さて不在の第八弾
八王子行きが決まった野明ですが・・・・(笑)
外出先からのリモートUPなので掲示板の返信は後ほどさせていただきますね(^^)
以下本文
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不在 8
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SIDE-N(4)
遊馬に続いて野明もまた八王子行きを告げられた日、定時を少し回った頃に起きた湾岸線の多重衝突事故の処理に駆出された第二小隊の面々は日付が変わる頃になってようやく現場から解放された。
ニ課棟に戻ってきた頃には午前一時を少し回っていて、八王子行きを墨勇と遊馬に告げたかった野明は『メールだけでも送ろうか』とも考えたものの時間を考えて 『もし起こしてしまったら申し訳ないよね』と今夜の連絡を断念した。
シャワー室を使ってさっぱりたあと仮眠室で横になった頃にはもう2時を回っていて野明は携帯電話を眺めて遊馬からの連絡が無いことを少し残念に思いながら静かに目を閉じた。
翌朝、隊員室に野明が顔を出すと既に熊耳は席についていて何かの報告書を作成していた。
野明に気がつくと顔を上げ、時間を確認する。
「あら 早いわね」
まだ8時前であることに気づいて熊耳が笑顔を向けた。
「なんだか目が覚めちゃって」
頭をかきながら照れたように笑う野明に熊耳は好意的な笑顔を見せる。
「明日から八王子ね。今日までの報告書 提出お願いね」
「あ・・・はい。今日中に」
慌てて席に着く野明に「始業時間になってからでいいわよ」と言いながら熊耳はふと思い出したように言った。
「そういえば泉さん 一昨日の夜、仮眠室を抜け出していたでしょう?」
一昨日といわれて遊馬が夜中に訊ねて来た日の事だと思い当たりドキリとする。
その顔を見遣って熊耳はクスリと笑った。
「ごめんなさい、怒ってるんじゃないから身構えないでね。篠原君が八王子に行ってから気落ちしてるみたいで気になってたものだから」
野明は熊耳にまでそう思われていたことに少しバツの悪い思いがした。
「すみません、そんなに変でした?」
「変というか、不安そうだったわね、やっぱり篠原君が居ないと調子が出ない?」
野明は顔に朱を上らせて視線を遊馬の机に向ける。
「・・・パートナーですから」
「そうね、いいパートナー同士だと思うわ」
「でも 進士さんと熊耳さんの指揮に不安や不満があるわけではないんですよ?」
言い訳をするように上目遣いで様子を見る野明に熊耳は「ならよかったわ」といい遊馬の机を見遣る。
「でも 他の人では仕事のフォローは出来ても心の隙間は埋められないってことかしら?」
野明は驚いた顔をして熊耳を振り返った。
「確かに『そんなところで泣きながら寝てたら構いたくなっちゃう』ものね?」
悪戯っ子のような笑顔を向ける熊耳を、野明は耳の端まで赤くなりながら見返した。
「く・・・熊耳さん・・・?」
動揺して言葉に詰まる野明を愉しそうに見ながらからかうような口調で言った。
「いいわよね~ 若いって。私もあと10若かったらなぁ・・・」
それを聞いた野明は吃驚して立ち上がってしまった。
『ど どこから・・・というかどこまで見てたんだろう・・・??』
野明の慌てふためく様子に熊耳は肩を震わせて笑う。
「心配しなくても年下に興味はないわよ? とにかく明日からは顔見れるみたいだし頑張ってらっしゃいな」
野明が絶句する中、熊耳がコロコロと笑い声を立てていると太田以下、二課の面々が次々と隊員室に入ってきた。
怪訝な顔をする一同に熊耳はそ知らぬふりで書類に目を戻し、野明も慌てて席に座りなおした。
『熊耳さんにばれてるなら きっと隊長も気づいてるよねぇ・・・』そう思うと野明は顔から火が出そうなほど恥かしかった。
そこへ隊長が入ってきて朝のミーティングが始まりこの時初めて野明も篠原に出向することが皆に告げられた。
バタバタと一日が過ぎて報告書と日報を書き上げると承認を貰うべく野明は書類を束ねて熊耳に手渡し、受け取った熊耳はざっと目を通すと「はい ごくろうさま」と笑顔をみせた。
「じゃ、頑張ってきてね」
「はい、行ってきます。それと留守中宜しくお願いします」
丁寧に頭を下げる野明に熊耳がクスリと笑った。
小首を傾げる野明に優しげな目を向ける。
「篠原君が八王子に行く前にもこうやって頭を下げていったのよ」
「遊馬がですか?」
「『留守中、野明とアルフォンスを宜しくお願いします』って」
野明の頬が朱に染まったの見て微笑ましいと思う一方で焦れったさも感じる二人の関係に熊耳は懐かしさと僅かな羨望を感じて一言 添えた。
「大事にされてるわね、貴方も一号機も。じゃ 気をつけて」
その言葉に笑顔で頷くと「お先に失礼します」と隊員室を後にした。
ニ課棟を出て寮に帰ると当座の荷物を纏める。
テストパイロットとして呼ばれていることは解るのだがその職種の業務体制がどうなっているのかわからない野明は差し当たり金曜までの二日分、荷物を纏めて鞄に入れた。
帰宅できそうならそうすればいいし 無理そうなら八王子駅近辺のビジネスホテルに宿泊できる程度の小さな荷物をつくり一段落したところで時計を確認した。
午後7時。この時間ならば平気かなと思い 墨勇に連絡を入れた。
少し遅めの夕食を一緒に摂りながら野明は思い切って墨勇に声を掛けた。
「ね、遊馬に会ったの?」
拗ねるような顔で言う野明を墨勇はさらりとかわす。
「会ったよ。携帯 渡してもらったんだろう?」
「・・・机に置いてあった」
墨勇は軽く目を瞠る。
「逢えなかったのか? 折角宿直の日を選んで頼んだのに」
野明は『やっぱり』と思って軽く息を吐いた。
「逢ったわよ。でも 墨勇のことには一言も触れなかったの。遊馬が帰ったあとで携帯が机に置いてあることに気づいたから会ったんじゃないかって。」
墨勇は少し考えてからクスリと笑った。
「なるほどね。で 彼はなんて?」
「・・・顔見に来たって」
「良かったじゃないか。で 野明の不安は解消できたのか?」
「それは・・・うん。一つはね」
歯切れの悪い物言いをする野明の顔を覗いて墨勇は先を促す。
「じゃ 何かまだ気になることがあるのか?」
野明は考え込むように首を傾げる。
「というか・・・心配になっちゃったんだよね。遊馬この一ヶ月で目に見えて痩せた気がして」
墨勇は遊馬の容姿を思い出し、『確かに精悍な顔立ちだったけどな』と思う。
少なくとも自分の前では疲れた様子を見せなかった彼。
あれは彼なりの警戒なんだろうと思い至って思わず苦笑した。
「でもあと少しで戻ってくるんだろう?」
「うん そのはずなんだけど・・・実はね墨勇、私も明日から八王子に行くことになっちゃったんだ」
「ごめんね」という言葉を添えて告げると、墨勇は聊か残念そうな顔をした。
「仕事じゃ仕方ないさ」
「でも来週半ばには帰ってくることになってるんだよ、予定では。墨勇はいつまでこっちに居るんだっけ?」
「あと2週間弱ってとこだな」
「じゃ 帰ってきたらまた一度会えるといいね」
「そうだな。今度は彼もつれて来いよ。二人で出歩いて妬かれても面倒だろう?」
墨勇が軽やかに笑うと野明は小首を傾げる。
「それは無いんじゃない?でも声は掛けてみる」
『野明が思っている以上に彼は妬きもちやきなんだぞ。』と思ったが墨勇はちょっとだけ悔しくて口に出しはしなかった。
時間が10時近くを指してお互いが帰路に着く。
駅の改札をくぐろうとする野明の背中に墨勇が声を掛けた。
「頑張ってこいよ。遊馬くんに宜しく」
野明はコクンと頷いて大きく手を振りながら改札を通り抜けた。
墨勇が遊馬を 思った以上に評価していたことが嬉しくて少し足取りが軽くなった。
寮について遊馬の携帯を鳴らしてみたが電話に出る様子が無かったのでそのまま電話を切る。
「明日から行きます」と伝えたかったけれど、「明日になればわかることだし」と自分を納得させて遅刻しないようにと早めに眠りについた。
翌朝 野明はスッキリと目を覚ますと隊長と8時に八王子の駅で待ち合わせをしているので6時には身支度を整えて寮を出る。
途中乗り換えを何度か人に聞いたりして15分ほど前に駅に到着した。
携帯電話を確認すると遊馬から短いメールが着信していた。
『悪い 徹夜してて気づかなかった なんかあったか? 遊馬』
野明は相当忙しいんだなと思い軽く溜息をつくと遊馬に返信を打とうと携帯を持ち直した。
その時背後から 「泉 早かったのね」と気の抜けるような声がして後藤が姿を現し、野明は返信を断念すると携帯電話を鞄に仕舞った。
隊長と並んで八王子工場に入り実山さんと面会する。
以前よりも元気が無い様子に野明が首を傾げると実山は後藤に向って「この間は すみませんでした」といい野明を見遣る。
「今回はああいうことの無いように気をつけますから」
「いえいえ お気になさらず。篠原も頑張っているようで何よりですよ」
嘯く後藤に実山は肩を竦めた。
「遊馬さんには本当に・・・躰を大事にしてもらわないといけないんですけどね・・・」
その様子を怪訝な顔で見ていた野明に後藤は声を掛けた。
「ま、色々あるんだわ、泉もへらへら浮かれてるんじゃないよ? 忙しいんだから」
神妙に頷く野明に実山は「じゃ これから来週半ばまで宜しくお願いします」と手を差し出した。
「こちらこそ 宜しくお願いします」
握手を交わすと 実山は部屋の扉を開けた。
「早速ラボにご案内します」
野明は 実山と後藤に続いてラボに向うを廊下を歩き出した。
go to next....
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追記
さて 次回は遊馬とご対面?!
ではでは 続きはのんびりおまちくださいね~(^^)
そおた。 2009年09月09日(水)12時32分 編集・削除
さくらさま、遠足お疲れ様でした〜★
私も下の子が3歳になるまでは、2人連れての遠足は2倍どころか5倍くらい疲れ果てて帰ってきた覚えが…。
(今年は末っ子ひとりだ!わーい)
何気にサイト巡りしていたら、upの5分後に気づきましたよ!
ラッキー♪拝見しながらランチタイムを優雅に過ごしましたです。
熊耳さんのささやかなからかいかたがいいっすね!さすがは余裕ありありのお姉さまです。
きっと野明は妹みたいなもんなのでしょうね〜。
さて次回は久々に2人が会えるのでしょうか?
お互いがどんな反応するのか楽しみですぅぅvvv