恋に気づいた友愛のお題の4つめです
お題のタイトルの都合上ここから先3つまとめて話が一本につながります
なのでできるだけ間隔開けずに上げていきたいと思います(^^
恋に気づいた友愛のお題
04. 例えば君に恋人が出来たら
「篠原君と付き合ってるの?」
事ある毎にされる質問。
その度に同じ答えを返す。
「そんなんじゃないって。仕事のパートナーだよ」
大概皆 腑に落ちない顔をするけれど、実際そうなんだから仕方がない。
遊馬は仕事のパートナー。彼氏とか恋人とかそんな関係じゃない。
一緒にいる時間が長いのは互いに気を使わなくていい相手だからで気が楽だからだ。
一つ頷いて自分を納得させると野明は大きく伸びをして机の上にペタリと上体を倒すと小さくつぶやいた。
「だって・・・本当に何でもないんだもん」
軽く感じる寂寥感に目を瞑り小さなため息を吐くと手元の携帯電話を眺めた。
今日は非番。いつもならそろそろ電話がかかってきてもいい時間なのに今日に限ってそれは呼び出し音を鳴らすことがなかった。
昼を回っても連絡がないことに少なからず落胆して見るとも無しにTVを眺めていたが やはり携帯電話が気になってこまめに表示を確認していた。
そんな自分に聊か呆れもしたがかといって一人でどこかに出かける気も起きなくて部屋で膝を抱えていると、同僚の緑がドアをノックしてひょっこり顔を覗かせた。
「野明、珍しいね、部屋にいるの」
「入るね」と声をかけながら野明の隣に座ると手にしている携帯電話に目をとめて、「連絡待ち?」と小首を傾げた。
「そんなんじゃないんだけどね」
曖昧に笑う野明に緑は呆れた顔を見せた。
「気になるなら電話掛けたらいいのに」
「だから そんなんじゃないんだって。遊馬にだって用事があるんだろうし休みは常に一緒ってわけじゃないんだよ?」
拗ねた顔をした彼女に緑は吹き出した。
「ね 私『篠原君に』なんてひとことも言ってないよ?」
「・・・え?」
あからさまに動揺した野明は顔を朱に染めて俯いた。
「まぁ いいんだけどさ。いい加減付き合っちゃえばいいのに」
「だから そんな関係じゃないんだって」
強硬に言い張る野明に緑はため息交じりに忠告した。
「そんなこと言って 誰かにとられても知らないよ?」
「取られるも何も私のじゃないんだし。誰と付き合うも遊馬の自由だよ」
「後で泣いても知らないわよ?」
「泣きませんよ~。むしろ『おめでとう』ってエールおくっちゃうかも」
くすくすと笑って言うと緑は「まったく強情なんだから」と肩を竦めた。
「それはそうと今日 暇なんでしょ?ちょっと付き合ってよ」
「いいけど、どこに?」
「これ」
そう言ってカバンから出てきたのはきれいな印刷の施された二枚のチケット。
都内の高級ホテルのバイキングの招待券だった。
「うわ~ どうしたの?それ!」
「友達の結婚式に行った時にね 二次会のくじ引きでもらってきたの。期限があるから使っちゃわないとね」
にこっと笑う緑に二つ返事で快諾してすぐさま準備に取り掛かった。
少しだけドレスアップして 緑に化粧もしてもらってディナーの時間に間に合うように寮を出ると臨海地区にある高級ホテルに向かった。
おいしい料理をたくさん食べて少しロビーで寛いでいると緑の背後に見慣れた人影を見た気がした。
こんなところで見るはずはないと思う人影。
それも見慣れないスーツを着込んで・・・隣に女性を連れていた。
見間違えであって欲しいと思ったけれど 自分が彼を間違う筈がない確信もある。
視線を外すことができずにそのまま彼を見ていると 緑が怪訝な顔で後ろを振り返る。
少し離れた窓際の席に着く二人を目に留めて緑が思わず呟いた。
「・・・篠原・・くん?」
緑の口から出た名前に心臓がドクンと跳ねた。
心配そうな顔をする緑に無理やり作った笑顔を向ける。
「デートかな?」
発した声が少し震えた。
紳士的な落ち着いた態度で女性に応対する彼を見て息が詰まる思いがした。
『例えば彼に恋人ができたら?』、そんなこと本気で考えたことなんてなかった。
動揺して紙のように白く色を失った手が小刻みに震えるのを見て己が動揺の大きさを知る。
『そうなったら私は遊馬とどう接したらいい?』
自分に問いかけてみても想定していなかったことの答えは見出せることはなく野明はただ黙って一点を見つめていた。
END
(次のお題に続く♪)
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想定していないことに人間って結構弱い・・・私はそう思ってます。
ツッジー 2009年10月19日(月)09時21分 編集・削除
くぉぉぉぉぉーーらぁぁぁぁ!!!!!
遊馬、野明以外の誰とデートやねん!!!!!!!!!!!
野明も早く自分の気持ちに気付けばいいんだけどね・・・。