出張・あんだ〜ば〜EX 〜かお様へ part.1〜
※注意......
この作品は著者・猫斗犬の作品『あんだ〜ば〜EX』のキャラクタたちが、
いろいろなかたがたの作品に出張してくるという設定を元に書いた作品です。
ですので、元となる作品を読まないとその作品の面白さは半減すると思います。
という訳で…みなさん…その作品を読みに行きましょう。
いいえ!是非、行くべきです!!!!!
元となった作品:かお様の[リナの約束:其の4]
あら?
リナが帰ってまだ1時間もたっていないだろうか…
突如、宮殿内に3つの人の気配が…いや…もう一人か…現れたのをあたし
は感じた。
今日は面白い日ね…人間の身でここに来れたのはリナが初めてだったけど、
彼女が帰った後に更に3人がやってくるなんて…どれ…その気配のある場所
を見てみる。
「だあああああ〜離せ〜アイン〜」
「…まあ…まあ…」
おや…おや…
一人の少年が今のあたしと同じ容姿をした美人にひきづられている。
その隣に、少年と同じマスクの少女が逃げようと躍起になっており、その
彼女と面影のある、美女が加えタバコをしながら、少女を猫持ち(服の襟首)
し、何事もないかのように歩いている。
「お願いだからお姉ちゃん…離して!これから舞はいい子になるから…」
「絶対無理だから、却下!」
「絶対、そんなことない!!」
「有希ネエの言うとおりだな…それだけは断言できる!」
その言葉に先ほどまで騒いでいた少年は静かになり、こくこくとうなずい
ていたりする。
あ…アインちゃんもうなずいてるし(はあと)
アイン──
正式名・感情登録知性体─DWMM─変船『アイン』。
あたしが…暇つぶしと空間の歪みの修正作業をめんどくさがった理由で作
り上げた、次空間セキュリティ会社『S.T.S』で生まれた人形である。
まあ…人形と言っても…ちゃんと感情も兼ね備えてるけど…ちなみにこの
子のボディは今のあたしに似せて作られている。
そして、4人がここに来られたのも、この子の力であり…次空間転移装置
が体の中に組み込まれているのである。
「L〜遊びにきたわよおおおおぉぉぉ(はーと)」
有希の声が部屋に響き渡る。
有希。神楽有希。
人間であり、先ほどから騒いでいる少年と少女の姉…但し彼女は養女であ
る…24歳。
職業は刑事で、暇つぶしにあたしが彼女の世界に遊びに行ったおり、意気
投合し、世界中の酒を飲み交わした飲み友達である。
しかも、人間であるにもかかわらず、あたしの正体をすぐに見抜いた数少
ない一人でもある。
追伸。
彼女のお酒に対するこだわりはあたしに匹敵する。
「ご無沙汰しております〜お母様〜」
ドアを潜り抜けたとたんこちらへと駆け寄るアイン。
「おい…ちょっとまて…アイン…」
達也が思わず呼び戻そうとする。
だが遅い──
「てぃっ!」
ごべっ
アインの顔にめり込む拳…う〜ん…いい音。
『…あ〜…やっぱひ…』
はもる3人。
「ひどいっ!お母様突然何をっ!」
あ…もう復活した…
「愛のむちに人権はないわ」
あたしのにこやかな声に、
「ごめんなさい。お母様。わたしが間違いでしたわ」
即、誤るアイン。なお、あたしの右手に宿る闇に恐れてのことではない。
「わかればよろしい」
(むちはむちでも…無知のむちだったりして…)
「達也…心、読めてるわよ…」
「げ…」
達也。田中達也。有希の9つ下の弟。
性格はまじめ…と言うわけではないが…身近の人々たちがたちだったため
大人顔負けの知識とその冷静さを持っている。
ま、そんなわけで…あたしが作った『S.T.S』トラブルコンサルタン
トになれたわけなのだが…
若干15歳でトラコンのトップメンバーにまでになるのだから、その実力、
そして隠された才能は計り知れないだろう。
追伸。
恋人…彼はまだ告白はしてないが…の事でからかうと可愛い反応を示す。
ちなみに彼らが住む世界はリナの世界とは若干違っていて、3つの世界か
ら成り立っている場所である。
しかも、更におかしいことが重なり、3つの世界が1つにつながってしま
い、3人の神と3人の魔王たちはそれぞれが、光・闇・火・水・雷/風・大
地の精霊王となりこの世界を統一した。
そんな世界にくらす人間が知りうる限りの最強・魔法を達也は使えたりす
るのだが…
「久しぶりね…有希…達也に舞(はあと)」
「…ど…どうも…ご無沙汰っす…会長…」
そうそう…あたしは『S.T.S』の会長も勤めているため、達也はあた
しをそう呼ぶのだ。
「…こ…こんにちはです…L様…」
汗を流しつつ、挨拶する舞。
田中舞──芸名・香純舞。
達也とは双子でその妹。
芸名があるとおりアイドルをやっており、結構、人気があるらしい。
達也とは性格が対象的で単純で子供っぽい。
明るく、行動力はぴか一……それが裏目に出ることもあるが…
追伸。
料理は壊滅的だそうだが…あたしが食べてみた限り、そんなふうには思わ
なかったが…
「という訳でL。早速だけど…」
「わかってるわ有希…と言う訳だしね(はあと)」
『何がという訳?』
達也と舞。
『…宴会よ!!!!』
「おうっ!」
あたしと有希の号令に、元気よく答えるアインに──
どだだだだだだだだだだだだだだだだだ…
「…あ…逃げた…」
…達也と舞。
…まったく…往生際の悪い子たちねぇ…空間を捻じ曲げる。
「どわああああああああああーーー!!!!」
「んきょわああああああああーーー!!!!」
上空から落ちてくる二人。
「だめよ…2人とも恥ずかしがってたら…それじゃあ…この世の中を生きて
いけないわよ(はあと)」
「恥ずかしがってません!」
「未成年に酒を飲ます気か!あんたらは!」
「刑事である姉のあたしが許す(はーと)」
「すべての母であるあたしが許す(はーと)」
『許すなあーーー!!!!!』
つまらないが…何とかかんとか…お酒だけは勘弁してもらった達也と舞…
その間にあたしと有希のご褒美タイムもあったが…はジュースを飲みながら
の宴会に加わっている。
「しかし…オレや舞はジュースだけど…そのペースと…有希ネエと会長の酒
を飲むペースが違うのは何故なんだ?」
「そりゃあ…ジュースとお酒じゃあねぇ…」
「………いや…あのな…酒のペースがジュースのペースより10倍も速いん
ですけど…」
「気のせいよ…」
「ほりゃあ…舞…もっと飲めえぇ…」
「もうのめまひぇ〜ん…」
「…何で…ジュースで酔っ払えるんだ…舞のやつは…」
「…器用な子よね…」
「いや…アイン…器用ですむ問題なのか?あれ…」
「…器用じゃないなら…歌謡曲大辞典ですか?」
「…………………お前さん…本気で言ってる?今の?」
「…わかった…緊急避難警報発令中!」
そう言って、ぐびっとストレートのウイスキーを飲み干す。
「…お前…酔ってるだろ……アンドロイドなのに…」
「ところで達也」
「ん?あ…なに?」
「…ちょっと寂しいから何か出し物1つやりなさい…」
「そうだそうだ!」
「う〜ん…出し物って言ってもねぇ…」
「あんた…手品にはまってたじゃない…それやったらどう?」
「…有希…そんなのつまんないわよ…」
「じゃあ…何をすれば…」
彼は、あたしの言葉に一つ返事をし…一口、ジュースを口に含み…
「あんた最近、新しい魔法の研究、してるそうじゃない」
ぶはああぁぁ!!!
…彼は…噴出した…思いっきり…狙い道理に…
「うわ…汚い!!」
「う…げほ…ごほ…ぐひょ…ぐふ…」
「大丈夫?達也?」
「…ごほごほ…だ…だいじょ…ぶ………じゃなくて!会長!何でそんなこと
しってんの!!」
「達也…あたしは一体誰?」
「すべてなる母…」
「はい(はーと)大正解」
「…って事は…もしかして見てたの?研究してるとこ…」
「まあね」
「………エッチ…」
ごすっ!
空気の塊で達也の頭を殴る。
「いちゃいの(泣)……」
「…やかまし…で…達也…その魔法…出し物として…今…使ってみなさい」
「…え?使って…って…今って!…いきなりーー!!!」
「え〜と…そうね………いでよ部下S!」
「は!L様」
一番あたしの怖さを知ってるためか…あたしの部下たちの中では、呼んで
から飛んでくるのに一番早かったりする部下S。
「…………って?え?あ…エル様?そこの、者たちは……人間?…と…一人
は人形ですか?」
「ひどい!人形だなんて!!」
髪を振り回し文句のアイン。
「せめて可愛いテ○ィ・ベ○って呼んで(はあと)」
『それも人形だし』
「アインちゃんは黙っててね。そ。Sの言うとおり彼らは人間よ♪」
「なぜ、人間がこんな所に?しかも、生身の身体のままで?」
Gと同じように不思議がってるS。
「ましてや…ここへ来られたとしても生身のままで居られるはずが…」
「ま…ここにくる方法はアインの体に埋め込まれてる次空転移装置があるか
らなんだけど…問題はなんでこの場所に居られるかよね…」
…ま…あたしは気付いてるんだけど…
「ねえ…L…」
「あ…こ…こら…L様に向かって呼び捨てとは…」
「いいのよ…有希はあたしの友達だからね(はあと)」
「…と…と…と…と…とも…とも…だ…ち…くはー…くはー…ですか…」
魔王が友達と言うだけで息を切らすんじゃない!
「飲み友達よ(はあと)」
「…飲み……」
「…あたしと同等にのめるんだもの…有希って(はーと)」
「…え゛…同等に…ですか…」
…あ…今、Sから有希に対する恐怖の感情が膨らんだぞ…
「…有希ネエの胃袋って…酒に関してだけは…ブラックホールに相当するか
なあ…」
ごすっ
有希の左が電光石火に舞う。
「…………………」
死んじゃったかな?達也?
「…で…L。話、戻すけど…生身の人間がここに居ると普通どうなんの?」
「まあ…普通は体自体が今の体を維持できなくなるはずなんだけどね…」
『え?』
聞き返す、有紀と舞。
早くも復活した達也。寝てるアイン…こら…
「体がぐじゃぐじゃになって崩壊するのが席の山よ…」
『げ…』
2人はうめく。
達也はまったく驚きを見せない。どうやらそのことを事前から知っていた
ようだが…なるほど…だからか…
「で…でも…じゃあ…なんであたしたち…」
「む…薄く…透明なエネルギーが3人を包んでいますな…その少年から…」
「あら…気付いたようねS」
「え?達也から?」
「…そのおかけでこの場にとどまることが出来たか…」
「…そういうことね…でも…S…」
「はっ!」
「…魔王の称号をもつくせに…ちょっと気付くのが遅かったわねえ…」
「え゛?」
「そーいうことで、部下S。お仕置きとして、達也の実験に付き合いなさい
な(はあと)」
「……哀れな……」
達也が思わずポツリと…
「……まあ…彼が今のをすぐに判断できたにしろ…別な理由でお仕置きは受
けることになるんだろうけど…」
…呟く。
…うむうむ…達也…わかってんじゃない…あたしのことを…
「……え゛……?!実験??!!」
混乱しながらも、どうにか声をだしてくるS。
まったく、あたしの部下達って、なんでこう、全員、同じ反応しか出来な
いのかしら…
「そ♪実験♪達也がなんか新しい魔法の研究してるんだけど…あたしの知る
限りまだ、それの発動させてはいないと思うのよ…危険すぎて…場所を選ば
ないといけなかったらしいし…」
「…まあな…」
あたしの言葉に素直に答える達也。
その目がきらきらと輝いてたりする。どうやらこの子、あれを1度でもい
いから発動させてみたかったようね…
「あ…ちなみに…その魔法って…神魔混合魔法なんかとは比べ物にならない
みたいだから…S…死なない手度にがんばんなさいよ。それと結界かなんか
で防ぐのは却下ね(はあと)」
あたしの言葉の意味を瞬時に判断した、Sは、見る間に血の気が引いてゆく。
「エエエエエル様〜??!!」泣き言を言うS。
「さて、許可がでたことだし♪実験始めましょ♪」
「…許可って…」
「…出てないよね…」
「…可愛そうに…あの呪文って…重破斬ほどじゃないけど…魔王ぐらいなら
簡単に倒せる威力なのに…まあ…手加減はするけど…」
その後、達也の呪文は完成した──
どうやら…その呪文は…彼の住む世界の六精霊王、すべてからそれぞれ力
を借り…と言っても一精霊王に借りる力は竜破斬並の威力があったようだが
…それらを一つに纏め上げる呪文だった──
ちなみに、生意気にもその呪文をぎりぎりのよけたSは──
かすっただけで1/3のダメージを受けていた…な…なさけない……