出張・あんだ〜ば〜EX 〜ねじばな様へ part.3〜
※注意......
この作品は著者・猫斗犬の作品『あんだ〜ば〜EX』のキャラクタたちが、
いろいろなかたがたの作品に出張してくるという設定を元に書いた作品です。
ですので、元となる作品を読まないとその作品の面白さは半減すると思います。
という訳で…みなさん…その作品を読みに行きましょう。
いいえ!是非、行くべきです!!!!!
元となった作品:ねじばな様の[わかりやすい 四王:15回目]
>シルファは、取り敢えずウィンディナの紅茶を待つことにした。
そして、ウィンディナが戻ってきた。紅茶と………20枚ほどの束ねた書類を持って…
「…………あの……シルファ様……」
「ん?どうかしたの?ウィンディナ?」
まず先にシルファのデスクに紅茶を置いて、彼女の部下・光神官(今は冥王神官でもあるが)は
口を開いた。
「これ…先ほど届いた書類なのですが…」
「ん?…書類?…………何の?………………」
シルファがウィンディナからその書類を受け取り、その1枚目をめくったあたりで思わず動きが
固まった。
* * * * *
「これは…どういうことかしら…出来れば、くわーーーーーーしく…報告して欲しいんだけど(にっこり)」
彼女は目の前に立つ二人に書類を見せた。
「…副会長…目が笑ってるようで…思いっきり…座ってますよ…」
黒に近い紺色のGジャンにGパン、その中には一枚の黒のTシャツというかなり寒そうな格好の
少年・田中達也(15歳)は頬のあたりを指でぽりょぽりょと掻きながらこっそりと呟く。
その腕にはキラリと輝くブルーメタリックの腕時計。
『S.T.S』特別級資格者・トラブルコンサルタントで、その幼い顔のつくりの上、女の子の
ような容姿とは裏腹に、その運動能力と知識・魔道能力は計り知れない。
彼の見た目に油断した反逆者は、どれだけ滅ぼされたか…
「ええええぇぇぇーーーー!目が座るんですか!!それって正座ですか?あぐらですか?それとも
体育座り?」
ごごがすっ
回転レシーブ!(ボールはアイン)+ 踵落し!
「きゅううぅぅぅ〜………」
達也の逆襲(?)に『S.T.S』α級資格者・アイン=バーグスは沈黙した。
まあ、生きてるので彼女のことはほっときましょう。
「ほんとにもう…あなたたちは…」
「いや…そういっても”反逆者”がらみだったわけですし…ほ…ほら…不可抗力…だったかな…ま
あそう言うやつで…」
「だからって、1世界で竜巻は起こすは大津波を起こすは、都市管理コンピュータの大元を片っ端
からぷち壊し、最後に一つの山を吹き飛ばす?」
「あはははは…いやー、あん時は驚きやした。世界最大の山が一瞬で世界最小になっちゃいますし…」
「いやーじゃないでしょ。そのためにどれだけの歪みが生じたと思ってるの?」
「思い切って126ロクロン」
「違います、1260ロクロンです」
「ち、惜しい。1桁間違ったか」
「………………おひ…」
ロクロンとは次元の歪みの大きさ。昔から次元の歪みは自然に起こるのが当然だが…その自然に
起こる歪みが1ロクロンと考えられている。
つまり、彼、達也がやったことはとんでもないことなのだが…
まあ、彼が主張している”反逆者”絡みの事件は、このぐらいの歪みが発生するのが普通。
…彼の場合はやりすぎってこともあるが…
「反省ってもの知ってます?」
「無いんじゃないんですか…」
いつの間に復活したか、シルファの言葉にアインが言葉を上乗せする。
「アインちゃん…その半分はあなたが起こしたって報告書にはあるけど…」
「えええーーーー!そんなはずはありません!!これは誰かの陰謀です!!!」
『嘘つけっ!!!』
思わずハモル、シルファと達也の突っ込み。
「しっかりちゃっかり次元砲、ぶっ放したくせに!」
「と・に・か・くっ!反省の色が見えないので、罰としてある仕事をしてもらいます」
「あたしもですかあ〜シルファおばさ…」
ぶぼおおおぉぉーーー!!
自然発火するアイン。轟々と燃える。
「お姉さまでしょ。アインちゃん(はあと)」
「ごめんなさい…シルファお姉さま…(ぷすぷす…ちょっぴし焦げてる)」
「(何故。あれだけの火力に、ちょっぴりだけしか焦げてないんだ?こいつは…不可解だ)」
「ま…とりあえず…二人とも事後処理ぐらいはやってもらうわよ(にっこり)」
「え?事後処理ですか?(……副会長…その笑顔…めちゃくちゃ怖いぞ………)」
「……………あう…(ぷすぷすぷすぷす)」
「もちろん。やってくれるわよね(さらににっこり)」
にこにこにこにこ………無言の笑み。
『……………………………………はい…』
「…あとは…ここにある書類の手伝い…」
『ええええええええええぇぇぇぇぇぇーーーーーーー!!!』
「…な…何いきなり大声出して…」
「大声ぐらい出したくないりますよ!!」
「ここの書類の手伝い…ってあの伝説のお仕置きコースだろおーーー!んなのやったら死んじまう!!」
「…ちょと待った…何?その…伝説のお仕置きコース…って…」
『エル会長(お母様)の最大最強お仕置きコース』
「は?」
「噂では…どっかの世界の神と魔王にお仕置きとして「1日手伝ってきなさい」ってエル会長に言
われて手伝ったのはいいが、手伝いを終えた二人はひねくれて手と手を結び反逆者となった、伝説
の書類運び!!」
「書類運びだけで何でひねくれるのよ!そいつらは!!」
「その書類、惑星3つ分ぐらいあたって…あとがきにそう書いてたぞ!」
「いや…確かに…そのぐらいの書類はあるけど…って言うか!何?そのあとがきって!!」
「その他に、またまたエルお母様に言われて行った、魔王が1日・滅びる一歩手前まで手伝い、何
とか帰っていったのはいいが…回復もしていないその直後、伝説の勇者にあっけなく滅ぼされた…
と言う伝説のファイル閉じ!!もちろん惑星3つ分ぐらいの書類です。そうなるのも解らなくもあ
りません!!!」
「……………………」
ファイル閉じだけで…滅びる一歩手前までいくとは…恐ろしき書類整理…
「まだあるぞ!…幻のハンコ押し…」
「いえいえ…それよりも…恐怖のインク詰め替え作業…」
二人の伝説話は延々と2時間は続く──
──で──1週間と3日がたった今──
「はい…追加ですよ(はあと)」
ずんっ!
「…あ゛う…」
1日、18時間(さすがに達也は人間なので睡眠時間は貰っている)
ちなみに、アインの方は3日ほど前にAIチップがショートしてしまい脱落中──
今日一日で、すでに5時間たち。ぶっとおしでやっと半分ほどまでに減ったと思ったその書類。
フィアリーナが、にこにこ顔で残りの4倍ほどの書類を置いた時は、彼は本気でめまいを起こし
た幻覚に襲われる。
いや…もしかしたら…幻覚に襲われたままで、彼は今も仕事をしているのかもしれない。
「今日はまた一段と書類が多いんれすけど…」
「気にしないでくださいね(はあと)あなたの妹さんが作ったクッキーでいきなり滅んだ××××
の魔王さんの世界の修復に関する書類ですから(はーと)」
「あ〜の〜や〜ろ〜っ!!!!!!!」
クッキーで滅びる魔王って…
「…あ…ちなみに…彼女が歪ました大きさは5000ロクロンほどなので…たいしたことではあり
ませんよ(はあと)」
「オレの3倍以上やないか!!!!
それより…どうやって、異世界にいったんだ!あいつは!!」
「エル姉が…転位のブレスレットあげたみたいだけど…」
「会長のやつはあ〜!いったい何を考えてるんだあーー!!!!!!!!」
「……何も考えてないんじゃない?多分?面白そうって理由で…」
「…しくしく…」
「それにしても…」
シルファが周りを見渡す。そこには、今日だけの書類の山。
「いや〜。達也がここまで使えるなんてねぇ(はあと)しかもまだ元気!」
シルファが仕事もせずにゆったりとしながら、そう言うとウィンディナが入れた紅茶を一口含んだ。
「本当です…彼のおかげでシルファ様も仕事にゆとりがもてるようになされたのですもの(はあと)」
「こーなるんだったら…もっと早くから…手伝ってもらえばよかったわ(はあと)」
「そうですね(はあと)」
「…手伝うって…お二人さん…今日仕事してないだろう…」
『気のせいよ(はあと×2)』
「ハモルな…」
「って…そういえば…」
「何?副会長?そういえばって…」
「あ…うーん…なんでもないわ…」
「いや…今の言い回し…すんごくきになるんすけど…」
「本当に聞きたい?」
「…………………………一様…」
「どうも…舞ちゃん…ユニットちゃんと一緒にいるみたいだけど…」
「…………………………………」
「これから…ますます…増えるんじゃないかしら。書類…」
「…………………………………しくしく…助けて神様…」
神様でも…こればかりは無理なのでは?
いや…それ以前にその辺の神様より偉大なわけですし…彼女も…ユニットも…
──後──
先ほど追加された書類の10倍の書類が届けられた…
ただし、シルファに言わせれば…彼女がかかわった割には、書類が少ないほうだったとか…