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内容
コメント2001年に遂に『AKIRA』のDVDが発売され、更には2002年12月にサウンドをリニューアルした『AKIRA DVD dts Edition』が発売されるに至って、再燃した映画『AKIRA』熱へ向けて緊急出版されたのが、この『アキラ・アーカイヴ』。かつて映画公開時には『アキラ・グラフブック』、『AKIRA MECHANIX2019』の2冊の設定資料集がリリースされていますが、これらは既に絶版で、プレミア価格となってしまっていました。しかも、当時の本はグッズ紹介やフィルム・ストーリー、フィギュア関連記事など、設定資料集にはあまり必要の無いページも収録され、中途半端なイメージがありました。そこで心機一転、新たに映画『AKIRA』の制作過程の記録にフォーカスした本作りが行われ、この『アキラ・アーカイヴ』となりました。 構成は、ストーリーボード、大友克洋インタビュー、キャラクター設定集、関係者インタビューと担当原画、シーン毎の原画、美術、解説というもの。この本で一番素晴らしいのは、可能な限り全ての原画・修正原画・レイアウト等に、描いたスタッフのクレジットが入っていることです。殆どクレジットの無かった既刊本と異なり、各スタッフがどの様なパートを受け持っていたのか、そしてどの様な画を描いたのかがはっきり分かることで、作品制作をより理解することが可能となりました。また、全体として大友克洋による画が半数以上を占めており、マンガではなく、映画『AKIRA』での大友克洋の仕事を深く知ることができる本にもなっています。一例を挙げれば、映画『AKIRA』の第1号ポスター(第1号ポスターと同柄の前売り購入ポスター)は、原図:大友克洋、仕上げ:水谷利春となっていることは広く知られていましたが、その原図がどうなっていたのか、また仕上げ時にはバイクと金田の位置関係が変更された(より近づけられた)ことなどが判明しました。 作品が作られてから14年という歳月が経過しているため、インタビューではかなり客観的な視点から語られているのが興味深いです。また、主要スタッフが『AKIRA』制作後にどの様な道へと進んだのか、キャリアの中で『AKIRA』制作はどの様な位置づけなのかという点にもかなりの分量が割かれており、映画『AKIRA』がアニメーション業界に及ぼした影響について知るのにも適していると言えるでしょう。 そんな素晴らしい内容の本なのですが、2002年12月の販売後、在庫が終了したところで品切れ、絶版となってしまい、その後は古書店でしか入手できなくなってしまいました。相場は定価程度ではないかと思われますが、場合によっては倍くらいの値段が付いていることもあるようです(2012年現在)。 OK Misc. Comics | Home | BBS | Links |
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