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OTOMO KATSUHIRO on Magazine

週刊漫画アクション '73/12/20号

Weekly Action '73/12/20
  • 双葉社
  • 1973年12月20日 第7巻第57号通巻350号
  • 224p
  • B5 版
  • 定価 120円
  • 雑誌コード:9423-12/20

収録作品

タイトル 作家 頁数
ぶれいボーイ 3-前編 4c扉+2c4p 小池一雄+芳谷圭児 32
ないとキューソク 10 岩本久則 6
現代柔侠伝 青春期7 バロン吉元 25
気分のいい日に生まれていたら… 4 泉谷しげる/秋竜山 6
ゲバゲバ時評 はら たいら 5
オシャカ坊主列伝 301 2c 小島功 4
子供達は何処へ…… 大友克洋 22
博徒ブーゲンビリア 21 夢野京太郎/かわぐちかいじ 26
狂人関係 2 2c4p 上村一夫 25
トテチテ太 47 牛次郎/モンキー・パンチ 19
子連れ狼 2-87 小島剛夕+小池一夫 28
結作物語 116 2c4p 黒鉄ヒロシ 8

コメント

単行本未収録の「子供達は何処へ……」が掲載されています。大友克洋の第五作目で、オリジナル2作目です。アオリは「未来を閉ざされ明日を持たない子供達は何処へ……」。「ユリイカ 特集大友克洋」に書かれている通り、3つの断片的なエピソードが羅列してあり、それぞれの間を、どこへともなく走っていく子供達の絵が繋いでいます。また、「コマ」はなく、かろうじてページ毎の外枠を規定する枠線が描かれていますが、ペンはその枠線もはみ出してしまっていて、全ページ全方向が断ち切り状態となっています。その証拠に、上下、ハシラ共に写植が全く打たれていません。非常に実験的な作品といえるでしょう。画面手前に大きな、何もかかれていない「コマ」が配置され、その下から子供達の足だけが覗き見えるという扉絵も、非常に意味深です。そして、ラスト少し前に描かれるマイルス(デイヴィス)もまた、印象的。
 線は「橋とそして……」から、更に細かく書き込まれています。特に、顔の凹凸が全てカケアミ様の細かい線によって描写してあり、一種異様な雰囲気を醸し出しています。この描き方は、次作「上海かぜ」では一歩後退しているものの、次次作「密漁の夜」で、また一歩押し進められたのではないでしょうか。
 過渡期的であることは間違いないものの、非常に印象に残る作品だと思います。

きわめて入手困難。ただし、現代漫画図書館に所蔵されています。

 

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