俺クワ日記
大分から質問のメール [2000年01月13日(木)]
大分在住の31歳、妻あり、Tさんという方からメールを頂きました。


HP見させて頂きました。
「採った、育った」というHPが多い中で、何故?という疑問点を提示されていて、
なかなか興味を持ちました。まだ意見を言えるほどのオオクワの経験がないので、
ご期待に添えるほどの内容ではないのですが、福岡からのHPのようなので、隣だな
ぁと思い、メールさせていただきます。

子どもの頃、夏は専ら虫取りをしてましたが、大分はクワガタと言えば、ノコとコク
ワばかりでした。ヒラタは名前を知ってても見たことがない存在でした。オオクワは
一度だけ従兄弟にもらったことがあります。
やはりみんなと一緒で、越冬などの知識はなく、一度だけ12月になっても生きている
コクワを哀れに思い、逃がしてやった経験があるくらいです。

中学に入り、虫取りは気恥ずかしくて出来なくなり、たまに道ばたで捕まえたノコで
遊んだりしてましたが、飼うまではいたらず。
高校、大学と行動範囲が広がると、道沿いのクヌギに惹かれながらも「いやそんな
ものには興味ないよ」というふりをしつつも、やはり気になり、車を止め、虫探し。
見つけて喜ぶくらいでした。
就職すると忙しくて、虫どころではなくなり。結婚して「さて、何か趣味を持たなけ
れば」と思い立ちました。
趣味と言えば阪神タイガースとバイクでよかったのですが、冬も楽しめる趣味がいい
なと思っていたところに、先輩が「月刊むし」のクワガタ特集号を持ってきました。
「クワガタは越冬する!!」子どもの頃は不可能とされていた「クワガタの累代!!」 
「オオクワガタが売買されている!!」まさに目からウロコが落ちる思いでした。

「これなら、冬も幼虫で遊べる!!!」とばかりに押さえ込んでいた、昆虫採集の意欲
がふつふつと沸いてきて、再び虫取りにどっぷり浸かることになった次第です。

「基本は採集にあり」
子どもの頃から虫は採るものであったため、とにかく採集から入りました。
カブト、ノコ、コクワは採れましたが、やはりヒラタだけはいません。
「大分市にはいなくても、中津にはいるらしい」と中津に出かけ、足掛けウン年、
去年秋、やっとの思いで、小さなペアを採集に成功しました。
その後、産卵しましたが、時期が遅く、産卵数は8個、孵化したのは7匹、今生
きてるのは恐らく4匹です。
初齢の死亡率がやはり高く、このままでは羽化までこぎ着けないのではと、ちょ
っとと焦っています。そして、幼虫のことをもっと知らなければと、今度は朽ち
木からの幼虫採集に目覚めてしまいました。

また「大分にもオオクワはいるはず」と探していますがまだ見つかりません。こ
のままではオオクワに出会うのはいつの日か?と思っていた所にネットで知り合
った方から幼虫を2匹頂き、仕事のツテでまた2匹手に入れ、今は4匹で慎ましく
飼育を楽しんでいます。

福岡にはヒラタが多いと聞きます。筑豊出身の先輩も”子どもの頃はコクワとヒ
ラタばかりで、ノコの大型は大分で初めて採集した”と言っていました。
つまり福岡で朽ち木採集、特に根掘りをするとかなりの確率でヒラタが採れるの
だと思うのです。
僕はヒラタの幼虫が欲しくて中津等で根掘りをしてますが、ノコとヒラタの幼虫
の区別がつきません。
多い地区ならばコクワとヒラタ、ノコなどの幼虫の区別を付ける方法を何かご存
じではないかと思ったのですが如何でしょうか?

もう一つ、
佐賀産のオオクワは”川原のヤナギ”が有名です。本州の台場クヌギも有名です
が、大分にはどちらもありません。
椎茸で有名な県ですので、くぬぎ林は多いですが、全体に細く、手入れがしっか
りされ過ぎています。
(ほだ木は確かにおおく、コクワの幼虫と、マットを作る材料には事欠きません
が。)
この手入れのなされ過ぎた環境というのはやはりオオクワには向かないのでしょ
うか?


冒頭の幼少時代の話、共感できる部分が「多々」ありました。
あのまま、格好なんかつけずに、クワガタを飼っていれば、今、こんなに苦労せ
ずに済んだだろうに・・・と後悔しきりです。
一方で、当時の情報量を考えると、「越冬」「産卵」「累代」の壁はクリアでき
なかっただろうと改めて思う次第です。

さて質問ですが、
まずヒラタとノコの幼虫の違い。
「う〜ん」思わず唸ってしまいました。この2種についても、もう4年くらい累
代飼育していますが、この違いを文章化するのは非常に難しい。
まずご存知の通り、共に「根食い」です。
しかし微妙に食うものの硬さに違いがあるようです。
ヒラタはオオクワに近く、ノコはカブトに近いとでも言いましょうか。
我が家では、2種とも、オガクズに薄力粉を添加した無発酵のものを食わせてい
ますが、ヒラタの方が合うようです。
つまり、ヒラタの方が、ノコより硬いもの食べている。これは幼虫のアゴの形に
も反映されています。ヒラタは直線に近く、ノコは先端部に曲線が見られます。
体の色も、ノコはカブトに近い、乳白色。ヒラタは白を基調にしています。
分かっていただけたでしょうか?今まで述べてきたのは、あくまで「相対的に」
です。

もう一つの質問。
よく整備されたクヌギにはオオクワはつかない?ですが。
私も大分に採集に行ったことがあります。
そこでの感想は、よく整備されてる、つまり若い木が多いな、ということでした。
若くて細い木には、ノコそしてミヤマが多く見られます。
一方、福岡は、相対的に「放置」されたクヌギが多く、太い木が多いということ。
道に開けたクヌギの木にクワガタがつきます。やはり奥にある、荒れ過ぎたクヌギ
にはつきにくいようです。

これらの事から想像するに、「クワガタの足の長さ」に関係してるのではないか、
ということです。
やはり足の短い、ヒラタやオオクワは、若くて、細い木には向かないのではないの
でしょうか。

これは、あくまで「俺クワ」の私見です。どうぞ、読者皆さんの意見もお聞かせ下
さい。



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