OTOMO KATSUHIRO on Magazine劇画悦楽号7月5日増刊号 まんが笑学校
収録作品
コメント劇画悦楽号といえば劇画アリス等と並ぶ70年代アンダーグラウンドを代表する(?)エロ劇画誌ですが、その増刊号として発行されたのが「まんが笑学校」。当時流行の兆しを見せていた4コママンガ(既に81年創刊の竹書房「ギャグダ」(後の「まんがライフ」)などアリ)をメインに据えた実験誌で、そこら中からかき集めた4コママンガ作家の作品を掲載しています。ファミリー路線、不条理、時事もの、もちろんエロ路線も。ただ、それだけでは誌面が単調と思ったのか、それとも単にページが足りなかったのか、ニューウェーブマンガ家達の作品が各所に散らばる構成となっています(マン奇天から民族大移動…いや通過しただけか)。大友克洋のマンガ作品は掲載されませんでしたが、巻中の「奥さまマンガ劇場」というコーナーに参加しています。 この「奥さまマンガ劇場」とは、吾妻ひでお、大友克洋、高信太郎、及び渡辺和博という4名のマンガ家(渡辺和博はマンガ家というよりは作家・イラストレーター)の夫人に4コママンガを描いて貰うという斬新な企画。うち3人は何某かのマンガ経験者でしたが、大友克洋夫人は唯一のマンガ執筆未経験者。テーマである「広い意味での夫婦生活」に合わせて、まだ小さかった息子の昇平氏(現在はイラストレーターとして知られる)、飼い猫のトロなどを登場させて当時の生活を描いています。そしてこの企画で改めて、細かな絵を描く旦那様を尊敬することになったとか。なお、これだけだったら「大友イラスト掲載誌」ではありませんが、大友克洋画の奥さまの似顔絵(3cm四方)も掲載されています。当然のことながら、このイラストは他では見ることのできないものです。 他の掲載作品では、やはり4コマ作品よりもニューウェーブマンガ家達の原稿が目を引くところでしょうか。なかにはコラムで1ページ丸々イラストを描いているおおやちきなどもいて侮れません。また、どういう経緯だったのか、巻末近くに東京女子大学漫研の作品が掲載されています。森川久美を輩出したことで既に有名だったようですが、掲載されている合作作品(「やっはるーっ 第十三号」より)にはまだデビュー前の今市子の名前もあり、興味深いです。 マイナー誌の増刊号ということで、非常に入手困難。しかも、国会図書館、現代マンガ図書館、大宅壮一文庫のいずれにも所蔵されていないため、閲覧自体が困難となっています。そしてあじまにあも狙っています。 |
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