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振袖と君と

新年明けましておめでとうござういます

今日は横浜の実家に着ています。
ネット環境に乏しいで更新はこれが手いっぱいです。

皆様のHPも家に帰ってから拝見させていただきますね~
暫しお待ちを~!!(って待ってない?! そんなこと言わないで~!!)

お返事やレスも大幅に遅れてしまうかと思いますがお許しを~!!

折角SSかいたのでこんなもので茶を濁してごめんなさい!

畳んでおきますのでそれでもいいわと言う方は続きをどうぞ♪

続き

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振袖と君と
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年末に北海道の実家から晴れ着を送ってきた。
お母ちゃんが若いころに袖を通したものだそうで柄は最近の華やかなものよりも少し落ち着いた緋色の振袖。

母曰く
「帰省できそうにないならそっちで袖を通しなさい」

未婚の内にしか着ることができない着物だけに実家に置いておいても袖を通す機会は少ないと踏んだ母親は着付け方すらまともに知らない我が娘に青味の強い帯とそのほか必要な小物はすべて送ってきた。
嵩張る荷物を前にして野明は腕組みをして考え込んだ。

今年もまた年末年始に帰省の許可が出るわけもなく精々取れて準待機止まりの休暇が関の山。
今日も今日とて遊馬と二人並んで隊員室に籠って昨日の報告書を書きながら野明は軽い溜息を吐いた。
「どうかしたのか?」
溜息を聞き咎めた遊馬が声を掛けた。
「何でも。今年もやっぱり年末年始に休暇はないなぁって」
苦笑しながら言う野明に遊馬は呆れた顔を見せた。
「何を今更。そんなのいつものことだろ」
「そうなんだけどさ、今年は田舎から晴れ着送ってきてたから。袖くらい通したかったじゃない?」
「晴れ着って・・・お前 成人式はもう終わってたよな?」
首を傾げる遊馬に野明は小さく肩を竦めて見せた。
「未婚の内しか着れないんだから帰ってこないならこっちで袖通しとけってさ」
「・・・成程ね、確かにその通りだけど、お前・・・結婚の予定なんてあるのか?」
「失礼だなぁ そりゃまぁ その内に・・・・」
フイッとそっぽを向いた野明の横顔を眺め遊馬は僅かに鼻白んだ。
「お前が結婚ねぇ・・・」
態と興味がなさそうに頭の後ろで手を組んで椅子の背に大きく凭れて嘯くと野明は微かに眉を寄せた。
「・・・まだ決まってないけどね、それはこれから・・・」
ため息交じりに言うと野明は小さく肩を落し軽い溜息をついた。
「ねぇ 遊馬、今年一緒に北海道 いかない?」
突然の発言内容に遊馬は驚いて目を瞬いた。
「俺が? なんで」
「うそ。冗談」
至極当然な問い掛けに野明は返答に困り一瞬自嘲気味な笑みを浮かべた。
その様子に遊馬は顔を顰め組んでいた腕を解くと姿勢を戻して野明に向き直った。
「なんだよ、本当にどうかしたのか?」
「ううん 何でもない。ごめん 変なこと言って」
そう言うとその話はお終いとばかりにクルリと椅子を回すと席を立った。
部屋を出ようとする野明の手を遊馬は反射的に掴む。
「おい、本当にどうしたんだよ?茶化したのは悪かった、謝る。だからちゃんと言いたいこと言えって」
「本当に何でもないんだって。少なくとも遊馬に言うことじゃ・・・ない」
小さくかぶりを振る野明に遊馬は渋面を作った。
「ちゃんと聞かなかったのは悪かったよ、で なんで北海道に一緒に行こうなんて発想になったんだ?」
訳の分からない不安感に遊馬が重ねて問うと野明は遊馬から目を逸らしてぼそりと言った。
「お見合い・・・することになると思うから・・・」
『まさか』と思う気持ちと『やっぱり』と思う気持ちが混ざり合って遊馬は複雑な表情を見せた。
その顔を迷惑と取った野明は物憂げな溜息を吐くと軽く肩を竦めた。
「うん ごめん。遊馬を巻き込むことじゃないね」
小さく笑うと野明は掴まれた手をやんわりと解いた。
一つ深呼吸すると殊更に勢いをつけて顔を上げくるりと踵を返した。
「お茶 入れてくるね」
そう言って逃げる様に部屋を出ようとした小柄な体を二の腕を掴んで引きもどした。
勢いをつけてそのまま自分の腕に収めると顔を見られない様に頭の上に顎を載せる様にして声を掛けた。
「・・・気が進まないのか? 見合い」
彼の顔を見ようとしても顔上げることができない野明は目線を下げて小さく頷いた。
「正直 ちょっとね」
「なら 断ればいいだろ?」
「無碍にし辛い相手なんだよ。昔からの取引先の息子さんでおとうちゃん乗り気だし」
「乗り気ったって、親父さんが結婚するわけじゃないんだ、当事者はお前だぞ」
遊馬の言葉に野明は黙って俯いた。
「分かってる・・・」
「・・・だったら・・・」
「地元の友達は結婚早い子も多いからお父ちゃん心配してるんだと思う、『東京で一人暮らしなんかしてロボット乗り回す様な娘に貰い手なんかつかない』って帰る度に言われてたから」
淡々と語り肩を竦める野明の様子を窺いつつ遊馬は考え込んだ。
「お前の年なら東京では寧ろ普通なんだけどな、30代半ばでも独身って人も珍しくないし」
「そうなんだけどね、同級生から『結婚します』とか 『しました』っていうのを聞くと気になるんだろうね、家 酒屋だから祝い酒なんかの注文で分かるじゃない、そういうの」
「・・・確かにな」
軽く頷くと遊馬は少し間をおいて野明に問い掛けた。
「それは分かったけど そういう話の流れで俺と一緒に北海道に帰るって言うのはどういうことになるか分かって言ってるか?」
問い質す様な声音に野明の体が強張ったのが手に取るように分かる。
その反応に遊馬は軽く目を伏せると小さく溜息を吐いた。
「なぁ、一緒に来てくれって言うのを一蹴するつもりはないけどな、見合いをしたくないから俺を同行させて見合い相手と親御さんを騙す、と言うのなら断るぞ。俺は兎も角それは親御さんにも先方にも失礼な話だろ」
至極当然な遊馬の言葉に野明は黙って俯いた。
遊馬の言うことは尤もで反論の余地はない。
それでも遊馬に声を掛けたのはたまたま近くにいたからという訳ではなかった。
少なくとも野明にとっては遊馬でなくてはならなかったし彼以外の人に声を掛けると言う選択肢は存在しなかったのだ。
しかし今までその事を口にしたことはただの一度もなかったのだから野明としては遊馬にこの場でそれを伝えるのは言い訳の様で気が進まなかった。
返答に困って俯いたまま野明は無意識に自分に回された遊馬の腕をぎゅっと掴んだ。
自分の腕を掴む野明の手が微かに震えているのを感じて遊馬は僅かに眉を顰め静かに息を吐きだした。
「・・・なにも責めてるつもりはねぇよ。気が進まないものを無理やり行け、と言うつもりもない。でもな、嘘を吐いてまで逃げたいなら正直に親父さんにそう言うべきだよ。今 俺が着いて行って一時的に見合いが回避されてもそれは根本的な解決にはならないだろう? このままにしておいたら今後また同じような話が手を変え品を変え出てくることになるにきまってるんだ。その度にそうやってその場限りの逃げ手を打つのは 限界があるぞ?」
遊馬の諭す様な声音に野明は泣きたい様な気持ちになる。
「逃げ手を打ってるつもりも嘘を吐くつもりも・・・ないよ」
呟く様な野明の声に遊馬の体が一瞬強張った。
「遊馬だから 言ったの。遊馬でなくちゃ駄目なの。他の人になんて・・・」
小刻みに震えながら言葉を絞り出す野明に回した遊馬の腕にぱたぱたと水滴が落ちた。
「・・・おい、野明? 」
窺う様な声音に野明は小さく首を振る。
「ごめん、自分の事なのに・・・遊馬を巻き込むのは間違ってるね」
その様子に遊馬は軽く溜息を吐いた。
「あのな、勘違いしてるなら訂正しておくけど、俺は何も『巻き込むな』と言った覚えはないぞ? ただな、一緒に行くならそれなりに確認したいことがあるってだけで」
そう言うと遊馬はそっと腕を解く。
「なぁ どうして俺なんだ?」
正面から瞳を見詰められた野明が小さく息を呑む。
「それは・・・・」
何か言いかける野明の言葉に被せる様に遊馬は言を継いだ。
「お前がどういう心算で俺に声を掛けたのかは知らないけど、俺はお前が好きだよ。だから 同行するのは吝かではない。けど・・・行くからにはカムフラージュとしてではなくて俺と付き合う気はあるか?」
彼の言葉に目を瞬き 野明は無言で遊馬の胸にぽんと飛び込んだ。
「あの・・・あります・・・けど本当にいいの? 遊馬?」
「ああ、いいよ。その代わりちゃんと野明の気持ちも聞かせろよ? ・・・俺を指名した理由は何?」
野明の顔を覗き込んで質問する遊馬に野明もまた漸く笑顔を返した。
「遊馬が・・・好きだから、ここを離れたくないの」
「了解。ちゃんと捕まえててやるから寧ろ逃げるなよ?」
そう言うと野明の後ろ頭に掌を回し軽く引き寄せた。
額に軽く唇を当てると一瞬で顔を朱に染めた彼女の体をそっと離した。
「勤務中だからな 今はここまで。続きは定時後に訊くよ」
遊馬は野明の耳元に軽く囁くと頭をそっと撫でた。
顔を朱に染めた野明が机に向き直るのを確認して遊馬は忍び笑いを漏らし自分もまた書類に向き直った。
「まずは今日の仕事 先に片づけようぜ」
声を掛け頬を真っ赤に染め頷く相棒を視界に捉えると遊馬はその背中をぽんと叩いた。

end

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今横浜の実家にきています~
予定外でつらいよう~

PCでしか確認できないものはすみませんがレス コメが大幅に遅れております・・・・
どうぞご容赦くださいませ~

ダイアルアップで強引にTOPを更新したらあまりの速度の遅さに驚いて料金いくらかかったんだろうというドキドキ感で一杯・・・
この技はHP閲覧には使えないなぁ・・・と実感です(^^;

コメント一覧

こんきち 2010年01月02日(土)21時05分 編集・削除

お茶濁すなんてとんでもないです(>▼<)
元旦からいいお話ありがとうございます。
正月から裏話かいてる自分がお恥かしいですわ。

さくら(こんきち様) 2010年01月02日(土)22時58分 編集・削除

>こんきちさま

ああ そう言っていただけてほっとしまhした(笑)
裏 早く自宅に帰って拝見したいです~!!
今日も横浜にいるんですよ、これが(^^;

4日から出勤のはずなので明日こそはお家に帰れる・・・はず?!

ツッジー 2010年01月02日(土)23時36分 編集・削除

お正月から熱いねぇー( *´艸`)クスッ♪
ストーブ要らないねこりゃ゚+o。((*^∀^))ニコッ。o+゚

瞳子 2010年01月02日(土)23時58分 編集・削除

あっちもこっちも甘々だ。O(≧∇≦)O !!

そして、こっそりと風杜さんはアウトオブ眼中だと言うことが暴露されてますね。(*≧m≦*)クスッ!!

さくら(ツッジー様) 2010年01月03日(日)00時29分 編集・削除

>ツッジーさま

ストーブ要らずですよね~
らぶらぶです♪
なかなかご訪問に上がれなくてごめんね~
家に帰ったら必ずっ!!!

さくら(瞳子様) 2010年01月03日(日)00時30分 編集・削除

>瞳子さま

本当にあっちもこっちもですよね(^^;
そして こっそりアウトオブ眼中ですねあ(笑)
ああ 不憫だぁぁぁ

そおた。 2010年01月03日(日)04時53分 編集・削除

「田舎だから周りが結婚が早い」とかその手の情報伝達の素早さとかはリアルに実感できますねえ。私はつべこべ言われる前にどうにかお相手が見つかりましたが(笑)。

この次にupなさった『待ってる』といい、とてもお茶濁しだなんて思えない素敵なお話ですvvv
新年早々、癒しをありがとうございますです~。
ご主人様、明日から仕事始めと言うことは、さすがに今日はご自宅に戻れそうでしょうか?
それはそれで何かと忙しい1日になりそうですが…コメント返信はいつでもいいので、まずはゆっくりなさって疲れをとって下さいね!

さくら(そおた。様) 2010年01月04日(月)11時48分 編集・削除

>そおた。さま

そうなんですよね、父の実家の付近がものすごい情報伝達網があってかなり驚いたのを覚えています。
あれは あの地域で犯罪が少ないわけだ、と納得もしましたが(笑)

SS両方見て下さってありがとうございます~
デジ絵を描くのは家以外では無理なので携帯からテキストちまちまでした(笑)

昨夜 10時過ぎに帰宅できまして今日は大忙しです、大量の洗濯とその他の雑務 一日が短すぎる~!!

非公開 2010年01月04日(月)22時14分 編集・削除

管理者にのみ公開されます。

さくら(内緒様) 2010年01月05日(火)00時49分 編集・削除

>内緒さま

どうでしょうか(^m^)
終わらなかったかもしれないですよねぇ(こら!)
一緒に行けば 絶対あっという間に広がりますよ、覚悟決めていかないといけないかもしれないですね(笑)

そして最大の難関・・・野明父であることは間違いないですよねっ!!!

それにしても メイドと執事のいるクレーンゲーム専門店・・・それはドン引きしますよね(^^;
本当に 秋葉原もそうですけど何でもメイドがいればいいってもんじゃないんですかねって思いますよ(苦笑)