じだろうが・・・」
茫然とした顔の彼女が自分の短冊を見上げるとにやっと笑った遊馬がその視線を追った。
野明が「見ちゃ駄目っ!」と叫んで腕を押さえるより早く遊馬は吊るされた短冊を摘み書かれた文字を読み取ると顔を真っ赤にして短冊を奪い返そうと手を伸ばす彼女を難無くかわしてにやりと笑った。
「成程 でもこれは芸事の上達とは何の関係もないよなぁ」
「・・・知らなかったんだから仕方ないじゃない」
不貞腐れた顔で野明が短冊を引っ張ろうとすると遊馬はしれっとした顔で枝に結んだ紙縒りを解き真上にそれを引き抜いた。
「・・・ちょっとぉ 返してったらっ」
慌てて手を伸ばす野明を巧みにかわし彼はそれを頭上でひらひらと振って見せた。
「返してやってもいいけど・・・そうすると今年の願い事は誰が叶えてくれるんだ?」
「・・・今年のって・・・?何で遊馬がそんなこと・・・」
吃驚したように動きを止めた彼女を見て遊馬の方が驚きに目を剥いた。
「・・・って・・・お前 まさか気付いてなかった訳じゃ・・・ないよな?」
「気付くって何が・・・っていうか ええっ?! 去年のってそういうことだったの?」
「だったの、じゃ ねぇよっ!・・・ったくお前ってそういう奴だよな・・・」
理不尽な怒りと脱力感、それに呆れと諦めが加わった複雑な表情で眉間を押さえる遊馬の前で 野明は驚きと恥かしさ、動揺と居た堪れなさがごちゃ混ぜになった困惑顔を両手で押さえて言葉を失った。
「・・・じゃあ・・・つまりさ・・・霊験灼だったのは・・・」
「天帝でも姫神でもなくて残念だったな、・・・ほら 返してやるよ」
手に持った短冊を一度目の前に翳し不貞腐れた顔で野明を見下ろすと遊馬は大きな溜息を吐いた。
目の前に差し出された紙片と彼の顔を交互に見遣り少し不安そうな目をした野明は短冊に伸ばした手をそのまま止めた。
「・・・ねぇ・・・遊馬」
「なんだよ」
「去年叶った願い事って・・・さ、やっぱり今年は・・・無効?」
「当然・・・と言いたいとこだけど・・・今んところ有効って事にしといてやろうか?」
大きな青みがかった瞳で自分の顔を覗きこむ小柄なパートナーを見遣り遊馬は少し考えてニッと笑う。
「・・・本当に?」
「今んとこ、だぞ?後ざっと半年あるからな。で 今年のこれはどうするんだ?」
伸ばした手を止め考えこんだ野明は「ご利益ありそうなとこに預ける」と言ってくるりと踵を返した。
「・・・おい・・・」
「だってその方が七夕の笹より『霊験灼』なんでしょ?」
「・・・あのなぁ・・・」
「取り敢えず 今年も誕生日とクリスマスは空けて置くね」
遊馬の不服そうな声に首だけで振り返った野明はにんまりと笑う。
「お前が言うかね・・・願い事叶えて貰う側が言うなら『空けといて下さい』だろうが」
やれやれと言う顔で言いながら手に残った短冊に目を移した。
「それは兎も角 今年のこれだけどな・・・天然物を見たいなら仕事上がりじゃ無理だぞ?」
「・・・やっぱり?」
足を止めくるんと彼に向き直った野明はしゅんとした顔で小さく肩を竦め 遊馬は「うーん」と唸って腕を組んだ。
「多分な でもまぁあんまり遅くなっても時季が終わっちまうし。今度の休み一日潰す気が有るなら連れてってやってもいいぜ」
「ホントに?!」
「へいへい。後で確認しとかないとなんだけど・・・昔は実家の傍で見れたんだよな・・・って なんだ観た事ないのか、蛍」
遊馬が意外そうに目を瞬くと野明はこくこくと頷き嬉しそうに笑った。
「北海道はやっぱり少ないから。それにこっち蛍の方が大きいんでしょ?」
「ゲンジボタルは光も強いしな。でもそっちが観たいなら尚のこと早目にしないと7月半ば過ぎにはピークが過ぎてヘイケボタルが主流になっちまうな」
「へぇ・・・そうなんだ 種類によってそんなに違う?」
「違うな、生息域も違うって聞くし。同じ地域で見れるところもあるけど・・・って まぁその話は置いといて。なら取り敢えず次の休みは空けとけよ」
「わかった 『空けとく』ね」
返事をしながらクスクス笑う野明を見て はたと我にかえった遊馬は『そういうことか・・・』と額を押さえて顔を顰める。
バツの悪そうなその様子に野明は肩を震わせ笑いを噛み殺した。
「今年もさっそく『御利益』あったことだし、やっぱ『霊験灼』だよね」
「ばぁか こんなもんが『御利益』な訳あるか。大体 去年もそうだがお前の『願い事』は神頼みなんかする意味がねぇんだよ。んな不確定なもんに期待するなら最初から直接言えばいい事だろ」
少し不機嫌な物言いすら可笑しくて野明は必死で笑いを堪えたものの 彼の言い方に少し不貞腐れた様子でぼそりと呟いた。
「・・・直接言えるなら言ってるってば」
「何だよ そりゃ?」
「だって・・・言い難いじゃない、この年になって・・・・」
「短冊に書くのは平気なのに?」
「だからっ 普通いちいち人の短冊探したりなんてしないでしょっ」
「『見られて困るもんじゃない』っていっただろうが。それが嫌なら短冊なんて書かなきゃいいじゃないか」
『訳が判らん』という顔をした遊馬をみて野明が「夢もへったくれもない遊馬になんてわかってもらわなくていいっ」とそっぽを向くと彼は『ますます訳が判らない』と言う顔のまま天を仰いだ。
『「願いは叶えて欲しいけど内容は見られたくない」って そんなのどうやって両立させる気なんだ、こいつは』
呆れた顔で半眼を向けると遊馬は小さく肩を竦め彼女の頭にポンと手を置いた。
「それで・・・『解って貰えなくていい』ってのは今年の願い事はスルーしていいってことか?」
どこかからかう様な意地の悪い笑みを浮かべた彼に野明は「どうぞ、ご自由に」と軽く舌を出した。
意外な反応に思わず目を瞬いた彼の手から短冊を引っ手繰ると野明はぷいっとそっぽを向く。
「もう二度と七夕の笹に『願い事』の短冊なんて吊るしませんよーだっ」
「おい 怒んなって。何も『願い事をするな』なんて言ってねぇだろ。ったく じゃあ 今の話どうするん・・・・」
少し慌てた遊馬の声を背中に聞きながら1,2歩彼から距離を取ると野明はにっと笑って振り返った。
「そのかわりちゃんとご利益の有りそうな別の所に付けるからいいもんっ」
「あ? 別のって・・・ちょっとまて、お前・・・」
言うが早いかその場を駆け去ってしまった彼女を見送りその場に残された遊馬はバツの悪い顔でぼりぼりと頭を掻いた。

数時間後出動が掛ってハンガーに駆け下りて来た遊馬の肩を榊班長がすれ違いざまポンと叩き目線の判らないサングラスの下で口元だけがにやりと笑った。
「遊馬よ・・・仲がいいのは結構だがな、ちったぁ場所柄ってもんを考えねぇと後が怖ぇぞ」
「はいっ?」
ぎょっとして思わず声が裏返った遊馬に後ろ手で指揮車を指し示した榊は「若ぇ奴らに見つかる前にとっととかたづけるこった」と言い置くと慌しく出動準備を整える整備班にキビキビと指示を出し始めた。
慌てて指揮車に向かった遊馬は扉を開いて思わず絶句し急いでドアを閉め「・・・あの 馬鹿っ」と呟くと思い切りハンドルに突っ伏した。
運転席の真正面 丁度目の高さに紙縒りを結んだ吸盤がぺたんと貼られその下に先程のものとは違うピンクの短冊がぶら下がっていた。

『遊馬へ クリスマスと誕生日と次のお休みは予定を空けといてね 野明』

こめかみを押さえつつ吸盤を外した遊馬は「へいへい」と独り言のように呟いてそれをポケットに仕舞い込んだ。

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追記

けっきょく本文中に文章は出てこないのですが(なんで!?)去年と今年の短冊の中身は

『誕生日とクリスマスが別に祝ってもらえますように』と
『蛍狩りができますように』

なんですね。
そしてどちらにも『誰と何処で』という文言がないという(^m^)

そして去年の結果はというと・・・(笑)
そういう事はちゃんと言わないといけなかったのか、それとも察しないといけなかったのか?(^▽^;
何れにしても どっちが、という問題が残りますけどね☆

ではでは 最後までお付き合い下さり有難うございました♪

コメント一覧

非公開 2011年07月06日(水)08時25分 編集・削除

管理者にのみ公開されます。

非公開 2011年07月06日(水)14時37分 編集・削除

管理者にのみ公開されます。

さくら(N様) 2011年07月07日(木)00時23分 編集・削除

>Nさま

どうにか間に合いました☆
本当に大したネタじゃなくて申し訳ない(^^;

昨年の願い事 遊馬はちゃんとかなえた心算だったのに野明はその事に気がついてなかったという(笑)
ちゃんと言わなかった遊馬が悪いのか 気付かなかった野明が鈍いのか・・・・
両方なんじゃないかと思ってます(^▼^;

そして野明は絶対遊馬が見る場所に短冊を移しました☆
見つけたのがおやっさんだけで良かったよね、という(^m^)
他の班員に見つかったらP1の「デートしてやる」発言の後の様に罵声を浴びる事間違いなしでしょうね~(笑)

こちらこそ何時もコメントを本当にありがとうございます♪
今夏 暑くなりそうですが頑張って乗り切りましょうね☆

さくら(Y様) 2011年07月07日(木)01時12分 編集・削除

>Yさま

そうなのです~
本当に些細なことだったので「その位なら」なんですよね(^^;
でも年末年始ってクリスマスとお正月が凄く近いですものね。
私の友達は1月3日生まれなので思い切り正月とお年玉でお祝いもプレゼントも有耶無耶にされてきたそうです☆

遊馬は折角願い事をかなえた心算だったのに叶えてあげた事を半年気付いて貰えなかったという(笑)
ホタル狩りは連れて行って貰えそうですね☆
今日は七夕ですが 東京の空は明るくてやっぱり天の川は見れませんね
今年も幼稚園から笹を持ち帰ってくると思うので家の前に差してあげようと思います♪

こんきち 2011年07月07日(木)23時19分 編集・削除

お久しぶりでございます。
昨年の願い事は叶えたつもりだったのに残念でしたね遊馬さん。鈍い野明さんには多少衝撃のあるものでないと駄目だったというわけですな(笑)
うん、指揮車の中なら絶対見落としできないです。
しかし、榊さんが見つけてくれてよかったね
整備班の罵声だけならまだしも瞳子さんちのように襲撃されますよ、きっと。

瞳子 2011年07月11日(月)11時55分 編集・削除

うぉ〜!! 出遅れたっ(笑)
ただいまハムスター瞳子は、真夏の石垣島です。
ちゃんと仮の姿は、みかんの国に居ますよ。

言葉の足りないおおかみくんと鈍いうさぎちゃん。
おおかみくん、ご苦労様です。
見つけたのがおやっさんなのがミソだよな。整備員たちなら…間違いなく当家の遊馬は襲撃にあってますよ。

『元気なチビたちが、無事に産まれますように パパ・ママ』
な〜んて短冊が吊ってた年もあったかも(*≧m≦*)

さくら(こんきち様) 2011年07月16日(土)10時36分 編集・削除

>こんきちさま

そうそう叶えた心算だったんですが相手には伝わってなかったようです☆
ハッキリきっぱり言わないとダメみたいですね、彼女には(^m^)
指揮者の中なら絶対見落とされないですが 瞳子さんちの整備班に見つかったらこの後 襲撃必至ですねぇ

遊馬、背後注意!(笑)

さくら(瞳子様) 2011年07月16日(土)10時41分 編集・削除

>瞳子さま

わぁい ようこそです♪
ええ そっちは石垣島!
いいですねぇ(^^)

言葉の足りないオオカミくんに 鈍感ウサギ(笑)
発見したのが 瞳子さんちの整備班なら・・・と思うと襲撃がこわいですねぇ(^m^)

ああ でもその短冊もいいなぁ!
絶対あるよね~♪(結婚前か 後か気になるけど!)