俺クワ日記
材割り鑑定、ヒラタとノコ、どっちがどっち? [2000年01月15日(土)]

直下の、大分にお住まいのTさんの質問について、「俺クワ」に集う、私、俺
クワより材割りに関して「一日の長」がある「先生方」に直接、問い合わせて
みました。

まず、静岡にお住まいのFさんの見解。

ヒラタの居る場所は、河川敷に多く、次回は天竜川の河川敷に行く予定です。
砂混じりの所の柳の木に住み、周辺の立ち枯れの朽木の根の部分に居ます。
上の部分の樹皮のすぐ下のあまり深く無いところは、ほぼ間違い無くコクワで
す。木も柔らかいところに居ます。
また、シイタケのホダ木に入っているのは、ほぼコクワです。現在の気温では、
不凍液を貯めこんで、透き通っています。
それに比べヒラタは、土の中1m程度までの深さの地中の根部にすんでいて、
体も、白っぽくて、現在の気温でも、黒く糞を貯め込んでいることが多く、頭
の色が、オレンジ色で、コクワに比べて濃い色をしています。
2令の初期までは、区別が難しいのですが、2令後期以降は、ヒラタは頭の幅
も大きくなっており、容易に判別可能となります。
顎の形は、オオクワ、ヒラタ、コクワは、ほぼ同じ形をしています。形による
判断はできません。
オオクワは、より乾燥した硬い立ち枯れに住んでいます。
前回は、愛知・岐阜県境の河川敷に行きました。噂は某ショップ等で聞きつけ、
仲間が昨年の夏に、事前に下見をしており、確信を持って出掛けました。
明らかに高い場所(地上2m程度)で、且つ硬い朽木から、出ていますし、頭
の色がも濃く、しかもお尻が縦割れしています。
顎も、真っ直ぐですから、ほぼ間違い無くオオクワですね。卵巣が見えていま
すから、メスだと思われます。
ノコギリは、もう少し山合いのカブトの居るような林に住む傾向が有り、土の
中の根部にいます。砂や、川砂利の所に生えている木には少ないですね。頭も、
オレンジ色をしていて、ヒラタより、おでこが、出てやや丸いのが特徴です。
顎も、やや内側に湾曲しています。
ミヤマも同じく内側に曲がっています。しかし、ミヤマは、断然毛深く、カブ
トに近い腐葉土化したような処を好んでいるようです。山あいの、ヒグラシや、
サワガニが住んで居るようなところです。
累代の飼育ものに比べて天然の幼虫は、毛深い傾向が有ります。瓶の中の幼虫
は、ツルンとしています。


次は、北九州市にお住まいのTさんの見解。

ヒラタクワガタの朽ち木採集の場合は、じめじめした湿った木で、木の根元が
多いようです。
又、乾燥している朽ち木で、クヌギ・エノキ・柳・サクラの木には、おおくわ
がたの幼虫がいます。
おおくわがたの場合は、根っこのほうではなく、高い場所で、朽ちている場所
を好んで産卵するみたいですね。


いかがでしょうか?
HP「俺クワ」のコンセプトは経験に基づく「飼育のコツ」を提示すること。
図鑑の類、特にクワガタ、カブトムシ関係のものは、当初は学者の経験による
コメントであったのでしょうが、それが転載を繰り返すうちに、現実から遊離
した、現場の要求を無視した記述に帰着していることは否定できません。
今回、お2人に依頼したのは、いわば「血の通った」朽ち木割り採集のコツを
伝授していただくためです。

これからも遠慮なく質問をお寄せ下さい。
俺クワひとりの経験で賄えないときは、その道のプロ?を探すつもりです。


BACKで戻って下さい