半月以上放置した結果 漸くUPしました。
設定の齟齬が響いて頭を抱えてます(^^;
そのうえ 某所で毎日かもされてまして全く自分の事に手がつかない体たらく(笑)
でも興味深いわ 楽しいわ。
抜けられないんですよ、アリ地獄の様に(笑)
その上今日は下の子の歯科検診なのに・・・雨!
どうしよう・・・自転車使いたいんだけどなぁぁぁ
ここ二日晴れないので家の中 洗濯物で一杯。
リアルに醸されそうな勢いです(笑いごとじゃない★)
さて 日記的な事はこの辺にして。。。
連載 漸くUPです。
なんか淡々としてますがそれでもいいわ という心やさしい方は以下からどうぞ♪
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不在 30
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SIDE-SV2(3)
霞が関から車を走らせる事数十分。
埋め立て地に立つ己が職場につくとその外観に軽い安堵感を覚えた。
先程まで足を運んでいた立派な本庁舎。
あの建物よりも倒産した工場を買い取って手を加えただけの空調すら完璧とは言えないこの建物の方が幾らも愛着がある。
何よりここにはあの建物に大量に巣食っている腹黒い鵺のような人間はいない。
時折暴走する事が有っても皆が其々に所謂『正義感』や『使命感』を持って仕事に当たる今時珍しい程純粋で真面目な連中の集まり。
後藤はそういう二課全体の雰囲気がとても気に入っていた。
中でも自身が選抜に深くかかわった第二小隊に対する情と信頼は計り知れないほどに大きい。
特車二課全体を通してみても個人の趣味趣向は様々で有れど志を同じくする者たちが集結した整備関連の人員を含め今の隊員編成は実験部隊であることが惜しまれるほどに充実している。
本格運営には足りない部隊数と 実験部隊ならではの高価な機体に対して逼迫する予算、設備の拡充に対する幾らかの不満はあるものの今の状態に後藤は少なからず充実感と満足感を覚えていた。
そこに下された一つの宣告。
野明と遊馬が席を外した後で部課長に告げられた話の内容を思い出し後藤は眉間に深い皺を寄せた。
『予想より少し早かったな』
誰もいない隊長室で一人腕組みしつつ考え込んでいると部屋の扉がカチャリと開いた。
軽い溜息と共に部屋へ入ってきたもう一人の隊長はそこに本来 居ない筈の人物を見つけ軽く目を瞠った。
「あら、来てたの。今日は本庁じゃなかった?」
ホワイトボードに目を移し首を傾げる彼女に後藤は心外、という顔をみせた。
「ご挨拶だな、行ってきましたよ。・・・出動?」
「射撃訓練の監督。どうしたのよ、浮かない顔して。お説教でも受けた?」
手袋を外して髪を手早く束ね直すとさらりと問い掛ける。
「今更説教なんかで堪えたりしませんって。ある意味それよりも 嫌な話かなぁ・・・」
苦虫を噛み潰したような顔を見せる後藤にしのぶは『おや?』という顔で振り返った。
「珍しいわね、後藤さんが弱気になるのなんて」
「そうでもないですよ~。俺 小心者だもん」
背もたれに預けていた身体を起こし顎の下で両手を組むとしのぶに向かって苦い笑みを見せた。
「小心者ねぇ、まぁ いいけど。で 何の話だったの?ただの事業報告って訳じゃなかったんでしょう」
カップを持ちあげ『いる?』と目で合図を送り彼が片手で拝むようにして頷くのを確認してサーバーに珈琲をセットしながら問い掛けると後藤は軽く肩を竦めた。
「・・・分かる?」
「そりゃね、報告だけならあの二人だけで十分でしょう。なのに隊長が呼ばれて面倒臭がりの後藤さんが応じたんだから他に何か有るんだって思うわよ」
しれっと応えた彼女に後藤は困った様な笑みを浮かべた。
「あんまりおもしろい話じゃなかったんだけどね」
「あそこに出向いて面白い話を持ちかえってくることなんてそうそうありはしないわよ。・・・で なんの話だったの?」
「まぁ・・・予想はしてるんでしょ」
半ば拗ねた子供の様な顔をする後藤にしのぶは微かに眉を顰めた。
「・・・人事?」
「まぁ そんなとこ。今すぐって話じゃないけどね」
歯切れの悪い後藤の物言いに彼女もまた微かに顔を顰めつつ抽出の終わった珈琲を差し出した。
自分のデスクの脇に立ちに腰を預ける様にして腕組みしたまま一口琥珀色の液体を啜るとしのぶが大きな溜息を吐いた。
「あの二人が何かした、って訳じゃないんでしょう?」
昨日までメーカーに出向していた一号機コンビの顔を思い出し彼女が口を開くと後藤は何とも言えない複雑な顔をした。
「『した』と言えばしたのかな・・・。もともとこの話が出た時点で嫌な感じはしてたんだよね」
カップの淵を指でなぞりながら呟く彼の姿は拗ねた様にも諦めた様にも見えたが、ある種の寂寥感も垣間見えしのぶは困惑した顔で彼の様子を窺った。
「・・・移動するの?あの二人」
探る様に問われた言葉に後藤は苦笑いして大きく息を吐くと両手を頭の後ろで組んでぐっと背を逸らせた。
体重を受けて背もたれがギシッと音を立て天井を仰ぎ見ながら後藤がゆっくりと口を開く。
「・・・来月、ゼロが正式に導入される。その運用が軌道に乗ったら イングラムを下取りに出して新型機が入るそうだ」
「え・・・?」
立て続けに導入される新型機の予定にしのぶの動きが固まった。
「ゼロではなく・・・新型?」
「そう 新型。他部署の導入を睨んで開発中の汎用機、ヴァリアント。篠原達が関わってきた奴だよ」
なぜゼロではなく『新型機』なのかという疑問にしのぶの眉間に小さく皺が寄ると後藤はその顔をチラリと見遣って天井に目を向けた。
「・・・説明、欲しい?」
「そうね・・・」
思案顔の彼女に軽く頷くと応接セットを指して座る様に勧め後藤もまたそちらに足を向けた。
向かい合って座り少し間をおいて後藤が話を切り出した。
「ゼロの正式導入は来月1日。決まったらしいよ、これはあとで課長が言いに来るだろうけどね。で 説明が欲しいのはヴァリアントの件・・・でしょ?」
黙って頷く彼女に後藤はゆっくり言葉を吐きだした。
「イングラムはさ 部品にせよ何にせよ仕様が特別だからね、性能と引き換えに莫大なコストが掛る。それは ゼロも同様っていうか・・・イングラム以上に高価な機体だからね 保守費用も馬鹿にならない」
「それは・・・そうね」
「HOSで動く最初の機体だからね それは仕方ない。で ヴァリアントはどうかというと・・・動作の大部分をソフトで制御することで操縦者の技量をカバーする点ではゼロと同じだ。でも基本設計そのものはゼロをベースにすることで開発コストは大幅に削減されてるし 汎用機だから量産を視野に入れて部品を簡素化したりしている。搭載される修正プログラムはヴァリアントが実機として本格稼働するまではイングラムと来月から導入されるゼロの物を流用することで賄うことになる。そういう理由もあってゼロは早めに運用状態しておく必要があるし小隊の増設や他府県警の本格導入に向けヴァリアントも稼働状態にしておきたい。しかし 予算には限りがあってそこに金食い虫であるイングラム3機を維持できる金額を確保する事はまず不可能だ」
一度言葉を切りしのぶの顔を窺うと眉間に刻んだ皺を更に深くした彼女は訝る様な目を後藤に向けた。
「じゃあ イングラムは・・・・」
「手放す事になるだろうね、新型機の導入と引き換えに。そしてそのとき同時に・・・」
「小隊が再編される・・・と?」
後藤の言葉を引き取ると彼は大きな溜息をつきながら天井を見上げた。
「・・・避けられんだろうなぁ・・・それは・・・」
暫しの沈黙のあとゆっくりと言葉を選んで話しだす。
「恐らくゼロそのものも 短期で手放す事になると思うよ。あれも有る意味で実験機だからね、ヴァリアントの運用が軌道に乗って基本動作の学習データが補完され汎用機だけで状況の処理が十全に出来るまでに成長したら あれも下取りに出してヴァリアントを何台か購入、小隊の増設ないし他所の新設に充てる算段が出来てると思っていいだろうなぁ」
「・・・成程ね。でもそうなると うちの小隊も含めて現状の隊員たちの処遇はどうなるのかしら」
「そこなんだよなぁ・・・」
思案顔を見せるしのぶに後藤は苦い顔をして見せた。
「警察の上層部ってのはその手の効率なんかを余り考えない集団だからね。折角育てた熟練者を今迄獲得したスキルなんてまるで評価することなく平気で全く畑の違う部署に送っちゃったりするじゃない。おたくの小隊の面々は優秀だし引く手数多だと思うんだけどさ、それでも五味丘くん辺りがどこかの小隊長に任命される可能性があるとして、その他の面々はそういう憂き目に遭わされかねない。技術の蓄積を何とも思わないような連中が人事権持っちゃってるのが現状だからね」
「・・・その中には当然 貴方の愛すべき小隊の面々も含まれるという訳ね」
言いたい事に合点がいくとしのぶもまた同じように苦い表情を見せた。
蓄積したデータを抽出して最適化を行うソフトに機体の動作を大きく依存することで『操縦者の技量に左右されない機体』を配備すると言う事は今までの様に現場において熟練者を尊ぶ必要がなくなる、というとに繋がる。
それはつまり特車二課の中で次代の隊長候補と目されている人間以外のスキルは人事の際 考慮の対象に成り得ない可能性がある、ということだ。
たとえそれが日本屈指といわれるパイロットや稀有な洞察力を持った指揮担当者で有ったとしても。
状況判断までもを含めてハード内で処理を行う機体を使用するに当たっては最初の指示がハッキリしてさえいれば外部からの指揮を必要とする様な事態はそうそう起こらない、それが起きた時はハードスペックに対して手に余る場合で有り、通常の治安維持の範疇を超える特殊状況だということになる。
そんなものに備えてどうこうしようという危機感覚は今の上層部にはない。
となれば あの面々は恐らく散り散りにされてレイバー隊と関わりの無い場所に転属される可能性はかなり高いだろう。
尤も後藤が集めたあの面子は他の部署が進んで受け入れたがる者ばかりとも言えないのだが。
彼らに対する後藤の愛着を思いしのぶはそっと気遣わし気な目を向けた。
「で、時期の目安はついてるの?」
「来期の人事には引っかかってくるんじゃないかと思ってる」
「来期って ちょっと早くない?」
聊か驚いた顔を見せたしのぶに後藤は微苦笑を向ける。
「そうでもないんじゃない、うちの連中がここに配属になって今年で3年。しのぶさんとこだってここにきて何年になる?移動が頻繁に起こる公務員にあって隊設立以来4年以上も移動が殆どないってのは実験部隊である事を差し引いても珍しい事だ。それが本格運用に向けて大規模再編成が起きる、しかもそこで使用される機材は今迄のノウハウを全てハードに蓄積させている為個々の技量を問わないものとする、となれば当然あいつらも人事考査の対象になるさ。それはしのぶさんだって判ってる事でしょ?」
「・・・そうね」
「いずれにせよ黙っていたんじゃ桜田門のデスクの上では現場の苦労も俺達の心情も数字という符号に置き換えられて考慮なんてされない、ってこと」
作業効率は数字だけでは測れないものもある、チームやコンビで仕事をするに於いてはメンタル面の充実を無視して効率のいい作業など出来ようはずもない。
しかしそう言う事情は数字を転がすのが仕事で現場に顔を出さない連中には推し量る事が出来ないものでもある。
ハードスペックの不利を隊員の士気の高さとレイバー隊としての誇りを支えに乗り切り、隊の黎明期を支えてきたしのぶにとっては後藤以上にそのことが歯痒く感じてならなかった。
「そうなるとうちでは五味丘、そちらでは熊耳巡査部長辺りが新設部隊の小隊長に推される可能性があるとして・・・他のメンバーはどうなるのかしら・・・」
「さぁねぇ・・・でもここを離れることはほぼ確実でしょ?だとしたらさ 少しでも本人に合った場所に行ける様に掛け合う位の事はしてやりたいじゃない」
寂し気な雰囲気を滲ませる彼にしのぶは軽い苦笑を向けた。
「今からそんな事考えてるの?」
「今からでも遅い位だよ。・・・横槍も入っちゃったしさ」
「・・・横槍?」
「もう少し時間をやりたかったんだけどね」
苦い顔をする後藤に彼女がかるく目を瞬く。
「・・・何かあったの?」
「ちょっとね、まぁ 今度の話が出た時点でそうなる気はしてたんだけどさ・・・」
頭の後ろで手を組み背を逸らして天井を見上げる彼の姿に少なからず落胆の色が見える気がして、遊馬が出向した直後にあった実山との遣り取りを知らされていない彼女は困惑の表情を浮かべた。
「向こうで何かあったの?」
「・・・うーん それは考え方次第なんだけどね。ただ 今回はね・・・」
遊馬の性格では実山の失言を発端に自身に向けられた周りの目を適当にあしらってくる事が出来なかった。
父親の七光りと揶揄される事を厭い実力で自分の評価をもぎ取ったものの、結果としてその事が距離を置きたいと願っていた場所へと彼を引き寄せる要因になってしまった。
彼自身の洞察力と判断力に長けた素質、加えてその知識量の多さが『シノハラ』側に知れたことで血縁である事以外にも『現場を知る有能な技術者』としての価値を見出されてしまった。
そこへ持ってきて以前から目を付けられていたであろう野明を一緒に呼び寄せることで彼女の技術と適性を図ると同時にもう一つ、遊馬の反応を確認した事は想像に難くなかった。
今、彼だけに『シノハラへ来い』と行っても首を縦に振らせることは難しい、しかし『泉も一緒』と言ったらどうだろうか。
冷めた風を装っても根は純粋で真っ直ぐな彼は今回の件で少なからず注目を浴びてしまった野明を一人であの環境に送りこむ事を良しとはしないだろう。
そうなれば『一緒に』という提案を承諾する可能性は高い。
それもただ 『彼女も』と言えば自分を釣る『餌』として野明を使うのか、と噛みつけたもののこの一週間で彼女もまた非常に優秀な搭乗者としてだけでなくテストパイロットととしての適性も十全に満たす事を証明してきてしまった。
そこで 『移動によって特車隊を離れ彼女の才能を埋もれさせることになっては勿体ない。その技量を発揮できる場を提供したい』とでも言えば遊馬も無碍に扱う事はできないだろう。
実際 彼女自身レイバーにあこがれて上京してきた訳で移動が絡んだ場合の選択肢としては本人にとっても悪い提案ではないだろう。
ただしそれが遊馬を釣る為の『餌』の意味を含むと気付けばかなり複雑な気持ちになる事は間違いない。
そういう意味では彼女自身の能力が評価された事は先を考えるなら良い事だったのかもしれない。
何れにしても 来期の人事異動が避けられないことで有るならば出来るだけの尽力はしてやりたいし 結果としてあの二人が『シノハラ』に身を寄せる事になるとしても せめて心の整理がつくまでの猶予期間を与えてやりたかった。
少なくともあの二人がその手の外圧によって本人達の意に沿わない形で離れてしまわない様に出来る事がないか、と考えて自分のことすらままならないというのに殊、彼らに関して自分は相当お節介な人間に思えて後藤は微かに自嘲気味な笑みを浮かべた。
漠然と彼の考えていることが分かったしのぶはやれやれという顔でカップを置く。
「後藤さんの所は問題児だらけだけど 特に篠原くんは事情が複雑だものね。今回は泉さんも巻き込まれちゃったみたいだけど。・・・で どうする気?」
「どうって・・・まぁ 少しは隊長らしい事しておきたいじゃない」
苦笑する後藤にしのぶが溜息交じりの笑みを向けた。
「餞ってこと?」
「まぁ そうなるのかなぁ・・・」
「・・・うちも考えておいた方がいいのかしらね」
「そっちはゼロが入って間もない訳だからもう少し猶予があるんじゃない? 隊編成の変更はあっても移動になる人数は多くない気がするよ。蓋を開けてみないと何とも言えないけど後進の指導に当たるって名目もあることだし」
「そうかしら・・・」
「あれも一種の実験機だからね、新型が軌道に乗るまでは熟練者に任せて行動パターンデータを取りたいだろうしさ。でも イングラムの引退は新型機導入にあたっての決定事項だからね」
「泉さんが残念がるわね、きっと」
二課内で彼女の一号機への執着を知らないものはいない。
彼女の反応を心配する顔を見せたしのぶに後藤は微苦笑を向けた。
「他の連中も同じじゃない? 整備班も含めてね。榊さんなんかはその筆頭だろうさ」
窓の外に目を向けて静かに言う後藤に倣い、しのぶもまた窓外に目を向ける。
ここ暫く続くすっきりとしない空模様が何とはなしに彼の心情を写している様な気がしてしのぶは大きく息を吐きだした。
間もなく定時間が過ぎようと言う頃になって二課棟に訪ねて来た松井は真っ直ぐに隊長室に向かった。
ノックして部屋の戸を開けると気が無さそうに書類に目を通していた後藤がのそりと顔を上げた。
「あ 松井さん いらっしゃい」
「本庁で捕まえる心算がすれ違っちゃってね」
肩を竦める松井に後藤は「そりゃ悪かったね ご足労かけて」と嘯き応接セットへの着席をすすめる。
腰を落ち着けた彼にしのぶがお茶を供すると後藤は手をひらひらさせて彼女にも座るよう促した。
少し躊躇したあと自分の湯呑みを手に戻ってきたしのぶが自分の隣に腰を下ろすと後藤が最初に口を開いた。
「よくここだって分かったね、うちの小隊 準待機なのに」
「本庁に戻る途中で おたくの部下に会ったからね」
「会ったんだ。で、おたくの部下は?」
遊馬と同じことを聞く後藤に松井は思わず苦笑した。
「本庁内で書類整理してたんだけどね 登庁していた事に気付かなかったらしい」
「そりゃ お気の毒」
「どうかね、あんな仲睦まじいのを見せつけられるよりは却って良かったのかも知れないよ」
「可愛いでしょ、あいつら」
「・・・若いってのはいいよ」
にやにやと笑う後藤に諦めの入った顔を向けると松井は鞄から手帳を取り出した。
「で 本題だけど。人事ってのは結構口が固くてね、噂の範疇をでないけど・・・いい?」
「充分だよ、で何か分かった?」
「今のところ おたくの小隊の方を中心に探ってみたけど。やっぱり秋の人事に引っかかってる」
ほらね、という顔をする後藤にしのぶは目を瞬いた。
「そんなこと 何時調べ出したの?」
「松井さんに頼んだのは泉が出向になってすぐ。でも篠原が連れて行かれた時点でそれとなく情報は集めてたんだけどね」
しれっと言う後藤にしのぶは大きく肩を落とし軽く眉間に皺を寄せた。
「そういうことは・・・」
「自分の足元に関わる事だもん、気にもなるさ。それに絶対って確信が有った訳じゃなかったしね」
不満気なしのぶをかるくいなし、後藤は松井に話の先を促した。
「取り敢えず おたくの進士、あれは経理が手を上げてるね。それと 熊耳巡査部長は・・・神奈川の線が濃厚かな」
「神奈川か・・・レイバー隊新設するって話だったし・・・成程ね。じゃあ 第三小隊は五味丘小隊長で決まり、って事になりそうだね」
チラリとしのぶを見遣ると彼女は少し複雑な顔を見せた。
「他の隊員たちは・・・」
「その辺はまだ全然情報がないんだけどさ、後藤さんとこも後は未定って感じで。けどやっぱり全員どこかしらに移動させようって感じではあるね」
パタリと手帳を閉じて茶を啜ると後藤に向かって小さく肩を竦める。
「こんなもんしかなくて悪いね」
「いえいえ 充分ですよ。このお礼は・・・」
「期待しちゃいないよ、どうせなら実のあるものにしてもらいたいもんだけどね」
「じゃ いずれそのうち」
しゃあしゃあと言う後藤にどこか諦めた様な顔を見せ「じゃあ 今日はこれで」と松井は席を立った。
ハンガーの入り口までつきあいがてら幾らか会話を交わして後藤が隊長室に戻ると茶器を片づけたしのぶが彼を振りかえった。
「もう定時間過ぎたわよ、一緒に食事でもしてくれば良かったのに」
「松井さんと?出来れば もう少し色のある方がいいんだけどね」
「・・・言ってなさい」
とぼけた風を装う同僚にしのぶは呆れた顔を向けると軽い溜息と共に踵を返して自席についた。
松井の車が走り去るのを見送った後藤がゆっくり窓から離れるとそのまま扉に向かって歩き出す。
その背中に「お疲れ様」と声を掛けると 振り返った後藤が苦笑いしながらポケットから小さな箱を取り出し「ちょっと休憩」と言いながら扉を潜っていった。
このまま待機任務に入るしのぶは机の書類を軽く束ねてぱらぱらと目を通しかけて、ふと手を止め彼の去った扉を凝視した。
ここが再編成されれば自ずと自分達の立場も変化するだろう、今の奇妙に充実した微温湯の様な職場環境がもうじき終わりを告げる事を感じて彼女もまた軽い寂寥感を感じた。
『私も彼らに毒された、ってことなのかしら・・・?』
何となくそう思い それが思った程嫌な感じがしない事に彼女自身が聊か驚きつつ微苦笑を浮かべる。
ここへ来た当初の彼らに対する自分の評価を思い返して 今後藤と同じ目線であの面々の将来を案じている自分を意外に思った。
彼の集めた破天荒なメンバーは今なら適材適所であったと思える。
その彼等を送り出す側に立つ時期が近付いている。
その事自体は何時か必ず訪れる事で 覚悟は何時でもしていなくてはいけないものだと分かっていても 手塩に掛けた彼等を手放す後藤の心情を思い しのぶはもう一度 深く大きな溜息を吐いた。
go to next....
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追記
ああ 潤いもへったくれもないし のあすまは名前しかでてこない(笑)
これだけ間をあけてこれかい、って内容でごめんなさい。
でも本筋すすめないと・・・
で 設定の記憶違いがここに来て響いていてものすごい悩んでます(^^;
公式資料と違ってるのはもう 突っ込まないでください~
反省してますから~(号泣)
次回はもう少し早く・・・って毎回そんなこと言ってますが・・・
努力します~
時間が足りなくて校正ちゃんとしてないので誤字脱字文章の変な所はあとでこっそり修正・・・するかも知れません(^^;
なにか一言頂けると 『かもし』に負けず頑張る気力が出ると思いますのでお時間ある方は是非よろしくお願いします(笑)
ツッジー 2010年05月12日(水)11時27分 編集・削除
隊長室の背景でてきたよ!!!
後藤さんとしのぶさんの会話っていいよねー!!
それに松井さんが加わるとまたいいねぇー(≧∇≦)
続き楽しみにしてます!!