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OTOMO KATSUHIRO on Magazine

りぼんコミック '70年10月号

Ribon Comic '70/10
  • 集英社 2-11
  • 1970年10月1日
  • 386p
  • B5 版
  • 定価 130円

収録作品

タイトル 作家 頁数
ちっちゃな時から 4c4p+2c8p もりたじゅん 48
ミキとクロッパゲ のがみけい 25
風の詩 2c8p 一条ゆかり 42
へんな子ちゃん よこたとくお 8
若さだ!ギターだ!初恋だ!! 末永あや子 24
とことこトコちゃん サドハラノッコ 1
笑っちゃいや〜ン 土田よしこ 4
栄光のグリーンフィールド 山岸涼子 29
蒼い星かけ 松田明姫 32
山ネコ教室 4c扉+2c1p 巴里夫 70
カルナバル 樹村みのり 17
お金がほしいの 汐見朝子 16
オー!ゲバハレ学園 羽生敦子+弓月光 11
りぼんコミックスクール第16回 編集部 4

コメント

マーガレット、フレンドに対して多少低い年齢層を対象とした集英社の雑誌「りぼん」の姉妹誌で、毎号読み切り作品ばかりを掲載した月刊誌「りぼんコミック」。1969年に創刊され、1971年までの3年間発行されていました。その1970年10月号に、「狙撃」(「週刊少年サンデー '69年11月9日号」に一部掲載)に続く大友克洋の投稿作品が掲載されています。「スーパーフィクション '82年11月9日号」の対談では、「りぼん(コミック)」への投稿が初めてのものという発言がありますが、実際には2回目と思われます。1970年というと大友克洋はまだ15歳。後のインタビューではこの頃、樹村みのりが好きだったらしいことを発言しており、その影響もあっての投稿と思われます。
 作品のタイトルは「ママの誕生日」。団地に住むまさひとはママとふたり暮らしのカギっ子。ママが仕事から帰ってくるまでは一人で絵を描いたりして過ごしている。やがてママの誕生日になり、まさひとは貯金箱を壊してプレゼントを買ってくる。しかし帰ってきた部屋にはママと一緒にヤクザがいて、結婚しようなどと言っている。それに「誕生日(自分を)を忘れてしまったんだ」とショックを受けるが‥‥。というような内容のようです。また、最後にはママとまさひとは和解するということが「スーパーフィクション '82年11月9日号」で語られています。「全体に詩的な流れがある」「しっかりした構成だがネーム(せりふ)がやや消化しきれていない」「デッサン力は十分で、構図は心にくいまでによく計算されている。特にペンタッチはユニークで味があり、センスが光っている」「しかし‥‥キャラクターに今一歩、個性が感じられない」などと評されており、絵=8点、ストーリー=8点、センス=8点(各10点満点)を得ています。同号で「りぼんコミック賞」に入賞しているのは(後に「りぼん」の看板作家の一人となる)赤座ひではる。その得点が計25点、大友克洋は24点ということで、総評でも「非常にすぐれたセンスと将来性を感じさせます」とされています。
 収録されているのは同作品の扉絵と、(恐らく最初のページの) 1頁(5コマ)で、それぞれ B5 の 1/16 のサイズ。
 ちなみに、投稿者名は「大友文子」。これは妹さんの名前であるということがやはり「スーパーフィクション '82年11月9日号」で語られています。いくら(当時としては)かなり過激な作品も載っていた「りぼん」の姉妹誌といっても、恥ずかしかったということです。

この当時の少女漫画誌はかなり少ないのですが、「りぼんコミック」はなかでもだいぶ入手困難な雑誌です。相場は 2,000円〜ですが、入手はかなり困難と思われます。

 

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